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昨年はイギリスのＥＵ離脱問題、アメリカ新大統領という不意撃ちの結果が多かったのですが、今年はどうなるのでしょうか？今年の展開を考えてまいりましょう。
今年の予定
ヨーロッパの選挙等が取りざたをされていますが、トランプ新大統領が言うようにこれがどちらに転ぶかはわからない。ユーロ離脱国が出るとトランプ氏が発言したことから余計なお世話的な発言が各国首脳から出ましたが、トランプ氏は移民口撃をして当選をしたことを考え合わせると決して的外れな指摘ではないと考えるべきです。
先のイギリス問題にしても、根幹の問題は移民です。難民を大規模に受け入れるユーロ諸国には、住民から難民の受け入れへの反発が強い、その扱いを間違えると政権転覆の憂き目にあうことが世界の潮流ということを見逃してはなりません。
この問題を軽視している国家は、傾くでしょう。他の予定は、毎年と同じです。年末で昨年は終わりますが、新年度のスタートは４月からになります。
つまり、今の時期というのは、昨年の秋くらいに決定した各国政府の予算が執行される時期になりますので、株価は堅調に推移をするというパターンになります。4月から新年度がスタートし、6月のサミットで今年の世界経済の方針が決定し、そして秋にそれに向けた各国政府の議会にてその承認を受けるというパターンは続くのです。
新大統領のアメリカ
これを書いているのは1/20の日本時間、朝になりますが、今からトランプ大統領の就任会見に注目が集まっています。ただ、前述した通り、アメリカは去年、サミットで決定した予算拡大を合意並みには決定しておらず、そのアメリカの予算の拡大は間違いなく国際合意なのでやるでしょう。
その場合、マーケットは10年間で100兆ドルの予想ですが、これが実際、どう実現されるかがカギになるでしょう。一部ではトランプ氏の暴言や前言を翻す発言が多いことから、その財政拡大をしないという見方もありますが、間違いなくやる、とみていいでしょう。
日柄からみてもイギリス問題、アメリカ新大統領誕生、就任会見という日柄は同列に並んでおり、はっきり申し上げてマーケットは爆発する可能性が非常に高いものです。
アメリカのドル高方針
アメリカは、先にトランプ氏が短期的にはドル相場は行き過ぎという発言がありましたが、長期的には財務長官が長期的に強いドルは非常に重要ということを発言をしましたので、これによって、為替取引の40パーセント以上のシェアを握るユーロドル相場のユーロ安がほぼ確定をしました。
つまり、ユーロは経済的にユーロ安によって安定するのか、それとも政治的な混乱によってユーロが不安定になるかが、現段階では分からない状態になります。
そして、忘れてはならないのはドル高になるのであれば、ＧＤＰ総額二位の中国人民元は人民元安になることです。実際、年末から人民元安は進行して、実際に中国経済は今年、再び上昇をすることになるでしょう。
ただ、長期的視野においては甚だ疑問符になります。世界を分割投資をするときに、アメリカ、中国が好調、ユーロが若干後退という構図になります。
中国が絶好調のときに南欧債務危機が起こり、中国がいろいろなユーロ諸国に出資している過去を見れば、ユーロが非常に弱くなる可能性は非常に強いと思います。
気になる日本円
先ず、1/20の会見以降、株式市場が好調になる可能性は非常に高いと思います。日本の株価にしても、昨年は中国経済、新興国市場の失速から大きく下押しをしましたが、中国経済の復活とともに株価が上昇をしてきています。
株に関しては心配はないと思いますが、為替に関してはよくわからないというのが実感なのでしょう。
あえていうのであれば、就任から100日間のトランプ大統領のハネムーン期間は円安なのかもしれませんが、アメリカの財政赤字が増えることを考えると長期的に円安というのは考えられなく、また日本円が割安バブルというのは全く解消されていない、砂上の楼閣の円安であることは絶対に忘れてはならないと思います。
（この記事を書いた人：角野 實）
