連日、貿易問題の根幹に関しての解説を説明しています。なぜ、何度も書くかといえば、この問題は、貿易問題が根幹ではないからです。おそらく、今年のアメリカの財政赤字、貿易赤字は拡大します。
これはレーガン政権下では「双子の赤字」と言われ、まさに私は何度も言っていますがトランプはレーガンに憧憬をしている、ということは明らかです。そのレーガンの代名詞は、東西冷戦の終結、高い支持率、インフレの悪化、ということが挙げられます。
その中で貿易赤字を押さえるために日本に対して貿易戦争を仕掛けたのです。やっていることはレーガン政権でやってきたことの踏襲と考えれば、ある程度読めてくるものです。
貿易赤字、財政赤字
貿易赤字
財政赤字
財政赤字がこれだけ上昇すると、その借金の担い手である国債の買い手が必要になります。つまりドル高にして、中国に安心して国債を買わせたい。でもドル高にすると貿易赤字が増える。
これがトランプのやりたいことであろう、と私は思うのです。中国に国債を継続的に買わせれば、国債の金利が暴騰することはなくなる、だから買ってほしいのです。
喧嘩を吹っかけて、そして自分がある程度、有利な条件を勝ち得る、これがトランプ流のやり方です。これだけのことなのに、専門家と称する人たちは、訳のわからない解説ばかりをするのです。
こうやって見ておけば、だいたい、どういうニュースを聞いても、このニュースの意味はこういうことだな、と想像ができるのです。
気になるニュース
北の将軍様が、まだ確認できていないようですが、中国を訪問しているようです。このニュースを聞いて、誰も言いませんが、北の将軍様が中国を訪問するのは将軍様のオヤジ以来のことになります。
その後、オヤジはどうなったか、といえば、ガンだったと思いますが、亡くなったのです。おそらく、後継者は息子だから、中国とロシアに「ヨロシク」といっただけの話です。自分が亡くなったあと、自分の息子が心配だから、お願いにいったのです。要するに今回の将軍様の訪問らしき、というのはお願いの可能性が高く、ニッチもサッチも北朝鮮は行っていない可能性のほうが高いのです。
今までのアメリカとの交渉は、北朝鮮は、核放棄を前提としてではないならアメリカと交渉してもよい、と伝えましたが、トランプはこれを無視して核放棄を前提に交渉する、と北朝鮮は言ってきたと言って、これをトランプは歓迎する、そして交渉すると明言しました。
つまり、北朝鮮の要求など聞いていないフリをして、交渉をすると言い出したのです。本当にプロレスのような言い回しなのですが、これが実態です。とにかく、北の将軍様が中国を訪問するというのは、どうしようもなくなった時、というのが慣例だと思います。
この結果がすぐに出ないと思いますが、前回は、訪問してからオヤジが亡くなった、という事実を考えれば、何か動きがある、と考えなければいけません。
でも、政治や交渉の結果などは、すぐに結果が出なく、数か月置いてから、具体的な結果が出ることが常です。前段で説明したドル高にしても、トランプがドル高を明言したのが2月で、結果が出るのが4~5月であれば、そのことをみんな忘れてしまっています。
その間に強烈なドル安が来るので、みなさん、そういったことを忘れてしまってしまうのです。G20で話し合われた仮想通貨規制も同じで、規制を見込んで売りこむ連中はいるのでしょうが、通常は大きな戻りを達成してから、急落になると考えています。こんなことはテクニカルでは説明できません。
相場について
テクニカルでは、きのうは売られて当然です。ドル円の日足10をよく見てください。ニューヨークダウの日足10も。ここで跳ね返されるのは最悪で、戻り売り決定になる可能性は70パーセント以上になります。消費者信頼感指数が下がったのは想定外で、もうしばらく消費者の好況感は続くと思いましたが、意外に早いな、というのが感想です。
レッドブックも上伸していますが、周期性みたいなものと考えています。景気は好循環の中の調整に向かっていますが、遅行指数の消費者の指数が全部悪くなり、そして、先行である設備投資が上昇していれば、そこがファンダメンタルズ的には底が、マーケットに入るものです。
設備投資が上昇しなければ、かなり、押し目が深くなるのです。例年、この時期からアメリカは設備投資がよくなるのですが、どうでしょうか、要注目になるのです。
(この記事を書いた人:角野 實)