前回は、日本銀行、クロダ氏のジャクソンホールでの発言に注目すべし、と書いたアナリストのことを酷評しましたが、訂正をいたしたいと思います。
ちゃんと、もう次に何をやるか、クロダ氏お話を現地でしております。私はクロダ氏のことすきでもないですし、興味もないのでNHKニュースで報道された一言を書いておきたいと思います。
「マイナス金利はまだ拡大の余地がある」と。要するにまだ円高政策を続けますと、宣言したに等しいわけです。何もわかっていないアナリストは金利差拡大によって円安方向が確定なんてアホなことを言い始めると思うのですが「マイナス金利」は円安政策ではなく、円高政策です。
そんなことを「財務省」や日銀の官僚などがわかっていて当たり前の話で、わからないほうがおかしいのです。
補正予算は28兆円程度
以前に補正予算が組まれる前に私は今回の補正の予算はマックスで20兆円程度、その予想を超えて28兆円と安倍さんが明言をしました。この20兆円というのは、どういう根拠かといえば、簡単な話、「無い袖は振れない」ということであって、20兆円以上の予算は組むのが無理なのです。
だから、残り8兆円の財源がないのに、予算を組んだら、誰でもアホということになります。つまり、その前に黒田さんと会談を重ねていて、補正予算でその超過分を日本銀行がどこまで受けてくれるかの相談をしていただけの話です。
日本銀行としても、返済能力の見込みのないお金は引き受けることは先ずありえませんので、政府の返済能力や格付け会社の格付け基準等をチェックをしてその格付けが下がらない程度の金額が8兆円なのです。
「アベノミクス」スタート時、日本銀行は2年で300兆円、つまり月々にすれば毎月、12兆円の緩和を実施しました。今回は2016年度になるのですから、仮に10月からスタートして3月まで8兆円の緩和を引き受ければ毎月は1.3兆円程度です。
これでは市場の反応は全くネガティブに反応しますよね。「アベノミクス」スタート時よりも1/10の緩和額なのですから。
クロダの次なる一手
ですから、これだと「円高、株安」が進行しますので、大きな「マイナス金利」を導入しようとしているのが、クロダの次なる一手です。ま、はっきりいえば、バカにつける薬はない、ということであって、月々1兆円程度では、7月に発表した緩和策よりも小規模になります。
だから、多少の色をつけて発表はすると思いますが、あったとしても月々3兆円が限度です。だったら「マイナス金利」でインパクトを出そうというのうが見え見えです。
もともと、預けているだけでも銀行は金利を取られるのですから預けるわけもなく、要するに日本銀行の当座預金から預金が流出するだけの話です。
市井に融資案件が頻繁に出てくる訳でもなく、ただ、単に、銀行が資本を丸抱えするだけの話で景気はますます悪化です。おまけに「マイナス金利」1パーセントになんかしたら「ハイパー円高」になります。
アホの一言につきます。でも国際的に緩和をするから、その期待で円安を見込んでいるのでしょうか?もしくは日本の「金融緩和」が相対的に一番多いのなら円安に行く可能性もありますが、28兆円で、、、アホかということになります。
ドルベースでは0.28兆ドルですよ。あほらしくて話になりません。今回は日本銀行に期待が集まっていますが、そもそも期待なんか最初からしないほうがましなようです。
(この記事を書いた人:角野 實)