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昨年、私が学んだことは、サミットの決定というのは、「絶対的である」ということです。去年の１１月に起こった、一般的にはトランプラリーと言われるものは、去年の「伊勢志摩サミット」で決まった先行き不透明感から財政出動を行うことが全会一致で決まったのがその要因であると考えています。
一般的にはトランプラリーの発生要因は、インフラ投資から財政赤字の拡大から金利上昇するから起こったといわれていますが、金利が上昇して赤字が増えたらドル安が当然なのに、円安になってしまった、これは全く説明がつかない。
株は、ある意味の「金融緩和」になるのですから上昇して当然のことになります。この一部の原因の不一致がずっとひっかかっていたものですが、これを「伊勢志摩サミット」の各国の財政出動が、原因と考えると、すべて経済学の原理原則に当てはまるということになるのです。
そもそも、トランプが当選したら、マーケットが暴落するという考えがそもそもの間違いだったのですから、トランプが当選したら暴騰するというのと矛盾しているのです。そもそも、トランプラリーの解釈そのものが間違いだったのです。ですから、今回のサミットの合意内容というのは非常に重要になるのです。
今回のサミットで決まったこと
さて、今年のサミットで決まったことは、また、間抜けな評論家が訳知り顔で登場して、また間抜けな評論を行うことでしょう。その解説はすべて間違っていると思ってください。
今回、重要なことは、トランプが自由貿易を標榜することに反対をしていたこと、それが一転、声明文にこの自由貿易を標榜するということに賛成、掲載されたことです。
この解釈を間違ってはいけません。これはトランプが折れたという報道が圧倒的ですし、そういった心象を与えることは確かです。でも、それは決定的な間違いです。
今回のサミットはトランプの圧勝です。先ず、トランプさんはサミット開催前まで、自由貿易には賛成していましたが、不公正な貿易を繰り広げる、特に、日本、中国、ドイツを徹底的に攻撃しました。理由は、アンフェアな貿易慣行が横行しているからです。
トランプさんが政権に就く前までは、ドル高を容認するアメリカの姿勢がありましたから、これを改善しなさい、と主張していただけの話です。ドル安を容認しないなら、報復関税を行う、保護貿易をアメリカは行う、と主張したのです。
アメリカは世界の25パーセントの経済を担っているのですから、アメリカから利益を享受している主な国、中国とドイツはドル安を容認するほかありません。
中国は、北朝鮮をきちんと対応するならある程度のドル高は認めてやる、と言ったのでしょう。ドイツに対しては、開催前にドイツの車はクソだ、と発言したように関税障壁や保護貿易をすると脅したのでしょう。それが、一転、サミットの声明文には自由貿易を推進すると書かれた理由は非常にかんたんです。
世界に「ドル安を容認する」ということを認めさせたことに他ならないということです。これで、まだ円安、円安と騒ぐ、アナリスト、専門家、評論家は私からみればアホとしか言いようがないのです。
ドル安はいつから？どの辺まで？
さて、このドル安容認を世界が批准するのに各国の議会が承認する必要があるのでしょうか？それは私にもよくわかりません。ただ、ドイツに関しては、今までユーロ安の恩恵を受けて輸出が好調だったのでドル安によって、経済停滞することは確かでしょう。
つまり、再び、ユーロが上昇しすぎるとユーロ危機が叫ばれるようになるのです。おそらくこのドル安は、財務次官クラスで、つまり、通貨マフィアクラスで協議をされることになると思いますが、順次、行われていくことになるのでしょう。
おそらく、先進国の「金融政策決定会合」はドル安容認のような形になっていくのでしょう。そして、その効果のピークは、毎年、サミットの結末の結果というのは年末から年始にかけてです。
そのときには個人的には100円割れになるのかな、と思います。また、円はリスク回避通貨になりますので、何かあった場合、6月にも円高になるのではないかと考えています。
しかし、必ずこういう、専門家がいます。自由貿易が声明文に掲載されたのだから「リスクオン相場」、だから円安、株高と言うやつは必ずいると思います。笑。
（この記事を書いた人：角野 實）
