10月13日に、ストリーム(東証マザーズ市場上場)の株価に関して「相場操縦」を行ったとして強制調査が開始されました。このことからわかるように、相場操縦は違法です。
このニュースを見ていたFXトレーダーの中には、「ロスカット狩りはOKなの?」、と思った方がおられるかもしれません。ロスカット狩りと(株式市場における)相場操縦を比較してみましょう。
ロスカット狩りとは
まず、ロスカット狩りについて簡単に説明しておきます。FX取引では、証拠金がすべて吹き飛ぶ、などということができるだけ起こらないよう、強制ロスカットと呼ばれる仕組みがあります。
これは、相場が急変した際などに、強制的に損失を確定させる(損切りする)ことによって、損失の拡大を最小限に食い止めるための仕組みです。
この仕組みを逆手にとって、多くの売り注文や買い注文を短時間の間に出し、ロスカットされるトレーダーを多数出して、その後の相場の戻りを利用して利益を上げるのがロスカット狩りです。
祝日で市場への参加者が少ないタイミングや、重要指標の発表前後で市場が神経質になっているタイミングなどでロスカット狩りが行われることが多いです。
相場操縦とロスカット狩りはどう違う?
ロスカット狩りでは、大量の注文を浴びせることによって、相場を意図した方向に向かわせます。この点では、株式市場における相場操縦と同じように思えます。ただ、明確な違いがあります。
ロスカット狩りは違法ではありません。実際にFX取引ではロスカット狩りによって利益を得ているトレーダーがいますが、問題ありません。
いっぽう、相場操縦は今回のストリームの例からもわかる通り、違法です。FXでロスカット狩りにあったことがある人は悔しいかもしれませんが、ルール違反ではないので受け入れるようにしましょう。
FXはルールが寛容なのか
ロスカット狩りが認められていることを考えると、FXはルールが比較的緩やかであることがわかります。ルールが厳しくないだけあって、大きな損失を被る羽目になることがあり得るのです。
悔しさを晴らそうとしても、大口のトレーダーを強制ロスカットに追い込むことも自力では不可能です。では、ロスカット狩りへの対処法としては被害に遭わないようにするしかないのか、と言えば、そうではありません。
小口トレーダーでもロスカット狩りから恩恵を受けられるチャンスはありますよ。ロスカット狩りが起こる際には、相場が意図的に急変されます。
この兆候を速やかにつかむことが大切です。普段から経済ニュース速報などをしっかりキャッチしておき、報道に基づく相場急変なのか、ロスカット狩りによる急変なのかを瞬時に判断できる態勢を整えておきましょう。
こうすることで、ロスカット狩りがスタートした時点で、大口トレーダーと同じポジションを持つことができます。そして、事前に注文を出したままになっているトレーダーがロスカット狩りの被害に遭っているのを横目で見ながら、大口トレーダーとともに利益をゲットしてみましょう。
ロスカット狩りは一度やられると仕返しをしたくなりますが、大口トレーダーに反撃することはほぼ不可能です。そのため、「長い物には巻かれよ」の発想で、大口トレーダーとともに利益を狙ってみてくださいね。
FXの特徴を理解しておこう
FXは、いい意味で言えばルールがわかりやすく、悪い意味で言えばルールが緩すぎるように感じます。厳しいルールを好むなら、FXは適していないといえるでしょう。
ただ、ルールが緩やかなだけに、うまくグレーゾーンを活用できれば利益を上げられる可能性が出てきます。大口投資家と勝負したい、といったこだわりを捨て、自分がどうすれば利益を上げられるのかを冷静に判断しましょう。