テレビに出てくるコメンテイターや日銀関係筋にはっきりといいたい。雇用統計での平均時給2.9パーセント上昇というのはほぼ、年内物価目標2パーセントの達成を暗示させる内容なのだから「日米の金利差拡大で円安になるはずだろ、なんでならないんだ!」と。
だから、従前から私が言うように、金利差はスポットの問題であって長期的な相場に対して、「金利差拡大は円高なんだよ」ということです。
なぜ、少しデータを取れば間違いとわかることを、一般の方を前に偉そうに披露するのか、さっぱりわからない。FXの専門家なんていわれる連中はこんな程度の知識しかないし、間違いだと気づいていても、それを訂正する勇気もない連中ばかりだ、ということです。
ましてや、この数字をみて12月の利上げについて、連銀の各総裁のコメントを書いているご仁もいらっしゃるが、この数字をみて、利上げがあると見れない奴はアナリストを廃業したほうがよろしい。
そのくらいインパクトのある数字なのに、この数字をみても、自分で判断できないのでいらっしゃるのですから。今週はこの数字を裏付ける証拠が週末にCPI、PPI、小売売上と出てきますが、物価関連指標で「雇用統計」の数字は一番早いわけです。
ISMも早いが、ISMの数字はやりすぎとすでに判明をしましたので、先週のISMは参考にならないということです。
ただ、ISMはデータでなく、人がどう感じるかの統計ですから、間違いがあっても問題はない。つまり米国経済では人々は景気の上昇以上に景気が良いと感じ、実際の景気はそれほどよくはないが上昇しているということです。
このかい離が酷くなるとバブルと言うのです。今週末のCPI、PPI、小売売上は平均時給が正しいか否かの問題になりますが、たぶんいいでしょう。すなわち、金利差拡大でスポットは円安にいくけど先物は円高という雇用統計の二の舞を演じるわけです。
人面張り
この手法は、はっきり言えば、金融機関に勤務しているときからやっているのですが、円安傾向がそろそろ終焉になりそうなときにいつも、円安、円安と叫ぶ、バカ2人をいつも例に挙げています。こちらが、そろそろ終了かな、と思っているときに円安連呼するので良い指標になると思います。
わかり易く言えば、「曲がり屋に向かえ!」ということになるのですが、いつものトルコばばぁと、尾河真樹。こいつらは2人ともテクニカル出身というが、何も理解しちゃいない。そろそろ円安が終わるころになって登場して、「円安、円安」と叫ぶ。本当に、FXセミナーに人が集まるのかね、と思う。
ついでに尾河真樹は自民党圧勝なんて言うから、間違いなく負けると思っていたけど、なんか今の情勢は小池敗退が趨勢のようです。小池は男からみていると非常に面倒くさい存在だと思います。なぜなら、何を考えているのかさっぱりわからない。
ともかく女性はウソをつくときに表情を変えずにウソを言うので本当かうそかよくわからない。ただ、小池の出している選挙公約は、女性に向けてのものだ、というのがよくわかる。原発ゼロだの、受動喫煙禁止だの、女性受けしそうなものしか出さない。
ところがそれに反対する、議員や選挙のプロを称する連中はほとんど男ばかりだから、その意図を汲めないという構図になっていると思います。政治をあまり知らない女性からみれば、おそらく小池支持になるとは思います。小池さんはそれを意識して公約を書いていると思います。
「アベノミクス」という語呂は非常によいと思います。小池さんはそれを当初、コイケノミクスと称しましたが、本番ではユリノミクスと書き換えたセンスは一流だと思います。コイケノミクスはどう見ても語呂が悪いが、ユリノミクスだと途端によくなると個人的には思いました。
今のメディアは自民党を勝たせたいメディアと、左系のメディアの一騎打ちであって、小池を応援するメディアはないので自民勝利のような報道になりがちですが、おそらく彼女は、次の矢を現状から出してくることでしょう。
まだ、私は小池勝利とみていますが、ご意見は分かれることでしょう。私の選挙予想は全く当たらないことを念頭に読んでおいてください。そして、私は、どこの政党、候補にも肩入れしていません。関心があるのは「選挙後のマーケット」の行方のみです。
トランプについて
減税、レパトリは議会を通るでしょう。債務上限も問題なし、と考えています。北朝鮮は世界のコンセンサスを待っているだけで時間の問題。年内はおそらく、トランプの思惑通りに事が運ぶことでしょう。
テーマは来年に、個人的には移っていると考えています。来年のテーマはトランプ政権がレーガン同様、小さな政府を目指すということです。
レーガンは政府債務の減額にいそしみましたが、トランプは政府と個人の債務の圧縮に努めることになると思います。おそらく世界的に借金は悪いことだ、という流れになるでしょう。
本日について
本日は日本も旗日になりますが、アメリカも休場です。ただし、株式市場は動きますので、それなりには動くでしょう。本日の動きは112.6からの1.5パーセントの動きで、2:8の戻り売りだと思います。
連休中のボラの大変動に注意してほしいと思いますが、いつもと、パーセンテージも、戻り売りと押し目買いの比率も変わっていることに注意してほしいと思います。
転換の可能性ありということです。午後からは112.7程度になると思います。きょうの午後の数字は午後になってみないとわかりません。
(この記事を書いた人:角野 實)