上記のグラフは1985年からの日本の「景気動向指数、CI」になります。青が先行指数、オレンジが一致指数、グレーが遅行指数になります。このグラフは2002年を100と基準にした指数になります。
一般的に景気動向指数が100を超えると、景気がいい、と判断されるのが一般的な見方になります。グラフの横軸1-100くらいまでが日本のバブル発生から崩壊までになります。
これをみると先行指数が上昇してから一致指数、そして遅行指数が上昇しているのがわかります。しかし、近年では、先行、一致、遅行指数というタイムスパンがこの言葉通りにはならずにほぼ同時に進行しているのが見て取れます。200-287くらいまでがリーマンショック前の好景気と、その崩壊、東日本大震災になります。そして300以降がアベノミクスということになります。
景気の拡大局面というのは、この一致指数、オレンジの線が100を超えているときに景気拡大局面ということになり、いざなぎ景気超えというのはアベノミクスの景気拡大局面がいざなぎ景気を超えたということを意味します。
参考までに、景気拡大局面の戦後最大はリーマンショック前の小泉景気のころで、ついで、アベノミクスになるということがきのうはニュースになりました。
きのう発表された、景気動向指数は、先行、一致、遅行ともに下落をし、なんだか、今が景気のピークになりそうなことを色濃く反映しているようにも見えます。しかし、きのう、内閣府から発表された景気動向指数は9月のものであり、少しデータとしては遅いとも言えるでしょう。
アメリカ原油在庫
きのうのアメリカ原油在庫は減少の予想から前週比、変わらずの結果となりました。しかしガソリンの在庫が大幅に減ったということを市場から驚かれています。
ただ、よく考えてほしいのは、原油から精製される製品というのは基本的には重油、灯油、ジェット燃料、軽油、ガソリンになります。今後、冬場に向けて、重油、灯油などの化石燃料の製造が増えるはずで、逆にドライビングシーズンというのは7月以降になりますので、そのガソリン製造が減って当然の話になります。
ガソリンの在庫が減少するのは精製する側からみれば至極当然の話であって、冬場、雪が多いアメリカでは車の運転する機会が減るのは至極当然です。
また、クリスマスシーズン前に飛行旅客需要が増えますので、ジェット燃料の精製も増えます。参考までにジェット燃料と灯油にはあまり大きな違いはありません。
何もわかっていない連中がガソリン精製の減ったと驚きますが、ある意味当然の話で、サプライズでもなんでもありません。己の無知を恥じるべき。
MBAローン申請者指数
全般の指数は減少が予想されましたが、変わらずの結果となりました。これは、FRB議長の大統領指名によって、長期金利の低下が起こったので予想より申請者が増えた結果になります。
全体の金利は当然、低下傾向になります。ただ、リファイナンス、つまり借り換え需要は全体の49パーセントを占有し、この比率が増えていることから住宅ローンの新規購入者数が減っている可能性も考えれますが、新規のローン申請者指数は前年同月比プラス9パーセントとなっており、ローンを使っての住宅購入者は価格が上昇しているのにも関わらず増加をしています。
そういった面で、アメリカの住宅市場は好調といえると思います。この数字だけをみて、アメリカの住宅市場が好況か否かの判断はなんとも言えません。
まとめ
きのう発表された経済指標では特に、特筆するものはありません。それによって何か変わるということもないと思います。本日は日本の「機械受注」になります。この機械受注は4-6月期が低調に終わっていますので、かなりの増額が期待できます。
9月の数字ですから、9月から株価が暴騰していることを考えても増えるとは思います。アメリカは卸売り在庫。先のGDPやISMで在庫に問題ありとみていますのでこの在庫が減少するか、どうか、そしてその在庫がどういった意味で減少をしたのかを考える必要があります。
本日のドル円
きのうは113.7近辺で止まれば戻るとコメントをしましたが、道中、113.4くらいまで戻りましたが、結局引けは113.7近辺です。結果、今戻っています。大きくは戻らないとは思います。また、アメリカ長期金利が上昇していることもポイントです。
しかし、日本銀行や年金はしつこく買ってきますが、ここの最終的結末をどのように処理するのか、或いは、どこまで上昇させるのか、ということです。
日銀の買い持ちは時価総額の2.5パーセントで3パーセントを目途としています。残りの0.5パーセントを買いきったら、どのようにするのでしょうか?そこで何をしたいのだろう、と不思議に思います。
(この記事を書いた人:角野 實)