私がマーケットを始めたころ、一番、最初に習うテクニカルは移動平均のゴールデンクロスやデッドクロスになるのですが、今は、このゴールデンクロスやデッドクロスさえも知らないという投資家が過半になるのではないのでしょうか?
今回は、現在の相場環境を勘案して移動平均のゴールデンクロス、デッドクロスの話をさせていただければと思います。
週足30.60の移動平均線
上記の図はドル円「週足」30.60の移動平均線になります。みておわかりになると思いますが、今回の「アベノミクス」相場というのは、週足30.60のゴールデンクロスによってスタートしました。
その押し目は確認をすればおわかりになると思いますが、だいたい、移動平均30ないしは60までしか押し目を形成していません。もっというならば、2014年に30.60の移動平均が接近したことがありますが、これも日本銀行の追加緩和によって30.60がタッチもせずに上伸をしています。
移動平均の基本原理というのは分散と集合と考えれば。30.60で集合したのですから分散をすると考えれば、第二弾のスタートと考えることができます。そして昨年、今年の年初に見事に30.60がデッドクロスしたところから見事にダウントレンドを形成しています。
こうやってみていくと、みなさんはマーケット初心者のころ、移動平均のゴールデンクロス、デッドクロスなんて何にも役に立たないという認識の方がほとんどになると思いますが、こうやってみていただいて、いかがでしょうか?
見事にゴールデンクロス、デッドクロスはきちんとした線を選択をすれば機能するということがおわかりになったと思います。
今後の展開
実は101.2からの10パーセント増しの数字が111.3円になるというのは、いろいろなテクニカル分析から出される数字なのです。つまり、今回の上昇の節目は、きちんと上値目標を計算できる人にとっては第一関門の数字になるのです。
ですから一度、111.3に到達すると、押し目を形成します。二回目の関門というのは114.2くらいになります。今回、私は外してばかりになりますが、この円安のトレンドは行ってもここまでではないかな、と考えています。
とにかく、何度も申し上げるようにアメリカ側の事情も、日本の事情もドル安、円高に行くほかない「ファンダメンタルズ」だと思います。ただし、日本の株はテクニカル的には買いであって、売りではない、これが日本政府、財務省による買い支えであるなら壊れた時は怖いと思います。
そこで、外為市場もこの株の上値志向にお付き合いする可能性も否定はできない可能性も捨ててはいけないと思います。
話は逸れましたが、現在のドル円週足30.60の関係性をみると、先ず、30.60のかい離は最大幅になっていること、そして実態のローソクというのは、60を超えるかた超えないか否かのところにありますが、個人的には「60を頭に戻り売り」になるのではないか?と思っています。
そして移動平均の方向性は30はほぼ平行になっており、60は若干下がり気味になると思います。こういうときは先週の30.60の数字と今週の数字をきちんとみて正確な数字が必要になります。
観た感じだけではなくきちんと値をみたほうがいいと思います。この数字の差ですと、時間をかけると30は上向きになりますし、60もダウントレンドが時間をかけると平行になってしまうということがあります。
そうなると、簡単で、円高軌道に回帰をするのは時間を掛けてはいけないということはかんたんにわかります。個人的には111.3を取ってから時間がかかって円高に行っているとは感じますがきょう、明日まで見ようか、ということです。
時間がかかっても円高トレンドに戻らない場合は、114.2まで覚悟をして売り上がるということになります。こういう風に、私は相場観の組み立てを行っています。
(この記事を書いた人:角野 實)