さて、例年通りの夏の夏枯れ相場もそろそろ終焉になりますが、夏枯れ相場はもうお盆明けには終了をして円安基調に戻りつつあります。ただ、私からすれば少しペースが早いのであって、このペースではいかないであろうとは考えています。
おそらく休み明けの「ショートカバー」が断続的に入っている状況で、下がれば売りヘッジのポジションやプットオプションの解消が始まっているのだと思います。
しかし、日経平均の手口をみると、一体、だれがこの相場を買っているのだろうと甚だ疑問に思います。「GPIF」も先日、赤字を発表してまだ買い進み、日本経済は物価安で今後、かなり下振れする可能性がほぼ100パーセントの状況で何か頭がおかしいのではないか、と思うのです。
年金など当てにしないでせっせと蓄財に励むほかないよな、と思うのです。
ドル円月足
上記は、ドル円の月足になります誰もがわかるように、100円台を3回試して、三尊天井や仏の顔も三度までの格言、慣用句にもあるように、だいたい安値を三回試せば上振れするのが当然のことでしょう。
この数字の3というのは人間の心理に即しており、なんでも3回やれば反転するのが自然の法則でもあります。
もっというなれば、フラクタル係数であって、もっといえば、星座の移動ということもあると思います。とにかく、来月は円安方向に反転する可能性が高いというのは誰でもわかると思います。
ドル円、ポンド円、オージー円、4時間足の比較
上記はドル年、ポンド円、オージー円の比較になりますが、これをみるとポンド円などはきれいな上昇トレンドを描いており、オージーも同様なことになります。
「ファンダメンタルズ」的にみると、ポンドはイギリス離脱問題で離脱は決定しましたが、具体的には何も決まっていません。具体的には離脱の時期や、移民の受け入れ態勢、ユーロ加盟金解除からくる財政負担の軽減等、何も決まっていません。
しかも、今度の首相メイさんは中国離れを加速させようとしています。これは大変喜ばしいニュースで人の弱みに付け込んで経済援助をする中国にやっとイギリスも愛想を尽かし始めたか、ということです。
あまりにも自分勝手な行動には誰もが中国は信用できない、とやっと気付き始めたのか、と思います。そもそもイギリス離脱決定はしましたが、何も決まっていない状態で売られるのは、「ファンダメンタルズ」的には何の説得力もなく、以前に私はポンドドルの基準値は1.31くらいでしょうといった水準に今は落ち着いていますが、株価同様、ポンドも以前の水準まで買われないといけません。
オージーやユーロもクロス円に関してはドル円よりはきれいな上昇をしていますが、オージーは年内には確実にアメリカが利上げをしてくるによって予想されるレパトリ、資金回帰によってまた下がるのは見え見えの状態で長期の投資に向くはずもありません。
ユーロはやはりイギリス離脱によって甚大な影響を受けるのはユーロになります。相変わらずドイツは、不安定な動きになり、フランスは元職が大統領に復帰する可能性があり、国内の政治でゴタゴタすることでしょう。
こういう状態ではユーロ、オージー等には投資はできないと思います。ですから、オージー、ユーロには投資は長期ではできないというのが現時点での認識で今後はポンドが前値まで戻るまでは堅いというのが個人的な見方です。
ただ、ドル円も「マイナス金利」が拡大した場合、資金需要が旺盛になります。2000年代に始まった円の「キャリー取引」によって円安の幅は拡大する可能性もありますが、これは不確定なことになります。しかし、ジャクソンホールでの黒田さんの発言を踏襲すれば間違いなくやるでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)