アメリカのGDPは前期比、予想が2.7に対して、結果2.9と上ぶれしました。アメリカ>日本の傾向が一層強まりましたので本来ならば、円高にいかなければいけないのですが、逆に円安に行ってしまうというちぐはぐぶりになります。
ユーロに対してはユーロ=ドルとなり、次回の発表をみるまではなんとも言えませんが、ユーロドルは今まで高すぎたものを訂正にきています。ユーロドルが下落するということは、ドル高になりますので相対的に円安になるのは、それなり結果になると思います。
考察
書けば、書くほど曲がりますので、本音は書きたくはない、ということになります。今まで、さんざん書いてきましたが、ドル円の動向を探るためには、ユーロドル、ドルスイス、金、原油などを見ていると良いと解説をしてきました。
きのうの動きはドル円をみていると、結果的にユーロドル、金の動きは妥当な動きになります。原油だけは、本来ならドル高であれば下がるはずなのですが、今回は上昇。これは今まで説明をしたように、原油に関しては今回のドル高と値動きは相関性がない、ということになります。
ただし、金に関しては相関性が生きているということになります。ただ、一方で、金銀レシオという言葉に代表されるように、金の価格の比較対象である銀価格が金と相反して急落をしています。
私はこの金銀レシオという相対的な数字には、一切興味はありませんのでみていませんが、通常の感覚でいえば、金の価格だけが上昇し、銀の価格はさがるということはあまりありえません。
ほぼ相関をして同じような値動きになるのが普通です。貴金属の通電性は金が一番優れており、その次に銀、銅となります。これは価格に相関をしており、電線に銀や銅を使うとコストが金よりも安く済むということに起因をしています。こういった、銅や銀のように価格の安い金属が下がっているということはやはり将来のドル高を暗示していると言わざるを得ません。
しかし、目先の動きは、きのうのアメリカGDP確定値発表によって、アメリカ>日本の格差が拡大したのですから、本来は円高にならなくてはいけません。発表、直後から円安への進行が一方的になったことから、予想されることは介入になります。
かんたんに予想すると、年度末のレパトリと想像することができますが、私はそうは思いません。要するに、このGDPの発表によって、アメリカドルの売り需要が多くなり、結果的にドル安になる、ということの実需の買いが出た、という想像することができます。
ここからは内部要因の話になりますので、理解できない方が今までの文章も理解できないのに、さらに理解できない人も増えることとなりますがご容赦ください。
日本の財務省というのは、国際的には相場巧者と思われているのが通常であり、彼らは、相場に影響を与えるときは如実に影響を与える場合には、はっきりとわかるように介入をしているよ、と示しますが、わからないようにやる場合は、マーケットに影響を与えないようにやることもできます。
過去の経験ではそうなります。今回の場合、もちろん、介入ではなく年金や公的資金によって買っていると思いますので、統計には出ません。何が言いたいかといえば、このGDPの発表によって、日本は、ドルを買い続け、おそらくアメリカ国債の買い付けを行ったのであろう、と思うのです。
この結果は、財務省の統計をみないとわかりませんが、きのうの不可思議な動きはそうなると思います。内部要因ではドルの売りはハナが多くなるのですから、その売りハナに年金関連資産がドル買いをぶつけてきたのであろう、と思います。
一夜にしてそのドル買い需要をすべて消化できるわけなく、ここ最近のドル円相場の不可思議な動きは、この影響か、と思います。そして今朝のモーサテでは、アジアの中央銀行群がアメリカ国債を売っている可能性を示していましたが、まだ、この売った国というのを確証が得られないので明示はしていませんでした。
ただ、その国は中国であろう、というのは、当然の発想になると思います。つまり、年初から中国はアメリカ国債を売っている可能性があり、その結果、中国がアメリカ国債を放出した分と減税で追加発行をした分、日本が買わされたという構図が見えてきます。この不可解な動きというのは、こういうことであったのか、と思います。
ですから、実際に中国がアメリカ国債を売ってきたのでトランプが慌てて、貿易戦争を仕掛けたということです。おそらく、日本に対する報復関税は解除されることになるでしょう。誰かが訪米して、交渉するらしいですがおそらく成果以上の果実を得ることになるでしょう。
要するに一連の少なくても、日本とアメリカの貿易戦争まがい、のものは、終了することになると思います。しかし、トランプの貿易赤字に対する根本は変わりませんので大きな成果は得られないと思います。この貿易戦争は少し前に、日本の報復関税が外される条件として、日本のアメリカ国債購入が条件になる、とお話しした通りです。
テクニカル的に
下品な言い方なのですが、きのうの日足はピンコ立ちです。ただし、これは底値立ち上がり線では今までのデータと経験からはありません。曲がりまくっていますので、あまり偉そうには言えませんが、またもとの着た道に戻るのであろう、と思います。
(この記事を書いた人:角野 實)