6月の非製造業新規雇用者数が日本時間7月7日9:30に発表されました。その内容は新規雇用者数22万人、失業率は1ポイント悪化の内容でした。
この数字の予想の仕方
先ず、先般から発表になっているISM指数、製造業、非製造製造業ともにこの数字が劇的な改善をしています。このISM指数というのは経営者へのアンケート調査になり、基本の統計の仕方は日銀短観と一緒になります。
つまり、景況判断を経営者に一本、一本電話をかけて、景気の動向を探るというアンケート調査になります。なぜ、このアンケート調査というのを強調するのかといえば、要するにアンケート調査で景気の見通しや動向を聞くのですが、具体的な数字までは聞いているのか、聞いていないのかはわかりません。
ただ、数字に関しては発表がなく、経営者の現在の経営状況を聞いてそれを数値化したものの調査です。このISMの結果は劇的な改善を示しており、要するに注文がいっぱいきているということになります。
つまり、経営者というよりも人間は目先のことにものすごく影響されますので、注文がいっぱいきていれば、経営者は先行きの会社経営、ないしは景気動向に楽観的になるであろうことは予想できます。
注文がいっぱいきているのなら、これから設備投資をして、注文をさばくことを考え、必要に応じて人員を増やす、だけの話です。その結果が22万人という予想以上の数字になるのです。
そして、失業率に関しては1ポイント悪化の4.4という結果ですが、これは年初から景気が悪く、そして日本と同様、雇用されない人は雇用されなく、景気に先んじて人員を増やす業界では雇用は増えますが、こういったインターネットが普及した現在、ロースキルの労働者は雇用されにくくなっている現状です。
なぜなら、ロースキルの労働者は、全部、機械に変えたほうがコストは安くなるからです。つまり、景気の悪化をうけて、ロースキルの労働者が雇用されない環境と、景気後退の波をうけてレイオフされて、今回の拡大期でもまだ就職できない人が多数いることの証左になります。
しかし、アメリカの景気は6月が終了した時点で明らかに改善をしており、今後も「雇用統計」は順調になると思います。この年前半の1-6月があまりにも悪かったので今後、思いがけない大きな雇用が発生する可能性もありますし、失業率は低下することでしょう。
しかし、アメリカは完全雇用に近い状態ですので、30万とかは無理でしょう。
雇用統計発表後のマーケット
ドル円を考えて行きましょう。発表直後は、上ブレし、その後下ぶれになっています。なぜ、上に行ったあと下ぶれになったのかはよくわかりませんが、安値は113.5円ということです。
ここで、とっておきの秘密を明かしましょう。みなさんは「アメリカ>日本」になったのだから円高にポジションを取るのは当然のことなのですが、ここでみんな一斉に売り過ぎただけの話です。
売っても、売っても下がらないから戻ったということになります。この安値を叩いた人たちが踏む、つまり空売りを手仕舞いする場所はもう自動で決まっているのです。
113.5円の1パーセントは1.135円くらいです。その半分の0.5パーセントは0.5675円くらいです。113.5円+0.5625円=114円くらいです。あれ、私が計算をするとだいたい113.96円になったのですが・・・そこまで戻ると読んで、私はそこで叩き売ってこの原稿を書いているのです。
そこが天井であるという確認は、5分足の移動平均3をみるだけです。5分足の移動平均3が平らになったら売り開始、下向きになったら売り増しになるだけです。これで確認終了で、後は、二番天井に注意しながら、様子を見るだけです。
たぶん、これが戻り高値になると思います。あまり自信はありませんが。今回は特に自信がありません。
摩訶不思議な日銀オペ
日本銀行が不思議なことを本日行いました。よくこの意図がわかりません。日銀の幹部はこの雇用統計がよくなることはよくわかっていると思います。
しかし長期金利の誘導目標0.1パーセントにあるのを、わざわざ、本日、国債の買いオペを行い、0.09まで低下させています。日本のアナリストは日米金利差拡大といって、円安方向に行きましたが、そういうおバカさんたちは放置しておきましょう。
そもそもその解釈が間違いであって、たまたま偶然円安になったのに、何を言っているのだろう、と思います。先ず、ここから日本銀行の意図というのは、今の時点では買いオペを行うのは、金融緩和の一環で、円の供給を増やすことにあります。
現状、アメリカは金融緩和を行っていますが、ユーロも同様です、通貨の供給量は一定量になります。つまりソロスチャートの解釈としては「ドル=ユーロ>円」になるわけで、最弱の通貨になるようにしたかったのか、と考えています。
確かに、ドルは早ければ9月からドルの回収に走りますので、ドルの供給量は減りますので、ドルが跳ね上がる可能性はあります。原油が戻った、戻ったと喜んでいるバカたちは、ドル安で原油高なのにアホとしかいいようがありません。ドルが跳ね上がれば再び40ドル台は硬いでしょうね。
要するに通貨供給量の観点から債券の買いオペを行ったのではないかと考えています。もう少し、ゆっくり考えようと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)