12/16現在、日経平均は調整局面にありますがそれより重要なのがドル円為替の動きです。
【ドル円 週足】
このように115円手前の壁ではじかれて再び円高になりましたが、予想通り今までとは違ってさら小さなもみ合いになっています。
これで四度目ですがテクニカル的なボックスゾーンにはまりこんでしまった感じです。日経平均が4000円以上も上昇したこと、12月にはFOMCで利上げが行われた要因を考えるともっと円安方向に動いてもいいはずなのですが、どうやらその期待は今のところは裏切れた形になっています。
今回も115円に近づいたことでそれがテクニカル的な壁になってしまっているようです。今度のアメリカの利上げの材料では壁を越えることはできませんでした。
【ドル円 日足】
こうしてみると日足ベースでも完全なもみ合いになってきました。今までは115円に近づくと円高、108円付近からは円安という比較的大きなボックスだったのが111円~115円というさらに狭いレンジになってきています。この傾向がしばらく続くでしょう。
与党が選挙で圧勝し株価指数が大幅に上昇して、日本経済を取り巻く状況が良くなっているのにドル円為替がはっきりしない最大の理由はやはり、現在の為替レートは日米間の政治レートだということでしょう。
言い換えれば、現在のドル円レートは一種の「トランプ相場」なのだということです。去年の11月の大統領選でトランプが勝利したあと、当日こそは下げましたが約一年間にわたってNYの株式市場は暴騰を続けています。
現在はNYダウは23000ドルを超える歴史的な新高値なので、トランプ相場は今だに続いているといってもいいでしょう。トランプ大統領の自国中心主義的な利益優先の政策が景気をよくして、既に高値圏にあったNY市場をさらに押し上げているものと思われます。
それと同じように為替市場も影響を受けて、アメリカに有利なドル円相場ということで円高圧力も含めて今のレートが決まっているのでしょう。
本来ならば115円を超えて120円の方向へ行ってもおかしくないのですが、現在の状況は108円~115円のボックス相場です。
115円のラインはそう言う意味では「トランプライン」といってもいい抵抗帯であり、今のドル円為替は「トランプレート」といってもいいようなレンジで動いていると思われます。
この現在の108円~115円というレートは本来のファンダメンタルズより円高ですが、とても極端に偏ったものでもないのでかえって長期化する可能性があります。
日米の金利差からいえば115~120円くらいやそれ以上に円安でもいいのですが、これからもしばらくは108円~115円で推移する可能性が高くなりました。テクニカル的に見てもここのゾーンはとても居心地がよさそうに見えます。
ただ解説したように108円~115円が111円~115円の方向にレンジが切り上がりつつあるのでもう110円割れの円高はなないでしょう。来年こそはどこかの時点で115円をようやく抜けて円安になってくる可能性があります。
ユーロ/円は 円安傾向
【ユーロ/円 週足】
ユーロ円の週足チャ-トをみれば、大きなトレンドは円安トレンドなのがわかると思います。現在はもみ合っていますがおおむね横ばいでこれから大きく円高になるような気配もありません。
当分はσ+1~0のゾーンで動いてボラテリティも小さくなる方向に行きそうです。ボリンジャーバンドの幅自体も小さくなるでしょう。この動きを見ていれば、基本的に株高と円安の動きだと思わせます。
ただ、日経平均のとてつもない上昇にくらべて対ユーロ対ドルではもみ合いになって来ているので、もはや株価と為替の関連性自体なくなっているような感じです。
【ユーロ/円 日足】
日足では完全なボックスですね。これほど形がはっきりしていると数日間のトレードで利益を取れるかもしれません。しばらくはこのレンジが続くでしょう。
ユーロ/ドルはドル安続く
【ユーロ/ドル週足】
ユーロドルはドル安傾向が続いています。長期的には1ユーロ=1ドルを目前にして大幅にドル安になったのでその流れが受け継がれているように見えます。
ただボリンジャーバンドの幅がかなり小さくなってきているので、これはトレンドに大きな変動が起きる前触れの可能性が高いです。基本的にトレンプ政権はドル安方向のトレンドを好んでいるようなのでユーロに対しても今のトレンドが続くと思いますが、要注意でしょう。
トランプ相場のはっきりとした流れ
以上、それぞれの現在の為替トレンドを見てきましたが、トランプ相場は「株価大幅上昇」、ドル円相場は「やや円高気味のボックス」というのがトレンドの根本にあると思われます。
来年になってもこの流れはあまり変わらないでしょう。為替は115円を抜けた場合ににもほとんどもみ合いに近い動きが続くのではないかと予想します。
まとめ
★「トランプ相場」の本質は「株価大幅上昇」ドル円は「円高気味のボックス相場」
★ユーロ/円は大きなトレンドは円安傾向だが現在はもみ合い。
★ドル円相場は108円~115円のボックスから111円~115円のより狭いレンジへ。ドル円は来年も膠着状態が続く。