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北朝鮮リスクの本質と今後の米中関係について

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前回では、北朝鮮リスクに関して考察を進めていきましたが、日本ではこのリスクの本質を見極めている方が非常に少ないと思います。今回は、その話をしてまいりましょう。

トランプの気質

トランプ氏というのはレーガンの憧憬からアメリカ大統領になった側面があり、その証拠として彼が大統領を志向し始めたのはレーガンが退任後くらいから大統領の意欲を見せ始めています。

そして、レーガン同様、日本の「貿易赤字」を問題にし、1980年代の日米貿易摩擦が代表例のように語られます。それに倣いトランプ氏も中国や日本に貿易問題を吹っ掛けていると考えられています。
しかし、レーガンの最大の功績というのは米ソ冷戦体制の崩壊が一番知られた功績であり、トランプ氏もその功績に倣うのは当然でしょう。
レーガンの手法は非常に単純で、当時、大ヒット映画であるスピルバーグの代表作品、スターウォーズから悪の帝国という言葉を拝借し、ソ連を諸悪の根源である、というスローガンを元にソ連を口撃したのです。
そもそも、レーガンが自由のない共産主義が嫌いだったのです。その後のブッシュ大統領の悪の枢軸国というものレーガンを倣うものです。つまり、レーガン信奉者としてのトランプは、共産主義のソ連に資するものは、中国と狙いを定めているのです。
レーガンはソ連と対峙すると高らかに宣言をしていますが、当時のソ連はアフガニスタンの侵攻によって国力が疲弊し、それが崩壊するのは時間の問題であったの当時はまだわからないことでしたが、棚ぼたとはいえ、レーガンはその戦いに勝利をしてしまうのです。
一方でトランプ氏も、その戦いの行く末が見えているか定かかはわかりませんが、北朝鮮という小物を相手にしているのでなく、中国を相手に今回の挑発を続けているのです。

北の将軍様の動向

北の将軍様のご意向は、というよりも北の動向というのは、アメリカの新政権が誕生する前には、いつものように暴発を続け、そして新政権誕生後にも暴発をするのです。

これは、おそらく、アメリカ政権のレームダック化を見越して暴発し、そして新政権誕生後の対応を見極めるためにいつものように暴発を続けるのです。
つまり、前任のオバマ氏のときにも暴発をして、その対応が決まったときに暴発を辞めているのです。非常にかんたんな話なのです。ですから、今回、アメリカが北を攻撃したら日本を火の海にすると騒いでいますが、本気でやる気なんてありません。
とにかく武力によって、自分たちに有利な対応をさせることをしようとしているだけと見ています。

トランプ氏の今後

とにかく、トランプ氏はルーズベルトに次いでアメリカで憧憬されるようなレーガンに対して憧れを抱いていますから、レーガン政権時にとったときの対応と同じことをすると思います。

期待に胸をふくらました、新政権ですが、評判は何もできない、そしてサウジの依頼で初めてのトランプ政権での軍事行動は見事な失敗に終わっているのです。
政策的には何も実行ができない、ということになれば、レーガンがグレナダを侵攻し、その批判が集まってもアメリカの力を誇示することによって有権者に認められたことを思い起こせば、トランプも同じことをやるであろう、と思うのが普通のことです。
ですから、トランプが北朝鮮に限らず、シリア、ISに対して、軍事攻撃を仕掛けたのは自明の理だったのです。

今後の米中関係は?

レーガンは自由こそが人類を豊かにすると信じて疑わない人でした。現在の北京というのは、時代錯誤の印象はぬぐえません。なぜなら、共産党の一党支配によって、所得を徴税や罰則などによって所得を移転することを未だによってやっているからです。

現在の最新の人類を幸福にする方法というのは所得の移転によって自分の資産を増やすのではなく、インターネットによって効率化された社会では資本を自分の力でいかに増やすかによって、人の富が決まってくる時代です。
要するに搾取や徴税によって、財産を増やすというような時代ではなく、自分の資産を効率的に増やすことが現在の富の取得方法になるのです。
中国は人からお金を奪うことによって、財産を増やすという考え方が支配的になっているようには個人的には感じます。それをトランプは許さない、と言っているのですから、米中関係は悪化するでしょう。
そして、日本はアメリカと中国経済に頼っていますので、景気がよくなるわけがないと思います。つまり「円高傾向は鮮明になる可能性が高い」ということになります。
そして、トランプ氏は政権の浮揚力として軍事力を行使したくてたまらないはずです。北朝鮮が国際社会から非難されるような行為をやってくれないか、と心待ちにしているはずです。もしくは中国が北朝鮮に対して、影響を行使してくれないなどの、約束を履行してくれないことを望んで、心のどこかでいると思います。
そうなると軍事力行使の大義ができることを望んでいると思います。どこからどうみても国境の壁の予算というのはバカげています。これを正当化するためにはアメリカの力が強いということを国民に見せつける必要があると思います。
(この記事を書いた人:角野 實
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