FXは、私もその日本での最初の外国為替証拠金取引の創始者の一人になりますのでそろそろ新しい方向性を考えていかなくてはいけない、ないしは、新しい基軸ができてもおかしくはない状態になってきたな、とは感じます。
しかし、残念ながら私は、大きい組織を引退しておりそれに携わることができません。今回は、これからFXはどうなっていくのかを考えて行きたいと思います。
仮想通貨、ビットコイン
「ビットコイン」も、FX会社の中でも扱いを始めるところが増えてきています。実際に私も「ビットコイン」の取引所に口座設定をするときにはなんて、面倒くさい作業なのかと思いましたし、携帯電話で決済というのは現実味がなくやったことがありません。
そもそも、私は数年前に、スマホを解約してガラケーに戻しましたのでスマホ決済なんてことはやりたくてもできないのです。ただ、実際にお金を持つ必要がないのは、非常に便利なことであり、アメリカのアマゾンでは実際にレジがないコンビニもオープンをしています。
おそらくこれが主流の決済手段に今後はなっていくと思います。つまり、コンビニ、ないしはお店から店員が消えてしまうのです。ビットコインは、人類共通のお金ですので、昔で言う、ゴールドになります。
ゴールドと決定的に違うのは、持ち運びしなくていいところになりますので、ゴールドよりは格段に優位性をもっています。そして、24時間、いつでも15分以内に決済可能というのは、経済の効率化を進めることでしょう。
しかし、「ビットコイン」取引所の開設の面倒くささ、そしてその使い方の煩雑さが普及を阻害しているように思います。近い将来、おそらく、日本円やアメリカドルなどの通貨は消滅し、そして、「ビットコイン」等の仮想通貨が、日常の生活手段になると思います。
その意味では、今から、FXに変わるものとしてビットコインのトレードも多少、やったほうがいいのではないかと思います。
株式市場の変化から
みなさんは、超高速取引、「HFT」というものは聞いている方は多いと思います。しかし、欧米のFX会社、日本のFX会社も「HFT」取引排除の動きに出ています。なぜなら、取引の公正さ、という面において、特定の投資家に莫大な利益を呼び込む可能性があるからになります。
つまり約定が早ければ早いほど、その投資家に利益をもたらすからです。参考までに、人間がクリックして約定するスピードの1万倍の早さになりますので、約定力とか謳うFX会社はアホか、としか思いません。
HFTは、人より早く約定することによって、より多くの利益が獲得できますから、そのスピード競争になっているのです。そういう、HFTを活用する投資家を排除するために株式市場ではさまざまな施策が取られています。
日本でも東証が株式会社化されましたが、株式の取引所は、民営化が世界的な流れです。これは、資本の流動性を促進するためであって、民間の一般会社でも取引所運営が行えるようになりました。
民間会社の株式取引所は設立当初はHFTの投資家を、補助金を使ってまで積極的に呼び込みましたが一般の投資家の猛烈な反発に会いましたので今ではその動きは下火になっています。
ただし、資本力がある、銀行や投資銀行は、ダークプールという私設の取引所を設立したのです。
これは大口の注文の利益を守るための施策で、たとえば、投資家が大量注文を出すことを察知したHFT投資家は、それよりも早く買い注文を約定させ、そして、前述の大口注文の顧客が実際に買ったら、HFT投資家は大口の注文ですから値段があがったところで決済をするのです。
これが、HFTの基本構造になります。銀行や投資銀行の私設取引所、ダークプールは、このHFTを排除させるために設立されたのです。
このようにアメリカの株式の世界では投資家のニーズによって取引所を選べる動きになってきており、近い将来、日本も、そして、日本のFXも顧客のニーズによって取引所の選択肢が出てくるのではないか、と思います。
そうした場合、大口注文の取引所やHFTのための取引所などさまざまな取引所が設立されるケースが出てくるかと思います。つまり、みなインターバンク取引所やFX会社のわけのわからない取引所で取引をすることが無くなる可能性が高いと思います。おそらくこれも次世代のFXの動きになると思います。
ですから、FX会社でも信用できるFX会社やできない会社を見抜く力が必要とされるのだと思います。参考までに行政処分を受けたFX会社や証券会社を選ぶのは論外のことになります。
つまり、これからのFXは一方で世界共通の通貨の誕生という方向性と、一方ではサービスの多様化になってくると思います。もちろん、早く実現をするのには、サービスの多様化になるのであろうな、と思います。
(この記事を書いた人:角野 實)