読み込み中...最近は、女性のよき、結婚相手のナンバー1は安定を好むというのが傾向のように感じます。それは社会の隅々まで行き渡り、それが、マーケットで言えば、ゴルディロックス相場、つまり安定相場と言われるものまでになりました。
相場は安定するのか、という命題に対して、明らかに答えはNOであって、相場は破壊的な暴落や暴騰でない限り上下に大きく振れたほうがいい、というのが当然の結論です。これは個人的な意見です。
これは、自然界の法則であって、たとえば、木は風雨や風雪に耐えてより大きく成長するのであって、困難があればあるほどその木は大きく成長する、と考えればいいのです。
人間も死を招くような困難や苦労はほしくはないけども、多少の困難、苦労があったほうが大きく成長をする、というのは年齢を重ねたらわかることです。マーケットも同様で、大きく上昇、下降する相場でそのトレンドが強固になるのは、その道中において多くの試練が待ち受けているのが当然のことです。
つまりそれらの艱難辛苦に耐え抜いた大きなトレンド相場が成長するのです。つまり女性が求める安定性や、世の中が求める安定性などは、結局は安定相場のときは順調のように見えますが、いったん破壊的な暴騰、暴落が起こると、その安定性になれてしまえば、その上下動によってマーケット人生を終えることになります。
自然界でいえば、地震や洪水などの災害によって命を落とすのと一緒のことです。地震は忘れたころにやってくるという慣用句は、非常に意味深な言葉であり、要するに人が忘れたころ、つまり安定性をあまりに享受をしたときに、地震は起こるものなのだ、という意味なのです。
相場における暴騰、暴落も一緒のことです。この大きなトレンドに乗るということは、小さい超えられる試練を何度も繰り返すから乗り越えられるのです。その小さな不安定性を排除しようとするのがAIなのです。
現在の世界の証券取引、FX取引の70パーセント程度がコンピューターによる自動売買と言われています。その取引時間はマイクロ秒以下ともいわれており、小さな不安定を排除することに貢献をしています。こうやってできた安定相場、つまりゴルディロックス相場などは、崩壊するのも早いものです。
そして崩壊するときは致命的な破壊をもたらすことになるのが当然です。2月のアメリカ株10パーセントの暴落で、みなさん驚いたようですが、あんなものは急落でもありません。本当の急落がくるときはリーマンショック以上のものがくることになるでしょう。
なぜなら、今のマーケット環境というのは、不安定さを解消することにみなさん必死になっており、その結果、上述の木のように非常に不安定にもろくなってしまいます。つまりストレス耐性が非常に弱くなっているので、そのボラタリティーに耐えることが、ほとんどの投資家にはできないことでしょう。
その具体的なこと
これはGDP発表時に、発表される企業収益、税引き後になります。景気がいいのに、企業収益はマイナス、株価はこの間に最高値を更新しました。不思議な話ですね。
もちろん、年明けの減税効果をみないとわかりませんが、でも株価は最高なのに、利益は減る。本当は悪いんじゃないの？という疑問は誰でも成り立ちます。
中小企業楽観指数
かのテンプル卿の名言「相場は悲観で生まれ、懐疑で育ち、楽観で終わる」を思い出します。
今が楽観のピークとしたら非常に怖いですね。前回のリーマンショックの前にそのピークを迎えています。ただ、消費者は好調ですので、企業が悪くても、ある程度、景気はよく見えます。
なぜなら消費者関連の指標というのは一致、ないしは遅行指数に定義付けされるからです。消費者はお給料をもらう人がほとんどですから、そのお給料が上がるのは企業の好調を確認してから企業はお給料を増やす。
つまり景気に遅れてお給料があがり始める。そしていつも言うように、そのときに設備投資が行われないと、景気循環に破綻をきたす、それだけの話です。
女性というのは、私の今まで生きてきた経験上、安定を好む生物になると思います。でもね、自然界が適度な不安定さがあるのに、マーケットは安定になるなんてことはありえないことです。
AIというのも人間は不安定さを回避する傾向がありますので、その小さな不安定さも解消するようにしようとするから、大きな不安が来るのです。私がAIに対して否定的なのは、そういう不安定さがなくなれば人間らしさを失うから否定的なのです。
現代の社会は行き過ぎた合理化社会であって、不便なことはいいことなのです。便利さばかりを追求するとロクな目にあいません。4月の相場がどうなるかわかりませんが、シカゴPMIもダウントレンド入り、消費者信頼感指数もダウン。この状態では株価は上昇しませんね。
（この記事を書いた人：角野 實）
