今、これを書いているのは11/9 12時くらいになります。アメリカ大統領選挙の途中経過に一気一憂している方も多いと思います。
前回まで書いていたこと
前回までは、「長期的にドル円は70円を目指す展開になる」と記しました。その根拠はドル円レートは割安過ぎる状態であるから、と記しました。
ただ、年初120円台だったレートが100円割れを半年で示現してしまったので、このペースは行き過ぎだから大きく戻るであろうと予想はしていましたが、待てど暮らせど大きな戻りが示現せずやはり今年の基準値「105.3-105.40」を頂点に戻り売りの展開であろうという話をしていると思います。
参考までに戻り売り相場の特徴というのは、「リーマンショック」のときに経験をした方は多いと思いますが、戻りは非常に急速で一瞬にして逆指しのロスカット注文が入ることを知っている方も多いと思います。
戻り売り相場というのは戻るときは一気に戻り、下がるときはダラダラと下がるということになります。
今回の100円割れから切り返したときのスピードは非常に早かったので、戻りがあると判断したことの一因ですが、その戻りが値固めに入ってしまっていることから、はたして本当に戻りになるのであろうか、と思うことが一因にあります。
この値固めというのは、中段のモチアイか、本当に値固めをして押し目買い相場に転換をするのか注目点になるのです。ただし、この相場はドル円相場が割安過ぎるというのが基本路線なりますので、円高相場であろうという判断になります。
現在の値動き
現在は、共和党トランプ候補が優勢状態ですので、トランプ氏のことが嫌いでトランプ氏優勢と伝えられるとドル安、株安になるのではなくトランプ氏が大統領になることによってアメリカが稼ぐことができるということに不安があるから、トランプ氏優勢だと円高になるのです。
もっともクリントン氏も「TPP」に参加することに反対を表明していますので、投資家にとってはどちらが大統領になってもアメリカは稼げないと認識をしているのです。
ただ、トランプ氏に関してはアメリカがどうやって国力を増していくという具体的な経済政策を全く語れないからクリントン氏よりも酷いという評価なのだけです。
つまり全世界の投資家は、どちらが大統領になっても経済政策はよくないと判断をしているだけの話であって、この選挙後にクリントン氏が大統領になっても、「TPP」に反対を表明している限りそれほど大きくアメリカの国力が回復できないだろうと読んでいるというのが今回の大統領選挙のキモです。
もちろん、クリントン氏が大統領選挙後に再び、「TPP」に参加表明することは経済を少し知っている彼女は、そするだろうと投資家は判断をしているのです。
つまりマーケットは「クリントン氏が大統領になれば、トランプよりもましと判断し、トランプ氏が大統領になった場合は最悪」というのが現時点でのマーケットのセンチメントになります。
選挙後にリスクオン相場の根拠などないでしょう!
選挙後には「もしトラリスク」が解消をして円安、株高相場になることを想定しているのが日本市場センチメントになりますが、上記の説明をみてどうお思いになりますか?
※「もしトラリスク」:もしもトランプが大統領になったときのリスク
(この記事を書いた人:角野 實)