株価の適正水準の計算の方法は、「20940×1.027=21505」で求めることができます。日経が安値を出したあと21500円近辺で頭を叩かれたのはこの為によるものです。
ただし、2月の前半は、この計算方法というよりもこの解ではなく、違う基準値になります。2月の前半は21650円くらいが適正な水準でした。この計算方法については、以前に2-3日かけて説明をしていますのでまた何日もこの説明に費やすことはできませんのでご了解をお願いします。
ここからわかること
この説明は何度も書いていますので、飽き飽きの方も多いと思います。ただ、現実にはなかなか理解できないと思いますので書いておきます。日経平均の通常というのは、株価が上昇すれば円安、下がれば円高ということをみなさんは認識していると思います。
しかし、これはいつものように前提条件が付き、株価が割安な場合にこのような法則というと大げさな言い方になりますが、そういった傾向があります。
つまり日経平均が割高になった場合には、上記のようなルーティーンというのは成立しなくなり、ファンドは株を買いながらもヘッジで日本債券を通常買うのですが、現在の国債市場は上手にヘッジの機能を果たしませんので、その国債を買う資金が円市場に流れてきてドル円を買うから、株価が割高な場合には、上記のような規則的な動きは示現せずに、株が買われれば買われるほど、円も高くなる現象が起こると考えると、すべての動きを理解することができます。
たまに、このような論法を私の主張と言われる方もいらっしゃいますが、ほかの方法で説明しても、何らかの動きが外れて動くことが多く、上手に説明ができません。
つまり、この説明ほど、今の相場をうまく言い当てている方法はない、と自負をしております。つまり、私の主張と言われるのは結構ですが、個人的にみれば主張ではなく、きわめてロジカルな説明である、と思います。
では、現状は、21500円を超えてきているので、株が買われるごとに円は買われ、そして、21500円を下回ると割安な株価になりますが、下落をすると円高、株価が上昇すると円安というパターンの復活になると思います。
現状は、21500円近辺に株価があることを考えれば、上がっても下がっても円高になるというのが現状で、円安になる可能性は極めて低いのですが、私はなんか、下がり過ぎだからとりあえず買ってみるかと言って買ってしまった愚かものです。
買わないで、売り続ければもっと、儲かったかな、とは思います。ただ、欲張りすぎてもよくはないと思うのでこれでOKとも思います。
ボラタリティーの問題
ユーロドルは前回高値に近づきつつあり、そろそろいいところか、と考えます。前述のようにドル円というのは株価とも密接にリンクをしていますが、同時にドル安、ドル高とも密接にリンクをしています。
今回の世界的な株高というのは、2017年春にドル安が始まって、ユーロドル相場が急騰したことに原因があると言っているのですが、さまざまな意見が出ていることに非常に困惑を覚えます。
その急先鋒というよりもコンセンサスは金利とみなさん言っている訳ですが、通常、金利が上昇すれば、株価は下がるのですが、金利が急騰してもちっとも株価は下がらなかった現実をみなさん無視していると思います。
教科書通りなら金利の上昇は株価の下落になりますが、きちんと適応をしていません。つまり間違っているということです。ドル高、ドル安で株価をみると見事に一致するのです。
つまりユーロドルが前回の高値近辺まで来ているということを考えると、高値近辺で一回、投資家は警戒する、これがきょうのマーケットの動きになります。世界の通貨市場の4割程度をユーロドルの取引が行われている現状、ユーロの買い足が鈍るということは、ドル高を意味します。
つまりドル安によって株価が上昇するのであれば、アメリカ、ヨーロッパ株が今夜は下がる可能性が大きい、しかも週末、原油。金、仮想通貨も現状はドル安で上昇をしているのですから、押し目を形成する可能性が高い、ということになります。
ボラタリティーからみると、ドル円相場のボラは2016年のトランプラリー時まで戻りました。つまり、2017年の感覚でトレードをすると変動率は全く、1月とは違っているということです。
またテクニカルからみると、トランプラリーのころに戻ったといえば、本日の安値106円近辺はいいところです。しかし、きのうの週足、月足のデッドクロスを思い出してください。
あのような綺麗な形のデッドクロスが出て、まだ一週目の円高です。しかも10.30ともに下向きです。ここから、まだ売りというのも勇気のいることになりますが、その変化の兆しというのはユーロの高さのみであって、ほかに要因が見当たらないということになります。
これが反転するのには?
アメリカ経済の指標が好転することにあります。本日はフィラデルフィア連銀、ニューヨーク連銀の景況指数が発表されましたが、非常に好調です。とくに期待指数などが相当好転しており、これで現状指数が好転すれば、とは思います。
フィラルディアフィアはかなり注目の指数になりますが、反応が鈍いと言わざるを得ません。ただ、日本の指標は好転する見込みが全くないので、アメリカ>日本が続くことになります。
ゆえに円高に最終的になる訳です。この円高で日本経済が良くなるわけがありません。内部要因的には、私のような値ごろの買いが存在しますので、それがファンドの餌食になります。
またこういうことを書くと怒られるのでしょうが、モーサテできのう内部要因を語っていた人は見える範囲でしか分析をしておらず、ファンドのショートが少ないのは、私のような値ごろ買いもおっかなびっくり買っているからであり、それに向かうファンドの玉数も自動的に減るのです。
要するにCFTCやIMMも逆向かいの発想で見るべきなのです。ファンドが売っている、買っているということはそれと同等の言い方は悪いですが、素人が逆のポジションを持っているから、売り、買いができるということなのだ、ということです。
ファンドと素人、どちらが勝つのかがわからないのが相場であり、ファンドの勝つ確率が高いと信じて、そう解説をしているのでしょうが、相場は個人投資家が勝つ場合もある、この前提を見逃すと手痛い失敗をするのです。
現在は内部要因を調べる手立てがなく、よくファンドポジションを引き合いに相場観を語る人が多いのですが、内部情報が公開されているころに勉強をした人は非常に少なく、ファンドポジションの持つ意味を理解している人が非常に少ないのが現状になります。
つまり、今、内部要因を勉強しても、本当の力などつかない訳です。法則とかアノマリーとか大流行になりますが、それには必ず前提条件があるわけであって、その前提条件の中ではそのような法則、アノマリーは通用します。
しかし、前提条件が崩れたときにどうなるかを見抜くのかが本当の相場力、と個人的にはいつも思います。現状は、きょうはユーロドルがどういう動きをするかに注目であって、金利などを見る必要がないと個人的には思います。
そして週末ですから、買いポジの整理もあるでしょう。株価は底をついたという、慢心が存在するような気がしてなりません、こういう慢心があるということは、おそらく逆方向にいくでしょう。その先はどうなるか?現時点では、どのくらいのボラが拡大するかによると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)