連日、ニュースをにぎわしていた日経平均株価は「16連騰」で終了し、17連騰はならずになりました。今回は、このドル円相場との関連をお話ししていきたいと思います。
その前に酒田の話
酒田罫線法に関して、以前、大きな相場はだいたい「11-13手で終了する」という話をしました。
過去、最近、話題になっているパラジウム相場では新値が確か、25手で終了をしたと思いますが、この相場は最終的には溶け合いで終わっています。
溶け合いというのは立ち合いの停止で実質上の取引停止になります。現在もパラジウム相場が高騰し、おそらくどこかの仕手か、ファンドが買い占めを今後、行ってくることは確実です。
安易には売ってはいけません。何も、酒田罫線法では連日の新値更新をしなくてはいけないという規定はなく、新値を超えてから1手と数えるのであって、毎日、新値を更新しないからといって、次回、更新をしたらまた1手と数えるわけでもなく次回の新値更新をしたら、また素直に17手と数えるものです。
ただ、酒田の法則としては新値更新は、偶数手で終わることは非常に珍しく、おそらくまたもう一手入ってからの10パーセント以上の急落になるのではないか、と考えています。
急落して、過去の新値を2手以上、下回った場合は陰転といって、目先は売りになるのです。今では、こういう酒田の解説ができる人がいませんので参考のための話です。
宵の明星、明けの明星、包み足、ハラミ足など形だけを覚えても意味がありません。その形が出たら買い、売りになるのではなく、だいぶ前も話をしましたが、酒田ではその定番の形が出たときに翌営業日の足が重要になるのです。
その際、出来高や取り組みのチェックも必要になるのです。日本ではこの解説ができる人はほとんどいなくなりましたので、私は化石のような存在でしょう。池袋の酒田に詳しい先生は、相場では1円も儲かっておらず、せっせと酒田の教科書を売るのみでしょう。
本題に戻ると
2-3日前から書いていることは日経平均が16連騰もしたのですから、高騰しているわけです。高騰をすれば、下落も厳しいわけで、今回の上昇にファンダメンタルズが伴っていないことは、少し考えれば誰でもわかることです。
実際、日経平均は、割高水準を買い進んでおり、急落の可能性があるので、当然、日本国債に買いを入れるか、ないしは為替を円高方向に張って、日経株価の買いヘッジを行うのが通常のオペレーションになります。
本日、日経が引けた後にドル円相場が、円安方向に傾き始めたということは上記のオペレーションをみて当然のことでしょうか?
全く、偶然ではなく、本日、日経平均の上昇が終わったことに伴い、為替の円高ヘッジを解除しているのです。当然、日経平均は15時でクローズになりますので、日経平均は売りの利食いを仕掛けられません。これはどういうことなのか?といえば、本来のオペレーションは、本尊である株の利食いをしてから、ヘッジである為替の買戻しをするのです。
ところが株価が大して下がらないうちに、そのヘッジを先に外し始めているのです。つまり、明日の日経平均の値段がどうなろうが、明日は株の買いを手じまいしますよ、というサインになります。
おそらくほとんどのファンドマネージャーは、ニューヨーク株が暴落するようであれば日経の夕場や、シカゴ、シンガポールなどの先物でヘッジをするのでしょうが、このドル円の日経引け後の動きは、少なくてもそう見て取れます。
本日の午後の基準値は113.1円くらいで、その1パーセントを足すと114.2くらいになります。
となると今の値段になります。ここから上は新値になりますので、売りを無理して買い戻すようなことはしないと思います。当たるかどうかはわかりませんが、今、マーケットで起こっていることはこれがすべてではありませんがこんなもようなストーリーでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)