さて、前回、NYダウはおそらく今後も安いであろうということをふれました。急落して、急騰した、そして今も下落中ということになります。この最初の急落に関してはアメリカの利上げ云々は無理筋な話です。
もし、本当にアメリカの利上げを背景としたのであれば債券相場は一緒に下落しはいはずで債券相場は下落、金利は上昇となっています。
つまりこの一連の市場の動きをみると、違う要因でアメリカの株は下落したと判断しているのに、なぜかアメリカの利上げのうわさによって下落をしたと思われています。
そして、また今日は一転、アメリカの利上げがないということでも株式相場は売られているということは、アメリカの利上げ云々で今、相場が動いていないことは確かです。
たしかに9/20、9/21の日米の金融政策決定会合を前に神経質な動き、つまり私にはわけのわからない動きなことは確かなのですが、手を出しづらい場面であることは確かです。
「ファンダメンタルズ」的には、アメリカの株買い、そしてドル買いは長期では正解なような気がしますが、目先は要注意と思っています。
どうなる9/20、9/21
何度もお伝えしているように、この金融政策決定会合では日米、どちらの当局者も動かないと私は考えています。
その根拠は「ECB」が動かなかったということが一番の根拠、今回の「ECB」の政策決定前後にはイタリーの金融機関、信用不安問題があったことは確実に知っていてもその震源地である「ECB」が何の行動も起こさなかったのに、日米が動くわけがないということです。
では、今回の急落というのはなんで起こったのか?ということが焦点になるのですが、私にもさっぱりわかりません。
ただひとつ言えることは、あのエキセントリックの二名の連銀総裁が利上げを主張してもそもそも普段からエキセントリックなことしか言わない人の発言をまともにマーケットが取り上げることはないのです。
しかも、深夜に日本経済新聞が「マイナス金利」を拡大することを報道することによって、ドル円相場が円安方向に進むって、何もかもがおかしいわけであって、日本のマスコミのレベルが低いことを改めて証明しています。
「マイナス金利」拡大というのは「円高方向の材料であって間違いなく円安なんかにはならない」ということです。整理しておくと今月に起こりそうな事象は、
① ヨーロッパの信用不安
② 日米の金融政策は動かない
③ 先進国、G20の財政出動
この三点として「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」を結び付けていきたいと思います。
テクニカルはどうなの?
上記はドル円日足に移動平均10を張りつけたものです。いままで10に沿って動いてきたのは観察すれば誰でもわかることです。
今、日足10に沿って動いていたのがここ1週間ほど10の下に実際のローソクが潜っています。
「つまり今後は円高になる」ということです。私のテクニカル分析なんてこれで終了なのです。ですから目先、円高にいくようなポジションを作るということだけなのです。
まとめ
円高にいくということは上記①②が起こる可能性があるということになります。
③はそれが起こるか、起こる前に出動するのです。「G7」、「G20」の議長国は日本と中国になるのですから、この二カ国が先頭を走って決定をしなければいけないのですが、日本は通常国会が9月の下旬からまだ開かれてもいない状態です。
中国のシステムはよくわかりません。つまり議長国が世界の先頭を切って財政出動をしなければいけないのに、補正予算が国会も開いていないのに成立するわけがないですよね。
当たり前の話です。ですから、テクニカルを優先して今後、ドル安、円高方向にアメリカの株や日本の株も補正予算成立後に上伸すると思えばいいのですから、売りですよね。それだけの話です。
(この記事を書いた人:角野 實)