先週は「FOMC」や「日銀の金融政策決定会合」などがあり、「FOMC」は予想通りの決定をし、日銀は現行維持としました。このキーポイントは「イエレン議長」が資産の縮小は金融引き締めではない、と何度も言及したことになります。
つまり、金融引き締めであればドル安になりますが、引き締めではないのならドル高になるということで円安に振れています。
一方で、国際情勢は北朝鮮を筆頭に緊迫をしており、そのほかイラン、シリア、イスラエル、ナイジェリアと、今後、戦争になりそうな地域が満載で、正直、ドル円の方向性には悩みます。
こういうときにはテクニカルを用いる
ドル円の基本路線は、「GDP」の成長率によってその基準値を算出し、あとはその成長率によってマーケットが動くという基本路線があることを忘れてはなりません。
あくまでも、テクニカルが第一義にあると考えている人が圧倒的多数ですが、テクニカルよりも「ファンダメンタルズ」が優先をする、と考えるのが定石の見方です。
つまり、「ファンダメンタルズ」によって、ドル円が高すぎるか、安すぎるかの判断をするのであって、そこから目先の動きに関しては、テクニカルとファンダメンタルズを併用するということになります。
「ファンダメンタルズ」は「アメリカ3.0>日本2.5」であり、今週の木曜日にアメリカGDP4-6月期確定値が出ます。この数字は事前に3.1と予想されており、おそらくこれよりも上ブレするのではないか、と考えています。
そして、この数字が4-6月になりますので、7-9月はハリケーンの影響やメキシコ地震の影響を受けて若干低下するか、横ばいとみています。10-12月はまた再び拡大とみています。
こうやってみていくと、アメリカ経済は盤石ですが、日本に関しては、4-6月の2.5なんて数字はふざけんな、という数字のレベルであって、こんなものが年末まで続くわけがないということです。
4-6月期のドル円レンジは109-114円で原油が42-55ドルです。7-9月期はドル円107-112円、原油が45-51ドルというレンジをみても7-9月期はよくなるわけがありません。だから、総選挙をやるのでしょうが。
本来なら、円高になるものが、円安に振れて、今週の初頭は週末に北朝鮮の核実験があったのに、それをマーケットは無視をしていますし、いまさら核実験で、リスク回避よりも、戦争が起こることを想定すればそちらのほうが危機である、とみているのでしょう。
となると「ファンダメンタルズ」を無視して円安になっているのですから、テクニカルにたよざるを得ません。
テクニカルの面でいえば
日足ベースでいえば、本日の112.3くらいで引けるか引けないかによって今後の展開が大きく変わります。112.3円以上で引けることになれば、押し目買い、つまり円安に振れると思うのですが、それ以下ですと、円高になってしまいます。
この112.3という数字からあまりかい離しないでニューヨーククローズ、ないしは、シドニーオープニングを迎えると明日までの延長戦になります。
非常に微妙な値位置になるので、本日は玉がしこめない、というのが素直な感想です。本日の予定は、日本の景気先行指数が発表になりますが、今は景気の遅行指数が理論通りであれば、ピークになって、そして先行指数が下がり始めるのが常になります。
しかし、日本には問答無用の選挙というものがあり、そんなの関係ねぇー、と古いですが小島よしお張りに円安に行く可能性もあります。またドイツのIFO指数に関してもこの数字が上伸するかしないかによって、ドル高の幅が決まりますので、これも重要になります。
ユーロ高の影響はまだ出ないか出るかはわかりませんが、ユーロなどは1-3月のアメリカが悪すぎた帰結のユーロ高であって、それほどユーロがいいとは思いません。
IFO指数は今後下がると思いますが、きょうのドル円の行方は、IFO指数に極端な数字が出れば、それがドル円に反映されることでしょう。テクニカルの説明は、わけがわからないと思う人が多数だと思いますが、この話をするのにも相当な時間がかかりますので、割愛します。
ともかく日本時間では選挙の影響にてここで下げられると、ドル円の10月に影響がありますので財務省の役人どもは、何がなんでも円安にすることでしょう。
しかし欧米時間にどうなるのかはわからないということです。通常の判断では28日の木曜GDPや消費者支出によって、判断しますが、今週はそこで押し目を形成しても買われる可能性がある、ということになります。
すくなくても本日の値動きをみてから判断をすることになります。選挙だから円安、と判断できる人がうらやましい限りです。
(この記事を書いた人:角野 實)