約9か月も続いたドル安局面の終了ですから、こういった値段が飛ぶというようなことが起こっても仕方がない、とは考えますが、なんだか、後悔ばかり残る転換のような気もします。かといって、本当にドル高になるかどうかはわかりません。
いえることは、トランプの発言は、今年はTPPないしは自由貿易によって、アメリカファーストを具現化する、ということなのでしょう。
このドル安はドイツ、日本、中国への貿易への不満から起こったものです。その結果、アメリカのTPP脱退につながったのですから、これに復帰を検討するということは、ドル安からドル高への転換を意味すると思います。
仮想通貨ネムの流出事件について
あまりFXには関係がありませんが、やっている方も多いと思いますので少しだけ記しておきます。
まず、仮想通貨の将来は、非常に暗い、ということです。これは既存の仮想通貨に関してで、今年もアルトコインは増えると思いますが、ほぼ詐欺だと思います。かんたんな理屈は、ビットコインを筆頭に使い道がない、保有にしか価値がないものに対して、価値が半減してその保有には意味がなくなりました。
そのうえ、盗難のリスクがある。誰が、そのようなコインを買おうと思うのか、ということです。ビットコインなどで儲けた人だけであって、他の人にとっては価値が見通せない商品だということです。
今、仮想通貨が買いとか騒いでいますが、これによって儲けるのは開発者や新規発行者だけです。ユーザーには何のメリットもありません。値段が上昇するという前提があれば別ですが、やっていない人からみれば何の価値もない。こういうのを金融詐欺というのです。
コインチェックはグレー業者です。あの会社に460億円のお金を保有しているとはおもえない。しかも、銀行のお休みの日に融資の相談などできる訳がない。どこからお金を出したかといえば、国が出したのでしょ、としか判断できない、誰もがわかる答えです。
金融庁は返還できなければ業務停止の腹積もりだったでしょう。でもみなし業者なのですから、国にも責任が問われる。そうなると返還不能となると、国への批判が高まるから仕方なく融資をしたというのが実態でしょう。
もう一つ考えられるのは、コインチェック自体が、呑み屋、であったことです。要するに顧客の預け入れ資産を丸々、自己財産にしていればお金はある、ということです。そして、私は今回の盗難は単なる横領事件だと思います。しかも社内外の人間が窃盗を働いたと思うのです。
仮想通貨というのは、暗号通貨といい、そもそも盗難が困難のように設計されているものです。それが盗難というのはあり得ない、というだけです。たぶん、判明するか、どうかはわかりませんが、単なる横領だと思っています。
セキュリティーに欠陥があるのは仮想通貨とは言いません。もし、本当に盗難であれば、仮想通貨なんかアブなかっしくて、持てる訳ないです。バカバカしい。
もしそれが可能であるならば、ネット銀行からサイバーテロによってあなたの銀行口座からお金を盗むことも可能なのです。本当にバカバカしい事件です。
バブル期には不道徳なことが多発する
去年の日本の製造業の一連の事件や今回のコインチェック事件などをみると、不道徳な事件が頻発しています。これはバブル期特有の事件であって、バブルの最終局面に多発する事件だということです。不道徳のことが多発をしていてその景気が長続きすると考える人はいないでしょう。
いつかは終焉するよ、ということです。北朝鮮は不道徳なことを頻発していても終わらないのは非常に不思議なことでしょう。そもそも、このアメリカ対北朝鮮の喧嘩はアメリカの不道徳から始まっていることから考えれば、そういうことか、とも納得できますけどね。
今回のアメリカ株高という背景は、ドル安であって、アメリカ景気の好調さもありますが、ドル安によってこの好景気はもたらされたと思います。きのうダラス連銀指数にしても内容はお粗末そのもので、ISMの低下はほぼ決定的な状況でしょう。
一方でユーロの景気回復は、これだけの通貨高になっても腰折れというような状況になく、このまま、本当にいくのか、と半信半疑の状態でもあります。
ともかくドル安がドル高の転換になり、アメリカの景気が低下気味になっているということが着目点です。ただ、考え方として、ドル高、景気不調になると、円高に行く可能性も考えなければいけないということです。つまり初期段階で、円高に流れ、その後円安になると考えなくてはいけないかも、と思うのです。
本日の相場
尾河真紀は円高といいました。逆張り率100パーセント女のご託宣なのですが、きちんと理屈を考えてくださいね(笑)。
最近、読んだ本の中では、予測なんてするとリスクテイクを多く取る傾向があり、一番、リスクが少ないマーケットの張り方では、予測の理論の脆弱性や間違っていることを探しだして、その反対を行う、のが一番賢いやり方だそうです。
つまり、曲がり屋に向かえ、ということなのでしょうね。やはり日本の相場格言は素晴らしいですね。私も曲がりやですがね。
(この記事を書いた人:角野 實)