「インベスターZ」は中学生が主人公の投資マンガです。道塾学園という、投資部の利益によって成り立っている中高一貫校が舞台で、投資部に所属する主人公の財前孝史(中学1年生)が株式投資やFXなど様々な投資に挑みます。
最初は株式投資を行うのですが、この投資マンガの途中では、財前孝史がFX対決に参加する場面があります。この場面を踏まえながら、FX取引について理解を深めていきましょう。
FX対決が行われる
引用:インベスターZ
まずはFX対決の内容を確認します。FX対決では元本の1億円を1か月間でいくらまで増やせるかの勝負が行われます。勝負の相手、藤田慎司はFX取引で大きな利益を上げている高校生。
それに対して財前孝史はFXのド素人です。ただし、財前は投資部という道塾の学年トップ生6名で構成される部活に所属しており、先輩たちからFXについて指南を受けながら、対決に臨みます。
円高や円安について理解するレベルからFXをスタートしましたが、最終的に財前孝史はFX勝負に勝利しました。しかし勝負の過程で、FXでやってはいけない禁忌をいくつか犯しています。
財前孝史の問題点
引用:インベスターZ
財前孝史のFX取引の問題点はまず、初期段階で「レバレッジを高くしすぎたこと」です。
レバレッジを高くしすぎて大損失を出した経験が、のちにトラウマとなって決済の判断力を鈍らせることとなりました。FX取引は秒単位で損益に大きな差が生まれます。
したがって、一瞬の迷いもなく決済ボタンが押せることが重要です。未熟な段階でハイレバレッジ取引を行い、大損失を出すと後々の取引に支障が出かねません。
はじめは「1倍~5倍程度」の低めのレバレッジで利益を積み上げ、徐々にレバレッジを引き上げていくのが理想です。また、FX勝負の最終局面において財前孝史は大きな賭けに出ました。レバレッジを大幅に引き上げたうえで、資金を全額投入したのです。
結果的に財前の賭けは成功し、勝負に勝つことができました。しかし、勝負が終了した直後、しばらく画面から目を離しているスキに相場が急変し、利益が吹き飛ぶどころか、大きな損失を被ることになりました。
FX取引で利益額を他人と勝負する人はまれかと思いますが、自分なりの目標額を設定することはごく一般的です。
目標に到達しようとするあまり、無理をして過度なレバレッジをかけすぎないように注意しましょう。また、比較的高いレバレッジで勝負をする場合は、一瞬たりとも油断しないように心がけてください。
平常心を保つ訓練を
為替レートは時としてジェットコースターのような動きを見せます。これに対して、心理状態もジェットコースターになっているようでは取引が失敗する可能性が高いです。
どのような局面でも平常心が保てるよう、日ごろからトレーニングしておきましょう。また、FX取引で大きな金額を扱う場合でも、あくまでもゲーム感覚で取り組むと良いかもしれません。
ゲーム内の資金が底をついたからといって、現実世界で明日の食事に困ることはありません。
これくらいの気楽な感覚で取引に臨めば、過度なストレスに苦しめられることもなく、冷静な取引ができるのではないかと思います。
十分なメンタルトレーニングが必須
FX取引には十分なメンタルトレーニングが求められます。インベスターzでも中学1年生の年齢でFX経験がない財前孝史がFXに取り組んだことによって、結果的に大きな損失を出してしまいました。
この記事を読んでいる人の中に中学生はほとんどいないかと思いますので、人生経験の点からいえば問題ないでしょう。しかし、FX経験については初心者の方もおられると思います。
人生で経験したことがないくらいの利益を手にできる可能性がある一方で、借金地獄に落ちるリスクもあるのがFXです。自分がどのような局面でもぶれない取引ができるよう、十分なメンタルトレーニングを心がけましょう。