なぜ、ほかのマスコミは一切報じていないのに「ドル安政策」が行われているというのか、不思議に思う方も多いと思います。
国際協調の中で、為替相場というのは常に議題にあがっており、直近では2014年の春先に「イエレン議長」が、ドルが高すぎると発言してから年末にかけて何度もドル高けん制発言を行いました。
その結果、ドルはユーロに対して恒常的に高くなる結果となりました。
4月からのドル安の経緯
新年度に入ってから、トランプ大統領がいきなりドルが高すぎると発言し、同時に北朝鮮に対してけん制発言を行いました。この発言は、おそらくアメリカのGDP1-3月が予想以上に悪く、ドル安誘導を行わなければ、景気悪化を招き、支持率が低下するとの思惑から発言をしたと思います。
そしてさらに、アメリカ大統領の支持率が低下をした場合には伝統的に共和党の大統領は戦争を仕掛けることが恒例行事になります。この辺は以前にも解説をしたのですが、重要なことは、その後のムニューニン財務長官の発言になります。
ムニューニン長官は「ユーロに対してドルが高すぎる」と発言をしています。一方でトランプ大統領は何を言うかといえば、主に中国や日本に対して貿易の不均衡を主に言います。
その結果、目に見えて、相場のレートはユーロが上昇で、ドルが安くなるという結果になりました。もちろん、人民元も元高になりましたがフロート制という制度のおかげでユーロほどは高くなっていません。
こういう結果をみると、ムニューニン財務長官はこういったトランプ大統領の発言を受けて、具体的な政策の方法をたトランプ政権下では実行しているということが見て取れます。
つまり、トランプ大統領が発言したことを、経済面において実行をしているのはムニューニン長官であり、そして、軍事面ではマクマスター、ケリーなどが行っていると思われることです。
人事面ではトランプ政権が滞っているとマスコミは盛んに批判を浴びせますが、トランプは実業家時代から少数精鋭で事業運営を行っており、そして、本当の側近中の側近にも本音を漏らさない事業展開を計っていました。
その延長戦上にトランプ政権は成り立っており、日本の外交筋は問題が起こったときに、アメリカ側の担当者がいない、と頭を抱えていると聞きますが、トランプ政権ではそれが当たり前の姿なのです。
おそらく、トランプの相談相手は娘や娘婿であり、バノンが思想的影響を与えたとマスコミは言っていますが、それはおそらく見当はずれのことになると思います。
北朝鮮リスクが顕在化
8/30にトランプはツイッターに以下のことを書きこみました。
「アメリカは25年間に亘って北朝鮮と交渉をしたが、カネをゆすられだけだ。対話は解決策ではない!」と、書き込みました。
この発言を受けて、ムニューニン長官は何といったかと言えば、ドル安は短期的には貿易面ではいいことだが、長い目でみればドル高が長期的にアメリカに国益をもたらすだろう。一見関係のないことのように思えますが、実は、彼は財務長官なので経済面でしか語りません。
就任直後からムニューニンはドル高の必要性を訴えてきましたが、4月のユーロに対する発言から現在、ユーロが急騰している結果をみれば、ドル安はそろそろいいのではないか?と市場関係者が思うことは当然の話になります。
この間、ケリーやマクマスターの発言があれば、いいのですが、何も発言をしていない模様です。しかし、決定的な証拠が次々と上がってきています。
9/1にはアメリカのパスポート保有者は北朝鮮への渡航禁止が発表されています。イギリスは8/31に駐北朝鮮大使を召還しました。スペインも8/31に北朝鮮外交官を退去処分にしています。アメリカはさらにロシアに対しても領事館などの撤収を求めています。
このような行為は、近現代史ではほぼ「宣戦布告」と一緒の行為になります。大使や領事、外交官を退去処分にするのは、誰でも普通に考えれば戦争の準備に入りましたよ、ということと一緒のことです。
今回の場合は北朝鮮のミサイル発射に抗議をして、という大義名分はしていますが、その辺の意図はまだ真意はわかりませんが、少なくても、イギリス、スペインなどはもう、アメリカに同意しているのではないか?と考えてもいいと思います。
さらに、アメリカはロシアに対して領事館などの撤収を求め、それに対してプーチンは悲惨な結果になるかもしれない、と警告を与えています。
もちろん、世界は平和的解決を求めて最悪の事態は回避をしようという動きは続くと思いますが、現時点では4月から交渉を続けて、その裏でアメリカは軍事行動の準備を各国に根回ししていたと思われます。つまり、ほぼ根回しは終わったと取ることができると思います。
そして、日本政府が韓国に駐在している人たちに避難を呼びかけるような事態になれば確定的になると思いますが、官房長官の発言をみるとその気はないようです。おそらく、北朝鮮が暴れる前に叩くというような作戦になると思います。
こういう国際情勢を一切、報道せずに報道というのは何をやっているのだろう、とは思います。もちろん、いたずらに危機意識を煽るような行為の自制を日本政府から求められているのだと思いますが、わかっている人にはわかっていることであり、わからない人はずっとわからないことでしょう。
つまり情報ツウなんて、FXをやっているとそんな人に出くわしますが、情報を知っているだけでは単なる木偶の坊であり、その情報を分析し、その結果をFXに反映させることができる人を情報ツウというのであって、情報を知っているだけの人は世の中にゴマンといることを認識したほうがいいでしょう。
だいたい、FXを初めて5年くらいでこの情報ツウという病気にかかります。注意をしたほうがよいでしょう。私から言わせれば、5年では経験も知識も足りなくて、情報を与えられても判断など稚拙なものしかできません。
5年で儲かった、と騒いでいる人をみると「そのうち消えるな」としか思わないものです。考えてみてください。9.11からリーマンまで7年です。この過程を初めて経験するのと、二回目、三回目の経験の人では、知識から経験まで何
から何まで違います。
から何まで違います。
こういう場合は、こう取る、ああ取る、最悪の事態まで、1度も経験したことのない人にとっては無理なことです。データ?情報バカはデータさえあれば何でも対処できると思っているものですが、その体感をデータでは読み取ることができないのです。
将棋のように一定のルールに従い物事が進んでいくのではなく、想定外の連続の中でAIは的確な判断などできっこないのです。今のAIブームなど、情報バカの延長線上にしかないと思っています。
今の北朝鮮情勢の緊迫化をAIが認知していると本気で思っていますか?少し、プログラミングの経験のある方なら分かると思いますが、どうやって反映させるのでしょうか?先ず、データがない、データがあっても認知させるための方策というのは何にあるのでしょうか?
新聞の語彙などいろいろあると思いますが、正確ではありませんよね。危機とはそうなることを想定している人としていない人では雲泥の差があるものです。想定していない人にとっては、想定外でしたといって大損を受け入れるのでしょうか?普通は受けいれられないと思いますけどね。
(この記事を書いた人:角野 實)