アメリカ政府の閉鎖は早くて22日、つまり明日から再開になります。きのうの協議に関して何も報道がないので進展はないのでしょうが、きのう書いた方針通りになると思います。
そもそも今回の円高は、私が去年から何度もいいますが、イエレンとトランプの喧嘩から端を発するものです。ユーロ安の恩恵を受けて黒字を抱えるドイツに対して、トランプが噛みついただけの話です。
その結果、去年の春からユーロ高になり、現在も高騰をしているように、ドル安になった。その結果の円高であって、アメリカ政府が閉鎖になったから円高、ドル安になっているのではないのです。
要するに去年からアメリカに投資をしている投資家のポジションは、株買い、債券売り、ドル売りなのですから、この投資家たちが政府閉鎖を受けて、ポジションを重ねなくなるか、もしくはポジションを閉じるとなると、株売り、債券買い、ドル買いになるのですから、結果的にドル円は円安になるのです。
また、ほとんどの投資家は買いしか行わないので、去年からの株価の上昇は説明がつきやすいわけです。すなわち、現物の株を買った投資家が、それを売却する人数や数量は売りである債券やドルに比べると圧倒的に多いのですから株価の下落が顕著になる、ということになります。
すなわち、安易に考えている方は、アメリカ政府閉鎖が長引きそうであればさらにドル売りを仕掛けるのでしょうが、実際は長期投資家はドルを買い戻すので、それほど円高にはならない、ということです
。ただし、株価は安くなる見込みですので、ドル円と株価はリンクをしているのは明らかですから、ドル円、FXは株価を横にらみで考えなくてはいけない、ということになります。株価が下がるときには円高にいくときもあると思いますが、基本の流れは円安というように考えなくてはいけない、ということが私の考え方です。
債券に関しては買われるということはイコールの関係として金利は低下になるので、株にとっては好都合ですから、株価が暴落するということはあまり考えなくていい、ということにもなります。
こういうことを書くと、円高じゃないのか、という方が必ずいらっしゃいますが、私は何度も言うように、2月は円安、円安のピークは4月、それ以降は円高の進行と考えていますので、本番は4月以降、ということなのです。
長期の見方と短期の見方をごっちゃに書いていますので、意味不明になる方は多いと思います。申し訳ないです。
今週の注目は?
なんといってもアメリカのGDP速報値、10-12月期になります。この予想は、大体、各連銀、シンクタンクともに3.0前後になります。前期が3.2なのですが、10月に若干のドル高になっていますので、前期よりは少し小さい数字というのは妥当な数字だと思います。
日本は少しずつ円高が進行していますので、実質は少し減るでしょうが、名目GDPは大きく増えるということになります。つまり年率換算で3.2-.35くらいになる可能性があり、そうなると、日本とアメリカの経済格差が若干縮小する可能性があり、この2018年1-3月期は久しぶりに「日本>アメリカ」になる可能性があるから、円安と言っているのにすぎません。
でも、今年の日本の成長は春以降にピタッと止まる可能性の方が大きいので、円安の場面でどれだけ玉を積み重ねられるかの勝負なのです。ユーロもこれだけ通貨価値が上昇をしているのですから、名目GDPは上昇しますので、もしかしたら「ユーロ>アメリカ」になる可能性があり、そうなると一層のユーロ高が促進され、ユーロが一層買われる可能性があります。
そもそも去年の春からGDP上ではアメリカ>ユーロになっていたのに、マーケットではユーロ>ドルでしたので、実際にユーロの成長のほうがよくても、あまり伸びない可能性もあります。
では、実際に、ドル安がこの政治的な思惑誘導でいつまで続くと考えるのか、というと非常に悩ましい問題で、今年は中間選挙ですので、11月まで続くと考えるのが妥当でしょう、と思います。
個人的には、激変してほしい、ボラがほしいので期待してしまうのですがね。ともかく、ドイツには賞賛の嵐になっていますが、今年はボコボコにドイツが叩かれる年になりそうです。
ドイツをたたえている連中は、足元をすくわれることでしょう。あとはイギリスの不動産がおかしいですね。ポンドへの投資は自重したほうがよろしいかと思います。それでユーロが上昇というのは夢物語のような気がしますが、フランスの台頭次第だと思います。スペインの格付けも上昇しましたが、あの国はダメと思っています。ドイツに関してはサミットで袋叩きにあうと思います。
その裏でトランプが満面の笑みになるのを想像すると、なんだかな、と思います。さて、明日はモーサテに尾河真紀の出演予定日です。このアメリカ政府の混乱だから円高です、なんて言ってくれないかな、と期待しています。
たぶん、彼女はこの原稿のこと知っていますので、何を言うかは楽しみです。今のところ逆指標の確率100パーセントですからね。これだけ、いう事が悉く外れる専門家も珍しい。去年、おお外しをした2人がしゃかりきに勉強をしているのに、彼女だけは相変わらず、ネットで調べればわかるようなことをペラペラと偉そうにしゃべる、アホではないか、と思います。
たとえば、広木など仮想通貨に関してはど素人だったのに、かなり勉強していますし、他の人も新しい知識を入れるのに余念がないのに、彼女だけは上っ面のコメント。退場しなさいよ、と思います。
今週のメインイベントは尾河真紀が何を言うか、非常に楽しみです。画面を見るだけで不愉快になるので、楽しまなきゃ損です。
(この記事を書いた人:角野 實)