読み込み中...ＦＸ works さんの特別依頼原稿には書きましたが、ＰＭＩとは購買担当者指数になります。この位置づけに関してはそちらの原稿に記しましたので、そちらをご覧ください。
ＰＭＩ指数は、景況感指数ですので平均を50とすると、それ以上であれば景気拡大時期になります。表は左端の数字が、先月の数字で、真ん中が予想、そして右が結果になります。
軒並み数字が、予想よりも悪いことになります。各国の違いはおわかりになると思いますので、製造業とサービス業の数字の違いを説明をしておきます。
製造業というのは、たとえば、夏場に水着を販売するとすれば少なくても日本であれば十分な在庫をもっていなければならないと思います。8月に水着を製造してもそれは在庫として残る可能性は非常に高くなります。
こういった季節商品のケースもありますが、販売件数によって工場の稼働を上下させるわけにはなかなか行きません。需要が高まってから、工場が稼働をするのですから、繁忙期と閑散期が明確に分かれます。
一方でサービス業はお客さんに直接対応をしていますので、その売れ筋とそうではないものがダイレクトにわかり、お客さんのニーズにフレキシブルに対応できます。
たとえば、夏休みに入ったのに水着が全く売れないけど、Ｔシャツは売れるとなればそれを店頭に置きます。製造業というのは季節変動に大きく景況感は左右されますが、サービス業はその場で対応ができるということに違いです。
つまり、同じＰＭＩでも、出てくる数字によって性質の異なるものだと思ってください。ただ、規模は、製造業の方が生産能力は高いのですから、高くなり、サービス業が小売店レベルですので、「ＧＤＰ」への貢献寄与度は少ないことになります。
上記の結果を受けて
当然、先行きの景況感が悪化したのでユーロは売られます。ただし、金額ベースはわからないけど4-6月期ほどはよくないのは確かです。ユーロ安が示現するということはすなわち、それはドル高ということはおわかりでしょうか？ドル高なら、円安になるのでしょうか？
実際、逆にドル円は円高で反応をしました。 これは対ヨーロッパ貿易の一番のシェアは中国であって、日本ではないことが挙げられます。つまり、どういう経路で円高になったのかを解説すれば、ユーロ安はダイレクトに人民元高を示現するのです。
ここからも円安ではなくて人民元高ならドル安、ドル安なら円高という経路をたどっているのです。なぜなら人民元は実質、ドルペッグを採用しているのですから、まず、ドルに対して反応をするのです。
そこから円に行くのです。 ともかくクロス円ではユーロ円も人気の通貨になりますが、こういう経路を理解しないと、いけないのでクロス円は難しいのです。
つまり、ドラギさんが金融政策決定会議後にいった、成長や物価は今と同じ程度を見込むといったのは、ＰＭＩによって、その可能性は低いよ、と数字で示したのですから、売られるのは当然の話になります。
7/25本日の経済指標
本日はドイツの輸入物価指数になります。これは、面白いですね。みなさんも考えてみてください。
この予想はめちゃくちゃになりますよね。先月よりユーロ高なのに、そして前年並みの物価上昇を見込んでいるのに、予想は低いのです。本日は一日出掛けていますので、明後日以降、覚えていたら解説をします。しかし、ドイツの自動車業界のカルテルは酷いですね。
つまり、好調なドイツ経済のときはみな、何も言いませんが不景気になってくるとこういう話が出てくるのです。前回のフォルクスワーゲンの不正のときも、ユーロが低迷しているときです。
日本も、円高になったとたんに安倍叩きが始まっています。つまり、人間の性質の中に、水に落ちた犬を叩くという意識が潜在しているのです。ここからわかることは、景気上昇のときには悪い話はでにくいですが、景気が悪くなると悪い材料が一気に出てくるということです。
よい材料は、必ず、景気後退期の前半に出るということを覚えておけば、材料などいつ出るかわかりませんが、テクニカルやファンダメンタルズで景況感が変わった場合は材料の支援を期待する、というのも一興なのです。
（この記事を書いた人：角野 實）
