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今年はオリンピックイヤーで、ブラジルのリオで開催されました。古くはギリシャアテネで開催され、その後のギリシャはどうなったのか、シドニーは毎年のように異常気象、中国、北京の迷走ぶりは明白、ロンドンはイギリス離脱問題、今回リオ、ま、どうなるのでしょうかね。
そして日本、東京と続きます。今回は「アノマリー」、説明のできない相場循環についてお話をしていきたいと思います。
アメリカ大統領選挙の年はドル高
毎回、毎回、アメリカ大統領選挙のときは、しっているふりをしている連中がドル高、ドル高と騒ぎます。私のコラムを読んでいる方々にはおわかりだと思いますが、ドル高になるということは、商品価格が暴落をすることを意味します。
実際、今年の商品市況は低調になるのですが、これだけ世界的に「金融緩和」を行ったのですから、お金に変わる投資主体として株価、不動産、商品等は暴騰するのがセオリーですが、暴騰どころか低調な商いに終始しています。
つまり、既存の経済学のセオリーなんて何の役にも立たない。アメリカ大統領選挙のときに、ドル高になるというセオリーなど何の役に立たないということになります。
アメリカ、「オバマ大統領」は歴代の大統領の中でも群を抜いた功績を残しており、たとえば国民皆保険や再生エネルギーなどあげれば枚挙にいとまがない限りです。
もちろん、支持率は就任当初よりは下がっていますが、でも歴代の大統領よりは政権末期とはいえ、多くの支持者を集めています。通常は、政権末期になると、その政権がレームダック化をして大統領が何を言おうとも世界やアメリカが言うことを聞かないという状態に陥ります。
そこで、新大統領登場の期待から秋から買われて、大統領選挙の年はドル買いといわれる所以です。
今回の大統領選挙、クリントン、トランプどちらが勝ってもオバマ以上の功績を残す可能性は非常に少なく、女性初の大統領のクリントンがなる可能性は高いと思いますが、所詮、中国から賄賂をもらっている政治家など期待しようもありません。
要するに、大統領選挙の年にドル高になるのは、政権がレームダック化をしていることが前提条件であることを忘れてはなりません。みなさん、そういった法則が大好きなのですが、前提条件が抜け落ちてしまっているのです。
オリンピック開催国はその後、不景気になる
オリンピックが世界的なビックイベントであることは、間違いないことですよね。４年に一度の開催ですから、現代社会では１年で結果を残す考えが主流になっている中、サッカーやオリンピックなどは本当に希有なイベントになると思います。
つまりオリンピック開催前から、その国が大きく景況感が改善され、世界中からマネーが集まるということが基本的な背景です。そのマネーを上手に利用するのが各国政府の本質になると思います。間違いなくブラジル政府というのは、上手にそのマネーを利用できない部類になります。
なぜなら、日本のような徴税制度が機能しておらず、オリンピックイヤーで儲けた投資家から上手く徴税ができないのです。つまり、今でも財政危機のブラジル政府は、今後もさらに「財政危機に陥る」のが明白なのです。何が起こるのでしょうか？
個人的にはアルゼンチンの債務不履行のような状態にはなりますよね。そうなるとトルコを筆頭とした中東、そして南米、アジア等の新興国も全くダメというのはよくわかることです。
とどめはアメリカの利上げで、アメリカ利上げ後にブラジル国債が「ジャンク債」扱いになったことを忘れてはなりません。
たとえば、これから秋にかけての、秋に株やマーケットを買い、春に売るという「アノマリー」は、要するに政策発動が前提条件です。
欧州はイギリス問題のゴタゴタから、アメリカは新大統領二名とも「財政出動」を主張しています。つまりこの秋の世界的な財政出動は確定的だと考えます。
注意すべきなのは、それを覆すような、事件が起こらないことです。事件は、今年の年初に申し上げた通り、今では北朝鮮が一番暴れていますが、結局これは、アメリカが世界の警察を放棄していることからくることです。
新年を迎えて新大統領を迎えたときに北朝鮮がまた暴れるのでしょうか、その可能性を考えてみてください。尖閣や南シナ海にしても同じです。
（この記事を書いた人：角野 實）
