減税法案が動くたびに、アメリカ債券相場が上下動をしています。すなわち、一連の税制改革が通りそうな見込みになると債券価格が下落し、金利は上昇、反対に税制改革がなされないとみると、債券価格は上昇し、金利は低下しています。
それにドル円はつられた動きになっています。一方、株などのリスクマネーにも、ドル円相場は敏感なのですが、株価が上がれば、株買い、ドル円ヘッジ売りになり、そして、株価が下落をするとhedge売りがまた増えるというような様相で、株価が上がろうと、下がろうと円高方向にバイアスがかかっているように感じます。
参考までにビットコインはそろそろ注意をしたほうがいいです。この暴騰の終焉も近いと個人的には思っています。100万円はいくかもしれないけど、これ以上、上昇すれば投機目的の資金しか入らず、実際の決済用の資金は逃げていきます。
あなたが、ビットコインで支払いを受ける立場であれば、いつ下がるかわからないものを、受け取りの通貨として認めるかどうかを考えれば、自明のことで、ビットコインなどで、代金は受け取りたくない、と思うのが普通です。
米税制改革の行方
かなり税制改革法案には個人的に、楽観しか考えられないと思っています。なぜなら、トランプ大統領も就任以来、まともな法案は一本も通しておらず、この法案が通らなければ、トランプ政権の求心力は一気に弱まります。
そして議会のほうも、有権者にとって都合のよい法案がなく、来年の中間選挙で民主、共和党ともに勝てる要素がない、つまり政権側も議会側も、減税法案は通したくて仕方がない、ということになります。
ですから、法案の審議によって、債券相場が上下動をすることによって、ドル円、FXもぶれることになりますが、結局は成立するだろうということになります。
減税法案の要旨
要するに減税法案が議会を通ったあと、どうなるかが焦点であって、もう決まったも、同然と個人的には考えており、それが年内に通るか、それとも翌年になるかの問題です。
この減税法案は、法人税を減税し、そのほかの所得税などの税制改革によって増税をするというものになりますが、ネットでアメリカの歳入減は1.5兆ドル程度になると思います。
つまり、150兆円ほど、すぐにではないのですが、徐々に増えていくということです。つまりアメリカの財政赤字は増えるのであって、今後、よほどのことがない限り、縮小することはないということです。
その結果どうなる
財政赤字が増えるということは、「リーマンショック」のドルの大暴落で皆さん経験された方はわかると思いますが、ドル安になります。つまり円高です。そして、アメリカの債券は、売られますので金利は上昇です。
ここで何度も解説をしていますが、金利の上昇で、日米の金利差が開いて、ドル高円安になるという、バカで頭の悪い評論家の言うことなど聞いてはいけません。
アメリカが2015年末に、「ゼロ金利政策」を解除してから、円安になったのはトランプラリーのときのみです。日米金利差が開いているのなら、彼らのロジックによれば、円安にならなければいけないのに、逆に円高になっているのに、いまだに金利差から円安になるとほざくのは学習能力に欠如したバカです。
そしてデータの解析能力もない、無能なので、目の前から消えてほしいと思います。私でさえ、為替にかかわって、3年でその大嘘に気付いたのに、20年も30年も為替にかかわってそんなこともわからないのだろう、というよりか気付いていないか、何も理解をしていないからそういうことが平気で言えるのです。
その代表格は尾河真紀と言っているのです。こいつは、素人です。たぶん、ディールの経験もないでしょう。単なる営業マンだと思います。そのくらい程度が低い。
話をもとに戻すと債券価格が下落して、金利が上昇をすると、今までのパターンだと、円安に振れがちになりましたが、今回は、アメリカの財政が赤字拡大するので、これが材料的に優先をしますので、必ず、長い目でみればドル安になります。
過去のデータからみると、アメリカの財政赤字が拡大をしたときにはドル安にならなかったことはありません。つまりドル高に転換するのには、アメリカの景気拡大によって予想以上の歳入増を確認するまで、ドル高には転じない、というのは過去のデータからは確かです。
金利差が拡大して”円安”は大間違い
減税法案が通ると、また、バカが「金利差拡大」と言い始めることでしょう。アメリカがゼロ金利解除のときに、私はさんざん、言いました。このコラムでも書きました。金利差拡大での円安など単なる蜃気楼だ、と。実際にそうなりました。
12月の「FRB」の利上げも規定路線でしょう。そうなると金利差拡大の円安ではなく、円高です。そのうえ、株価は企業収益に陰りがみえ、株価は低金利の恩恵という条件が外れ、そのうえ、業績も今よりは悪くなる、そうなると株価は下がる、そして、リスクマネー減からFXも円高になる。
この状態で、円安になるといっている専門家は何を予想しているのか、と不思議に思います。ついでにリスクマネーが減ったら、ビットコインはどうなりますか、当たり前の話です。
ビットコインではなく、実質、あんなもの、チャイナコインでしょうが、中国人のためのコインで、中国資本のものを誰が信用するのですか?少なくても中国がかかわるものは疑ってかからないと手痛い目にあうと思っていま
す。
す。
(この記事を書いた人:角野 實)