今朝のモーサテをみていると、ファンドポジションによって為替動向を占う方法が解説をされていました。
ファンドポジションによる相場動向
その説明によると、ユーロは過去、最高に買い越しをしたときと同量の買い越しをドルに対してしているので今後「相場が転換する可能性が高い」とのこと。
一方で日本円は、過去の売り越しと比べ84パーセントだからまだ売り余地があるということです。
この説明をみて、きちんと私が今まで書いてきたことを理解している方は、ファンドはファンダメンタルズに忠実に動いているだけで、ファンダメンタルズをきちんと確認をしていればファンドポジションの動向などは、確認作業でしかない、ということに気づくと思います。
きのうはユーロGDP
きのう、私が注目する、ユーロGDPが発表されました。結果は「予想2.0」に対して「2.1」になりました。
アメリカの前値同月比の通年が「2.6」でしたから、1-3月期が「ユーロ>アメリカ」になり、、今期の「アメリカ2.6>ユーロ2.1」でその立場が逆転します。
前期は「ユーロ2.0>アメリカ1.2」でしたので、その差が0.8になりますので、前回の安値まではいかない、というのはかんたんにわかりますよね。
よく注意をしてほしいのは差の0.5と0.8というのは実際の相場には何ら関係ない、ということもよく考えてください。為替相場においては差という概念はなく加減乗除の中の乗除でしか正確な計算は成り立ちません。
となると、前述のファンドポジションがユーロのポジションを過去最高と同等に買っているから今後、相場展開は転換するという主張と見事に符合するのです。
つまり、ファンドポジションという他人のポジションなんてみなくても、このファンダメンタルズの理論が正しいと思うのならば、見なくてもいいのです。
日本円の場合は、1-3月期が0.9、アメリカ1.2、今期はアメリカが2.6、日本はどんなにがんばっても1.5がせいぜいです。つまり、今の110円近辺なんて単なる通過点というのがよくわかります。もちろん、ユーロドルの動向次第では、大きく戻る可能性はあります。
ファンドポジションは気にしなくてもよい 実際のトレードの注意点
先ず、ユーロドルに反応してドル円は動いているということです。ユーロドルが、上昇ということはイコールとしてドル安なのだから、円高になるのは当然です。
しかし、このユーロドルが反落する場合、ドル高になるのですから、円安になる可能性はあるのです。
ユーロドルが反転した場合、円安になるのですが、今からそのときの日経新聞やモーサテの尾河真樹が出しゃばって何を言いだすかはかんたんに想像がつきますし、カリスマ主婦のバカなコメントにも笑わせてもらうことでしょう。
現在は「ドル安、円高、ユーロ高」ですが、ドル安は変わらず、一度、「円安、ユーロ安」になり、そして最終的には、「ドル安、ユーロ安、円高」になるということです。
ファンドの図体は大きいのでそのポジションの変化には、2週間ほどの時間がかかるということになります。
そうなると「お盆のころに急変するかな」、とも思います。また、今週末の雇用統計の新規雇用者数はよくないと思いますが、失業率は良化、賃金も良化することでしょう。
その前にたぶんADPの雇用者数がかなり良くなります。なぜならADPは民間の統計であって、政府雇用は含まれないからになります。
さまざまな景況感をみると政府、地方自治体の雇用が極端に少なくなっており、ADPは公的機関の雇用を含まないので良い数字が出る、一方で雇用統計は政府を含みますのでそれほど良い結果は出ないことになります。
結果、円安になろうと、円高になろうと、最終的に円高になるとわかっていれば、ファンドポジションの動向など気にしなくても、ご自身のポジション構築などたやすいことになるとは思いますが、いかがでしょうか?
(この記事を書いた人:角野 實)