上記の表は、2018年に入っての月間の高低予想です。上が1月の高低、下が2月の高低になります。この計算は、計算によって導かれた数値になります。
実際のマーケットは以下のようになります。
詳しく説明をしていきます。上記の表は、計算式で算出した数字になりますが、1月の始値、終値に関しては実際の相場の値を入れています。ただし、高値、安値は計算でしたものです。
2月も始値は実際の値段、終値は2/17の終値を入れています。つまり、上の数字というのは高値、安値というのは計算して書いたものです。これでこの表の見方はおわかりになりましたでしょうか?
解説
先ず、1月の高値予想というのは、113.23円で、実際は下の表からわかるように113.36円になります。その誤差はわずかに13銭になります。安値に関しても予想が108.19円に対して、108.28円になりました。
その誤差は0.09円ですので驚くべく数字になります。この1月の計算を参考に2月の数字を計算すると、上の表の高値、安値の予想になります。
知っておかなければいけないこと
この上の表の予想値を出すのに苦労をしたのが1月の高値予想になります。この苦労する部分を説明するのに、相当に難解なので、わかる人だけは以下を読んでいただけると幸いです。
為替相場やほかの金融マーケットでもデータの対称性というのが必ずあります。この事実を知っていれば、高値が決まるとある程度の安値の目途がつくということを知っている人は残念ながらほとんどいません。ましてや金融関係者でも知っている人は皆無に等しいと思います。
みなさんが躓く場所というのはこのデータの対称性という部分になると思います。最近は、情報の非対称性という言葉が流行をしていますが、この情報の非対称性というのは、ある商品の売り手と買い手には情報量が対称ではない、という意味になります。
つまり、消費者サイドからみれば、販売店、製造業者が抱えている商品の情報と、消費者の情報が同等ではない、ということを情報の非対称性という言葉を使うのですが、よく考えれば、売り手と買い手が同じ情報を共有している訳がありません。
特に、欠陥商品の場合、売り手は、ほとんどの業者の場合、その欠陥を隠して消費者に売りつけるという行為が行われています。最近は、業者もそのようなクレームを受けることは命取りになりますので、欠陥を公表して販売しています。
しかし、そのようなことが今、大々的に行われているのはネットのフリーマーケットになります。つまり中古品を格安で売る、格安で売るのにはその理由が存在するのですが、買い手は安いと思って買う。そこでトラブルが発生をするということになります。
当たり前のことなのですが、こういうことを情報の非対称性といい、だれでも考えればわかることなのに、こんな小難しい言葉を名付ける経済学者というのはアホなのです。
マーケットではこの値段の非対称性というものが存在しなく、必ず、その対称性というものが、存在します。値段が持合いのとき、持合い相場が得意な人がなぜ、素人に多いのかといえばその値段の対称性を見た目にも、頭でも理解をしやすいからです。
逆にアップトレンドの場合には値段の非対称性が存在しますが、ダウントレンドでその非対称性をカバーするので結果的に対称性を維持できるのです。だから、たとえば、高値が確定すると、安値もある程度確定するのです。逆も同じになります。
今回の場合、1月の高値は特異なケース
以前に私は年初にこれだけ円安に行く理由が全くわからない、と記したことがありましたが、今回、この計算をしてみてよくわかりました。この1月の円安には全く、根拠がないのです。
ファンダメンタルズ、テクニカル、内部要因でも。つまり意味不明な値段なのです。意味不明ですけど、巷のテクニカル論者は、上に放れた訳ですから買います。それで無謀な値段をつけるのです。
これがいかに無謀な値段であったかは計算方法を知れば知るほど、めちゃくちゃなものだということがわかります。この1月の高値はリーマンショック並みの無謀な値段です。ただ、値段には対称性があり、この言葉をもっと簡単にいえば、買われすぎたものは、必ず売られすぎる、ということです。
つまり、1月に円安だと騒いでいたが故に、2月は、売られすぎで円高に行っているのです。1月と同じ、買われすぎ幅を計算すると2月の円高は101円までいくという衝撃の数字になるのです。
ここからは以前の復習になりますが、2月の始値は109円になります。国際的な合意の中では、為替介入は1か月で10パーセント以上通貨高になった場合には、介入ができるという合意が存在します。
つまり、2月に実際に介入ができるのは、99円近辺であって、現在の105円、106円レベルでは介入ができません。ただし、1か月に5パーセントの円高になってくると、麻生さんや財務次官が為替の動きに注視をするというようなコメントを出します。
それは、ユーロも一緒のことでしょう。これは以前、為替が大きく動いたイギリスのブリグジットからの経験則です。5パーセントの円高が実現した時点で、あのときは動き始めました。
こういった条件を考えると、2月に101円なんていくことはあり得ないと考えられます。つまり、財務大臣や財務次官が為替の動きに注視をするという発言が出るのですから、104-105円くらいになれば戻るでしょう。
でも、値段には必ず対称性というものがあり、その対称性を修正するまでは円高傾向が続く、ということになります。ドルも同様なことが言え、トランプラリーによってドル高に行きすぎた修正が今頃、来ているだけの話です。
ユーロに関しては、15-16年にパリティーに近い値段を実現したので、去年から今年、買われすぎる場面が現在来ているのです。実際、まともなレートは1.21なのですが、1.25まで行ってしまっています。
そうなると、ドル円は私が書いた予測であると、4月に大幅な円高に行くというのは、間違いのではないのね、と思います。来月は円安予想ですが、また、年金にアメリカ国債でも買わせて、円安にもっていくのか、と思います。
私から言わせれば、ここまでやってテクニカル分析というのであって、チャートでわかる範囲しか分析しないというテクニカルなんて偽物です。最近、200日移動平均を語る人が多いのですが、正確には205日くらいが正解の数字ですし、そもそも200日を提唱した人は詐欺師として有名なのです。
当たりまくって最後は、おお外しして最終的には詐欺師の烙印を押されたのです。詳細はバートン・マルキールのニューヨークのランダムウォーカーに掲載されています。
205日は私の計算で、天体の動きからみると200日は正解ではありません。つまりテクニカルだけで相場で長年、飯を食っている人なんか、私は今までみたことがありません。
ファンダメンタルズや内部要因を勉強するとテクニカルの欠点がよく見えてきます。そして今月の円高は、意味不明だと、また高名なアナリストや評論家、専門家が騒ぎだすでしょうが、私からいえば、理解をしていないだけの話です。
買われすぎたものは、必ず、売られすぎるのです。身近なものは、日経でしょ。日経平均が私は買われすぎだと声高に叫んでいたのですが、バブルの最中にこの状態で売りを叫ぶのはアホとかいう人が多数いましたが、どう思うのでしょうか?
私がその時に言った、17000円くらいまではいつの日か売られるでしょう。そのバブルの渦中に買いを入れた人はいつも泣くのです。不動産もそうです。バブルです。都心もです。
都内は下がらないなんて、何の根拠もなく騒いでいる人がいますが、皆のバブルの熱気におされているだけです。今回の説明で、今の円高の現状を説明しました。本来のドル円の今月の正確な数字は、102円くらいが適正なレートになります。
110円で、もっと円安になると叫ぶ人がいかに何もわかっていないか、おわかりになることでしょう。10パーセントも割安な通貨を、さらに円安になると叫ぶのは狂気の沙汰にしか見えません。
AIにこの計算ができるとは思えません。なぜならインプットする人間がテクノロジー関係者で、金融の知識に欠如をしているからです。
金融関係者も感覚ではわかるのですが、実際の計算はできるはずがありません。つまりインプットできる人間がいないのに、AIがそのうち正解するなんて夢みたいなことをいつまで信じるのでしょうか?
AIがトレーダーに置き換えることは絶対にありません。それなのにAIを信奉する人が多いのは単に無知か騙されているだけの話なのです。ゆえに生産性効率の問題、安倍さんのいう、も問題だらけなのです。だから、できるものならやってみろ、というのです。
(この記事を書いた人:角野 實)