イングランド銀行「BOE」の金融政策決定会合の発表が8/4の20時にあります。
大方の予想ではこの「政策金利」を0.25pt引き下げて、0.25ptにするというものなのですが、この予想をしている方というのは一体、誰なのか?と不思議に思います。
また「リーマンショック」直後から続けている資産買入れプログラム、これは「日本銀行」でいう異次元緩和、アメリカで言う「QE」に相当するものになりますが、これは据え置きということには誰も異論はないと思います。
イギリスのEU離脱は・・
6月の国民投票によってイギリスに失望をしたのは、私だけではなく、多くの読者のみなさんも同じ意見だと思います。
その国民投票の選択理由の大半が「移民によって自分たちが食えないから」という日本では軽蔑されるような理由で投票したからに他ならないからだと思います。
食えなくても、他人に迷惑をかけることは許されない行為であり、それが世界の倫理、道徳と思います。公然と国民の決定で「自分が食えない」という理由で離脱に賛成するというのはなんだか間違っているような気がします。
イギリス経済は好調?!
ただ、イギリス経済は今後も順調であることは間違いなく、その根拠というのはイギリス経済の貿易相手国としてはユーロも多いのですが、それ以上に「中国」も多いということになります。
また、四方を海に囲まれ、どこの海にも出ていけるというのがかつて大英帝国という栄華を築いたイギリスの礎でもあります。
参考までに中国が国際法を犯してで南シナ海に出て行くのは海があると交易が増え、それによって経済も発展するという理由なのです。
ですからイギリスはEUを離脱することによって、ユーロ圏との貿易は大幅に減少はするでしょうが、日本のように自由貿易協定を世界各国と結ぶことができれば、まだまだ経済の発展余地はあります。
その上、不動産バブルの崩落も懸念をされていますが、結局、下落の余地をロシアが買うという構図になっており、不動産ファンドの解約殺到のニュース等が流れましたが、需給は大幅に当初より改善していますのでバブル崩壊の懸念もないでしょう。
その上、アメリカが人口減少によってここ30年ばかり低迷をしましたが、人口構成比が明らかに変わった現在好調を取り戻しています。この背景にはやはり「シェール革命」という燃料、エネルギー革命が大きく背景と存在します。
このエネルギー革命によって大きく生活コストが下がり、家計における可処分所得が増えたことが大きな要因な一つになります。
イギリスも同様で、移民によって少子高齢化に歯止めがかかり、現状では移民が社会保障を満額受け取り、その上、イギリス人の仕事まで奪うという脅威以外、何者でもない移民ですが将来は国家の基盤を為す国民として生活するのが当然になってきますから、当然、人口構成比も変わってくるわけです。
日本のように移民を認めず、日本人の人口構成比を変えようとしても社会インフラがあまりにも未熟過ぎ、幼稚園、保育園一つ作るのにしても、反対運動によってできないという笑止の現象には頭がおかしいのではないか、と感じます。
つまり、人口構成にしてもイギリスは有望であり、そのうえ、以前にもご紹介したように北海油田はすでにその埋蔵量に限界が見えていますが、ヒースロー空港近くで見つかった油田はイギリスを立派な資源国家に替えることでしょう。
株価インデックスは買い?!
イギリスの代表的な株価インデックス、FTSE100は、目先は押し目を形成するかもしれませんがおそらく押し目は全て買われるような形になっています。
つまり冒頭のように、金利を引き下げて経済を引き下げる必要は全くない状態であって、この状態で金利を引き下げる必要性など経済学的見地からは全くないのです。
道徳とか倫理の面ではもちろん、引き下げるべきだと思いますが、この考えと、経済は全く相容れないものですので、当然、現状維持が当たり前の決断となります。
むしろ今、警戒するのは金利の引き上げであって、引き下げではないと思います。もちろん、この夏にはそんなことにはならないでしょうが、秋以降は十分にあり得ると思います。
この状態であるならば
オージーなどの高金利通貨、新興地域の通貨も狙い目なのでしょうが、現状で株価が離脱以前の水準異常に推移している現状をみれば、ひとまずはポンドドルも、1.5レベルまでの水準まで戻るのも早いと思います。
問題は、ユーロやドルなどのレパトリがどのくらいの量が存在するのか、ということ。そして、問題が起こったときのイギリス人のメンタリティーが全く信用できないことだと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)