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昨夜、前ＦＢＩ長官の議会証言の内容が公表され、その内容に新鮮味がないことから楽観論が支配し、株価も為替もリスクオフ方向に流れる展開になりました。
おそらく、マーケットを落ちつかせるために共和党が事前に公表したと思われますが、今回のイベント集中日の中でサプライズがあるとすれば、このコミー前長官の議会証言だけでした。今回はその話をしていきたいと思います。
サプライズとは？
サプライズというのは世間の６割以上が行くと思った方向に、結果をみて、逆方向に動いたことを指します。たとえば、去年であると、イギリスの国民投票の結果は、ＥＵを離脱しない方向で決まると思われたわけですから、離脱が決まったとたんに急落をしたのです。トランプさんが大統領選挙で、勝ったら、トランプさんのやることは不透明で、「もしトラリスク」といって急落することが期待されたのですが、逆に急上昇してしまった。
上記２つの例でわかるように、世間一般がこちらの方向に行くと思ってい際に、違う方向性にいくとマーケットは暴騰したり、下落したりするものです。では、今回の場合はどうなのでしょうか？
今回のイベント
1.イギリス総選挙
この選挙で与党が勝つと、マーケットがどうなるのか、負けるとどうなるかという明確な予想があるでしょうしょうか？その上に世間一般が共有している予想がありますでしょうか？
どちらが、勝ってもマーケットがどうなる、という予想がない限り、サプライズにはならないと思います。
2.ＥＣＢ理事会
「ブルームバーグ」は、ユーロのインフレ率を1.7から1.5に修正するという事前報道するということをしましたが、この報道通り、「ＥＣＢ」は景気の下向き方向の発言をするでしょう。だから、理事会の決定は変わらない、と言う予想になり、これも予想通りになるのでサプライズはないと思います。
もし、「金融政策」に変更がなければ、国際協調の観点から６月のアメリカ利上げはない可能性が高いということも忘れずに。そして、変化した場合には、６月利上げの可能性が高いということです。
そして、ドル安の方向性への言及についてもきっちりとみるべきです。たとえば、緩和を縮小する可能性という文言が出た場合は、ユーロ高ですから、ドル安ですよね。
豪の理事会は、豪経済の下振れリスクについて何度も言及をしているのですから、ドル安を言っていると勝手に私の想像で思っています。
3.コミー前長官議会証言
これが、一番、サプライズの可能性があると思っていましたが、事前にその質問内容や回答を議会が発表してしまいましたから、サプライズの内容になる可能性は低いでしょう。
前長官がはっきりと捜査妨害をにおわせる発言が、大統領からあったと言った場合は、トランプ罷免リスクが高まるでしょうが、発表された内容にはそのような感じはありません。
つまり、民主党の聞き方がうまければ、印象操作によって罷免リスクは高まりますが、おそらくそうと、取られるような発言はしないと思います。
以上のように、サプライズなんか、多分、ないだろうな、と思います。
でも円高であり、リスクオン相場になると思う
きのうは大きな戻りはないと言ったにも関わらず、コミー前長官の証言内容の公開によって戻りました。結果的に0.9円程度戻りましたので大きな戻りかと思います。
本日のイベントによって、サプライズはないと思います。しかし、昨年のトランプラリーの原因は伊勢志摩サミットと考えたように、先月、行われたサミットの合意内容というのは、何も決まらなかったのは事実だと思いますし、また、自由貿易の推進が声明文に盛り込まれたのは、ドル安を各国が認めたからになると思います。
つまり、円高になっている本質を間違えてはいけない、ということです。本日の「ＯＥＣＤ」の発表は日本が0.4ポイント上方修正でアメリカが0.2ポイントの下方修正です。
でも「アメリカ>日本」というのは変わっていません。つまり、円高のピッチが弱まるだけで大勢のトレンドに変化はないということになります。
（この記事を書いた人：角野 實）
