特別レポートを現在、書いているのですが、書けば、書くほど新しいアイディアが沸いてきて困っている状態になります。来年には公開されると思いますので、ぜひ、見てみてください。
「FOMC」については、予想通りであって、その予測数値もほぼ予想通りなので、何も言うことはない、という感じです。その後のマーケットの動きも、ま、予想通りといえば予想通りで、このこともあとで書きます。
きのうの発表について
小売売上高
小売売上は、先月比0.8増で前年同月比は5.8増になります。ここで注目するのは年間の変化の5.8ですごい数字だと見た瞬間思うと思うのです。
でもね、去年の11月の前月比はマイナスで、前年比もほかの月と比べれば落ち込んでいるという事実に気付けば、あ、この数字、下駄を履いているのだと気づくのです。
報道にバイアスをかけるメディアというのは、この前年同月比で5.8という数字だけを報道して、前月比の0.8なんて数字は一切、言わない。視聴者はこの5.8という数字だけ聞いて、アメリカ好調だな、だから、株を買おう、というバイアスをかけるのです。
しかも11月の数字で、こんな数字をきけば、たぶん、歳末商戦の結果だろう、と思うことを狙っているとしか思えません。要するに、日本では株買いの報道以外は、実質の放送禁止というような状態になっており、メディアの公平性なんてものは存在しません。
つまり、相対値というのは、要するにパーセンテージ表記というのは、比べる対象が悪い場合、その結果が良い場合は驚くほどいい数字が出るのが通常であって、その数字の特性を知らない人がほとんどになります。
つまり相対値というのは、非常にわかりやすい数字を示してくれますが、この意味は小売売上の前後の数字を知らなくても、パーセンテージ表記だと、なんとなく意味がわかったような気がするという意味、非常に危うい数字なのです。
テクニカル指標なんてほとんどパーセンテージ表記ですから、その数字を見ると、わかったような気になって、とんでもない勘違いをして玉を仕込み、利出しし、損切する、という行為をテクニカル分析でやっている人のほとんどがやっています。
これで、儲かるわけがないですよね。要するにパーセンテージ表記のものはその対象が何で、その状態をきちんとみないと状態を勘違いするのです。
輸出入価格
これに対して反対の例
前月比での輸出入価格はそれぞれ0.7、0.5増です。前年同月比は、輸出入価格はそれぞれ、3.1増になります。まず、この数字は11月の数字であることを確認します。
12月の数字ではないことの確認です。11月のドル円はずっと円高、ドル安ですので、ドル安傾向が続いていることを確認します。
つまり、輸出に関しては、ドル安のほうが、その価格は安くなるので、輸出は伸びる、対して、輸入は、ドル安だと国内価格が上昇するので鈍化するという関係性を確認して数字をみるとその通りになっているのです。
で、先月をみると、輸出入ともに鈍化をしていますので、ま、こんなものかとみるのです。問題は去年で、去年のこの時期はトランプ大統領でひっちゃかめっちゃかになっていて、そのうえ、トランプラリーによって大幅にドル高なのです。
この場合、ドル高だと輸出は激減しているのに、前年同月比はプラスで推移するのですから、アメリカの製造業はめちゃくちゃ強いと判断ができますが、国内の消費は、ドル高で物価が下がっているのにも関わらず弱いという判断になるのです。
つまり、同じパーセンテージ、3.1であってもその意味は全く違い、輸入は価格が下がっているのにも関わらず、輸出と同じ価格しか上昇しないということはアメリカの国内消費が不振と言えるのです。
FRBの見解と一緒の結論が得られるのです。でも、輸出が本当に強いのであれば輸入価格の前年比よりも高い数字が出るのが普通でしょ、と思うのが私であって、アメリカの輸出も大したことないね、と思うのです。アメリカの個人も企業も大して良くないよ、というのが結論です。
失業保険申請者数
ついでに絶対値の指標
何も考える必要もなく、ハリケーンで被害が出たけど、結局、元のトレンドに戻りましたね、という程度なのです。絶対値はだましがないので考える必要がないのです。
つまりテクニカルでだまし、だましと騒いでいる輩がいらっしゃいますが、そもそもテクニカルのだましを語るやつというのはテクニカルを理解していないから、だまされるのです。
そんなことを言っているやつは私から言わせれば、素人が偉そうに言っているんじゃないよ、と、心の中で言われて終わりでそれ以降は無視なのです。
(この記事を書いた人:角野 實)