ずっと、トランプ氏はレーガン元大統領に倣い、グレナダ侵攻に近いことをやるであろうと言い続けていました。
その根拠として、アメリカ債券がこれだけ利上げをしたのにも関わらず、価格上昇、金利低下になっていたこと、金の価格がテーパリングの可能性があるのにも関わらず、上昇を続けたこと、原油の需給はオペック減産など関係なく下げ渋りを続けたこと、が挙げられます。
4/7 10:15に「米海軍艦艇が約60発のトマホークを発射した。米海軍駆逐艦がレイセオン製ミサイルを発射した」と発表をしたものから今回の記事になります。
この記事を書いているのは10:30になりますので、おそらく一番、早い解説記事になると思います。
この重大事件に関連をして
先ず、米中首脳会談の最中にこの発射を行ったことが重大な問題になります。つまり、習主席をトランプ大統領が北朝鮮問題に絡めて脅した、と捉えるのが普通のことでしょう。
おそらく、中国は北朝鮮への制裁や軍事力行使を相当、ためらうことを想定して、この北朝鮮問題に関しての譲歩を迫ろうという、算段であろうと予想されます。
他国もロシアを筆頭にアメリカ非難の声明を出していますが、おそらく、北朝鮮問題に関してアメリカ政府が譲歩しない姿勢を鮮明にすることになるであろうと思います。
今後の展開 –テクニカル-
情勢がさっぱり読めないような状況ですが、テクニカル的に今回の問題を読み説くと、やはりドル円相場に関しては6月までに100円前後になると思います。
これは以前に説明をした日足、単純移動平均30をみれば明らかなことであり、6月の利上げもないと言ったように、アメリカ経済の押し目の形成になると思います。
トランプ -これからどういう態度を取るか?-
トランプ氏はおそらく、北朝鮮への軍事攻略の協力を中国に求めると思います。アメリカ高官が政権発足直後に日本を訪問していることから、北朝鮮への武力行使は80パーセント以上とみています。
シリアをやったからといって、北朝鮮はないと見ないべきなのが現時点での判断でしょう。先般指摘したように、北朝鮮への軍事攻撃を明言したことから、彼が具体的に戦略を明示したことに対して、トランプは実行する傾向が強いということもあります。
そしてレーガンへの憧憬からグレナダに相当する軍事作戦を周囲の反対があろうとも強行をするであろうということも同じです。そして、政権発足当時から、この北朝鮮への攻撃を地固めし、そしてその軍事作戦が成功しようが、しまいが、ブッシュのイラク戦争のように強いアメリカを標榜することは、個人的には明らかだと思います。
トランプのアメリカファーストという政権公約の実現を図るでしょう。忘れてはならないことは、アメリカは大統領が誰になろうとも、経済はいい。ただ、このシリア、北朝鮮の問題が長引かない限りという附則はつきます。やるのであれば短期で終了をさせること。
グレナダのように、勝利が見えている侵攻ならいいのですが、シリアも北朝鮮もこの戦いに勝利をするのには非常に疑問符が付きます。このトランプの作戦が成功し、アメリカ経済が再び上伸局面になるためにはこの問題の短期解決はマストのアイテムとなります。
ただ、為替に関しては、アメリカが高成長、日本が停滞ということになれば自動的に円高になります。ただし、アメリカの4-6月期の成長より日本の成長がいい場合には短期的に円安になる可能性はあると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)