今、プロ野球、セントラルリーグでは阪神が1位らしいです。あまり興味がないのですが、今年の優勝は阪神でしょう。周囲に、広島のファンが多く、非常に面倒くさいのですが、前半のペナントレース、広島が一時期、独走しました。
私はこれを見て、「統計学では広島は出来すぎ」と評したところ激怒されたものです。今回はこの事案を例にあなたの相場力を上げる話をしてまいりたいと思います。
認知科学の見地からいえば・・・
平均点以上の成績を残すものは、必ず、成績を落とす、当たり前の話になります。今回の広島の話は、非常にかんたんな話になります。私はプロ野球を見なくなって久しいのですが、ここ数年間、セントラルリーグの優勝チームは毎年、コロコロと変わっているという印象です。
たぶん、そうなのだと思いますが、優勝チームが毎年、変わるということはセントラルリーグの力関係は、どんぐりの背くらべ状態だと、かんたんに類推することができます。
どんぐりの背くらべで独走ということは、前半の広島の独走状態というのは、単なる「まぐれ」です。加えて、広島はFAなどの補強も行っておらず、新戦力もいないと聴いています。
11月から1月までお休みで、4月から開幕なのがプロ野球です。その5カ月間の練習でチーム力が2割も3割もアップする訳がないのに、広島が独走する、ということはありえない、つまり5月上旬までの独走状態は単なる「まぐれ」なのです。何度も言っておきますが、実力ではありません。まぐれ、です。
相場でも、認知科学でも同じですが、平均から大きくかい離をした値段や、成績を残せば必ず、平均に回帰をします。ましてや戦力アップが何もなくても、広島ファンは、これが実力だというのですから呆れてモノが言えません。参考までに、阪神が優勝すると言うのは若手という戦力が伸びてきているからです。
それ以外なんでもありません。既存の選手がシーズンオフの間に実力が10パーセントも20も上伸する訳ないのですから、若手が戦力アップの重要な手段であって既存の選手のレベルアップなんてどこのチームもどんぐりの背くらべです。
広島は去年の覇者とはいえ、戦力のアップがなく、黒田投手が引退したのですからAクラスも危ない、というのがまともな予想です。
相場の実力を上げるのには?
このプロ野球の話をしたのはなぜなのか?いぶかる方も多いと思いますが、相場の実力を上げるのも同じことなのです。近年、インターネットの普及でマーケットの世界でもプロと素人の境目がなくなっていると思います。
プロが入手できる情報と素人が手にできる情報に大きな差がないのです。つまり、情報の料理の仕方を知っている人が上手に対処でき、調理ができない人はたぶん、今もこれからもダメでしょう。
去年はFXで損をしたけど、今年こそは、儲けるぞ、という人をよく見かけます。そういう人はよく上記のプロ野球の話を読んでください。殆どの投資家は、戦力アップもなし、そして、負けた原因も追求せずに、去年と今年は違うから勝つはずと言うのです。アホですよね。
こういうのをアインシュタインのバカというのですが、同じことをやって違う結果を求めることを言うのです。結果なんて変わるわけがないのに・・・手っ取り早い、成績向上の秘訣は新戦力の投入です。
つまり、セミナーや書籍などで新しい知識を取り入れてそれを自分のモノにすることが成績向上のカギになるのです。プロ野球の新人だって、ドラフトで上位指名をしても箸にも棒にもひっかからない選手など山ほどいます。新しい知識を取り入れて、それを活用してみるまでは結果なんてわかるわけがないのです。
絶対に取り入れてはいけないもの
近年「AI」など流行していますが、あんなもの当たるわけがありません。人工知能を自分なりに組み立ててればわかると思いますが、判断を機械に任せても結果は人間が判断したほうが、良い結果になることはもうわかっていることなのです。
「AI」というみなさんに馴染みのない言葉でしょうから「EA」といえばわかりやすいでしょうか?自動売買のことですよね。自動売買がなんでダメなのかといえば、かんたんです。効率的に稼げるという魔法の言葉でみなさん取り入れるみたいですが、稼げるわけありません。
社会を効率化していけば、成長が止まるというのは社会科学的に証明されていることです。自動売買や「AI」というのはミスを少なくすることの意味もあります。ミスがない社会というのは、成長を阻害するのです。そしてミスなく効率化が進むと、やがて退化をするのです。
ですからAIでもEAでも組んだシステムがすぐに破綻するほうがあなたにとっていいことなのです。いつかはそのシステムは絶対に機能しなくなることはわかっていることなのです。人間の脳ほど、素晴らしいコンピューターはないのに、なぜ、機械を頼るのか、私には理解できません。
効率化をしていけば、必ず、人間は退化します。これは最近、流行りのダイバーシティー、多様性ということと対極にあることです。多様性のない社会は発展しないということです。
なぜ、人間のクローンが禁止なのかといえば、生命の操作ということではなく、クローン人間は人間の退化を意味するのです。もちろん、AIやEAを取り入れるのは悪いことではありません。
でも、その効率化できた時間で相場の勉強をもっとしましょう、ということです。余った時間をたいていの人は娯楽にまわすのですが、人間の脳より劣っている機械が永遠にあなたにお金をもたらすことはありません。どこかで必ず、破綻をします。
むしろ、海ものとも、山のものともわからないプロ野球の新人選手を活用して成功するように、日々勉強を旨とし、自分の技術を磨くのが一番、相場が上手くなる秘訣だと個人的には思います。
こういう話をすると、よく、具体的な方法を教えてください、と言う方が多いのですが、それは自分で考える問題であって、私が答える問題ではないのです。人には個性というものがあり、個性があるから多様性が生まれるのです。その個性に合わせて何かを考えるほど私には時間がありません。
(この記事を書いた人:角野 實)