本日のドル円は押し目を形成するか、それとも続伸するのか、難しい判断を迫られそうな勢いです。安値は11/27の110.85で、その1.5パーセント上昇が112.51になります。
そこで0.5パーセント近くの調整をして、安値111.74です。これを書いている現在は、112.6くらいになり、0.7パーセントくらいの上昇です。
安値110.85からも、1.5パーセント程度の上昇になります。きのうの押し目を形成して、そして、また、安値110.85から1.5パーセント上昇の水準で推移をしているということは、上昇の圧力が弱まっている、ということになります。
つまり、本格的な押し目形成か、もしくは、戻り売り続投による、戻り売りの継続になるのかの正念場になります。この日柄計算というのは、経験値がものを言う世界であり、この解消の仕方もだいぶ前に説明をしたと思いますが、さっと計算したところは、たぶん、戻りいっぱいだと思います。
しかし、日本の政府系のファンドはここを割らせてなるものか、ということで、一生懸命買ってくるので、どうなるかわからん、というのも本音になります。以前はいつも、ここで戻りいっぱい、といって売りに行くのですが、いい加減、学習をしました。笑。
シカゴPMI
シカゴPMIは、ISM協会が発表する、購買担当者指数のシカゴ版になります。これは、ミシガンサーベイなどが、このISM指数よりも早く発表され、このミシガンサーベイなどが、より正確に反映するためにできた指数になりますが、PMI全体の指数が、今回下がってしまったのは予想外のことになります。
個人的には今日の製造業ISMは上伸して、中身が悪いということになるだろう、と思っていたのです。今回、シカゴPMIが下がってしまったので、よくわからん、という状態になってしまします。
ただ、ほとんどの方は製造業PMIの全体指数上伸を予想していますので、この結果が、悪いということになれば、マーケットは売られることになるでしょう。
また、全米の新車販売台数は、ハリケーンの影響で先月まで売られていた可能性のほうが高いので、今月は売れないと思っています。ただ、全般的にみると、アメリカの消費者サイドは絶好調ですが、企業部門は、あまりよくない、という傾向にありますので、今回のISMはそれほどよくはない、と思っています。
ほかのGDPを構成する政府部門は、来年、ほぼ減税が達成されるので、政府部門の支出は減るのですからGDPのマイナス要因です。
ただ、この傾向はリーマンショック後の財政拡大からの赤字が増えたことによって、ずっと続いていることですので心配はありません。そのほか、投資や貿易は順調に伸びていますので、全体のGDPは好調になるだろうと思います。
ハイテクはバブルなのか?
今年の春先に北米市場のBBレシオ発表が中止になり、市場の話題を呼びますが、日本のBBレシオは発表されています。
レシオというのは供給に対しての販売の比率であって、その数値が1を超えていると好況、以下であると、不景気ということになりますが、この真ん中の数字をみると、まったく半導体関連は世界でも、日本でも売れていません。
アメリカでも以前に、FEDによる、半導体の設備稼働率が低いということはご紹介しましたが、現在の、FANG相場は、全く製品が売れていないのに、株価は上昇するという現象は完全にバブルと判断することができます。
ただ、FANGの銘柄を精査すると、アマゾン、ネットフリックスなどはサービス業でありハイテクではありません。つまり、先日、ハイテク銘柄を中心にアメリカで売られましたが、一部の銘柄に大幅なバブルが確認されるということです。
東京エレクトロンなどは買われすぎと判断することができます。NYダウは史上最高値更新で、いよいよ、日経も押し目完了という声も大きいですが、この内容をみていると、ま、そろそろかいな、といつものようになるのです。
本日は月初になり、指標集中日になりますが、中国の指標を個人的には見落とします、今後のリスク要因に中国が注目されますが、こういうのは予想の範囲内であって、暴落にはつながらないと思います。
中国がよくなくて、日経平均が上昇、円安なんてどの口が言うのか本当に不思議であって、3万円とか騒いだアナリストは、テレビなどから消えましたね。
もう一つ付け加えると、月初はアメリカ、中国の好景気指標で円安になりやすかったのですが、そして月末が円高、という傾向が崩れるということは相場の変化ですね。
アメリカの長期金利が上昇し、それに伴い、日米のスワップ金利も上昇しています。これは為替先物とスポットのサヤの変化を意味し、サヤの変化は相場の変化なりの典型です。
(この記事を書いた人:角野 實)