トランプ大統領に関しては大事なことを書いておりませんでしたので、ここの冒頭と記しておきます。
私自身もトランプ氏が大統領になるとは思っていませんでしたが、それはアメリカ共和党も同じことで、共和党も全くトランプ氏が大統領になるとは思ってはいませんでした。
それ故に、通常、次期大統領は就任前の12月に最初に記者会見をやるのですが、その記者会見が1月にずれ込んだのも、共和党の不協和音からになります。
就任演説がその歴代の格調高い演説に対して批判をされるのは事前の準備不足だった所為もあるのか、それともあれが限界なのかはわかりませんが、とにかくこのトランプ政権の始動が遅いのは確実になります。
つまり、本当のところ政権のやりたいことなどまだ何も決まっていなく副長官人事などは全く手つかずのままです。一般的には就任時期は「ハネムーン期間」と言われていますが、私を含めて世論調査を基本とした間違いだらけの大統領選挙報道をトランプが信用するはずもなく、対決姿勢を強めています。
ここに共和党はさまざまな10兆円近くのインフラ投資に対しても拒絶する方向に行っており、インフラ投資さえもなかなかうまくいかない方向です。どうなっちゃうのでしょうね?トランプ政権は・・・
トランプ大統領がどうなろうと、テクニカル分析にまい進する!
上記のチャートはドル円日足に単純移動平均30を加えたものです。テクニカルの流れを見出すのには昨年から「日足の30」をみるといいと書いていますが、この日足30ゆっくりとダウントレンド方向に行っています。
つまり、去年と同じように、年初から円高が進行するとみていいでしょう。参考までにアメリカ10年債の日足30もアップトレンドを描いており、金利は低下し、価格は上昇傾向の模様を描いております。
昨年から債券とドル円が相反する方向に動いていることからこれを証左する形になります。
昨年の年初は、日銀の「マイナス金利」や中国経済の不調から円高になりましたが、今回の場合はトランプ大統領の保護貿易と、ドル安政策になるような方向になると思います。
もちろん、アメリカの金利利上げを受けて1月の「日銀の政策決定会合」、為替や原油価格が思惑通りに行っていますので、春を見据えた政策変更をアナウンスメントする可能性もあり、要注意になります。
そして月末の9-12月期のアメリカ「GDP」速報値がトランプ政権のあしがかりになりますので、この数値は非常に重要になるでしょう。本当に4パーセントの成長にできるのか否かというところですが、「イエレン議長」が2019年まで年2-3回の政策金利を引き上げる予定と明言していることから可能でしょう。
日本側の政策は円安、エネルギー高が物価を押し上げ「GDP」は成長するでしょうが、その目標が1.5パーセント程度になると思われますのでアメリカとの格差は広がります。格差の拡大は円高要因になりますので、日本側からみても円高要因でしょう。
その前に2016年通年の「GDP」がマイナスにならないようにお祈りするほかありません。円高ですので、日米格差は余計に広がるでしょう。
つまり日本側の格差拡大を払しょくする手立ては、「GDP」等などの経済指標の見直しでしか円安方向にもっていくものがなく、そのほか年末のアメリカの利上げによって新興国は資金流出を招いていますから低成長からの「GDP」減額も考えられます。
しかし、中国は人民元安によって好調を維持していますので、その分はさっぴきゼロという計算も成り立ちます。円安に行くのには人為的な方法を取らざるを得ません。
株はどうなる?
株式市場、日経平均、ニューヨークダウ、S&P500などは日足の30がフラットになっています。
為替が円高方向を暗示しているので、油断は許しませんが年度末対策の年金等の買いには注意しなければなりませんね。こうやってみていくと方向性は去年とほとんど同じになります。
(この記事を書いた人:角野 實)