引用:WSJ
きのうの夜中、ビットコインが急落した後にミシガン大学消費者信頼感指数が発表されました。結果は97.8でコンセンサスの100よりは悪い結果になりました。
ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学の消費者信頼感指数は1966年を100とした指数で、上記のグラフで今月は97.8になります。1966年というと、アメリカ経済が戦後最大の好景気に沸いた年になり、それと比べて97.8ということは、現状の消費者の経済への信頼はそれほど悪くはない、ということが言えると思います。
前月比で-2.2と悪化はしていますが、前年同月比は+4.3になります。
Preliminary Results for November 2017
Current Economic Conditionsは現状の経済指数、Index of Consumer Expectationsは消費者期待指数になります。次回データは11/22になり、これが11月の最終数字になるということです。
ミシガン大学消費者信頼感指数は、日銀短観やISM指数と一緒でアンケート調査になります。アメリカでは景況感指数の代表がISM指数になりますが、これより早く発表をされるミシガン大学景況感指数はマーケット関係者に注目をされています。
なぜなら、マーケットの先行きを占う指数であり、アメリカではISM指数がその代表格になるのですが、それよりも早くミシガンは早く発表されるので、マーケットに携わる人間であるのであれば、できるだけ早く、正確に、マーケットの将来を予想したい、と思うからになります。
ISMのアンケート調査が400件なのに対して、ミシガン大学の調査は200件程度になりますのでこのように発表は早くなるのです。参考までに日銀短観は3000件の調査をしますので、その信頼性は日本の経済指標の中で一番、信用が置けるものという評価を受けています。
上記の表は、ミシガン大学から抜粋したものになりますが、消費者のインフレ期待、来年が2.6、向こう5年の期待は2.5になっており、前月よりそれぞれ、+0.2、0、前年同月比で+0.2、-0.1となっています。
この数字をみると、直近の来年に関しては生活水準が楽になると見通しているのですが、5年先まではわからない、というのがアメリカ人の感想のようです。
ミシガン消費者信頼感指数でわかること
この消費者信頼感指数は先月がピークであり、今月はダウンであることから景気のピークは過ぎ去ったのかも、ということが言えると思います。
日本は機械受注の数字をみてもわかるように、これだけ、株価が上昇しても企業は設備投資をしない、すなわち、儲けたお金を再投資して、さらに儲けるという姿勢が皆無なので、下手すれば日経平均は天井になるという可能性があります。
ただ、アメリカ市場の好調さに押されてあまり株価は下がらない可能性はあります。ともかくこの数字をみて、言えることは日米ともに、目先の景気ピークを打った可能性あり、と言えると思います。
機械受注発表の日に、日経平均が来年3万円なんて某証券会社の〇木、というのも見通しが甘すぎます。理論上、今回の日経平均の頭は23100円程度であり、それを23400円まで行ったので次は27500円、その次の買われすぎが、31000円程度になりますので、ロジックとしては間違いではないと思います。
しかし、設備投資をしないで、3万円を目指す展開なんてバブルでなければありえません。前々から言うように、日本の株は買われすぎると、また1万円以下に落ちると思います。
アメリカ株はアップトレンドを維持すると思いますし、ヨーロッパ、中国も同様でしょう。日本だけが再び、一人負け状態になると思います。それで、円安と騒ぐのは結構ですが、長い目でみれば、現時点では円高としかいいようがありません。
(この記事を書いた人:角野 實)