何が原因かはわかりません。しかし、ドル円をみても、かつてないほど円高のきれいな形をしています。金がテーパリングを行う可能性が高いのに、未だに高値圏内。仮想通貨がイーサリアムを筆頭に急騰、という状況になります。
何が原因かさっぱりわからない
きのうも触れましたようにアメリカの長期金利は低いまま、これは資金需要が全くないことを意味していますが、全くないというのは語弊が非常にありますが、政策金利や短期金利が上昇しているのに、10年物や30年物金利が上昇しないのは全くもっておかしいことです。
たとえば、1年借りるのと10年借りる金利が同じ金利になった場合、誰でも10年の返済期限で借りるのが当然です。金利というのは期間に対して支払われるものであり、また、1年と10年でリスクの対価として、要するに貸倒リスクのこと、同じ価格であれば経済が成り立たないことになります。
こういうのをモラルハザードといいますが、あり得ないことが起こっているのが現状です。参考までに、日本銀行の「マイナス金利」は著しいモラルハザードになります。お金を借りている人が、金利を払わずに、経年すればするほど元金が減っていくのですから、モラルハザード以外何ものでもないのです。
この長期金利が上昇しないという摩訶不思議な現象を、誰も、ロジカルには解説ができない、というのが、非常におかしい。日本銀行のマイナス金利のように人為的なものならまだしも納得はいきますが、金利を市場にゆだねて、こういった状況が起こるのですから、必ず経済や市場に問題があるのです。この原因が特定されず、「リーマンショック」のように、ある日突然、崩落という可能性もあります。
恐怖指数が史上最低を更新
恐怖指数が史上最低を更新しています。つまり、リスクに対して、投資家が極端に無警戒になっており、つまり自身のロングポジションに対して何もヘッジをしていない状態になります。極度の楽観姿勢というのは、何か悪いことが起こった場合は、暴落をするということを忘れずにしたいものです。
内部要因でいえば、暴落するような事件が起こった際、空売り筋やオプションのヘッジが効いていた場合、買戻す人が必ずいます。
それが自然に買い圧力となり、買い方が転売するのに値段が約定する機能を果たしますが、「リーマンショック」のときは買戻しの量が極端に不足をしたので暴落をしたのです。今は空売りをしている人が少ないので非常に危険です。
何が起こるのか、さっぱりわからないが
FXでとりあえず言えることはドルが安くなるのは確実のような気がします。その辺は後日、詳細に述べたいと思います。本来、通貨、お金というのはインフレになれば、お金の価値は減価するのです。
アメリカは消費者物価も、卸売物価も上昇をしていますので、インフレというわけではないのですが、物価が上昇すれば、自動的にドルは下がります。それを金利差、金利差と騒ぎ、アメリカの金利の方が高いからドル高という稚拙な論理を展開する高名な方々がたくさんいらっしゃいます。
金利差では経済は語れることはありません。つまりアメリカ経済が好調であればあるほどドル安になるのが自然なことであり、日本の場合は物価がはまだ、2015年よりも低い状態なのですからデフレ、イコール円高になって当たり前の話なのです。
最近のユーロ高も、何度も言うように、ユーロ高と騒げば、自動的にドル安になるのが当然の話です。そんな基本的なことを無視している人が多すぎます。
何が起こるのかはさっぱりわからない、でも、チャートはきれいな円高の形をしていると思います。おそらく、サミットが終了した時点で円高になると、現時点では考えています。この週末に意味不明に円高になり、ほとんどの市場がリスク回避の方向に動いているのが不気味にしか思えません。
(この記事を書いた人:角野 實)