そして、いま、安倍内閣は伊勢志摩サミットの合意に基づき補正予算を組んでいますが、その予想は上限が20兆円ということを以前書いたと思いますが、予想を上回る28兆円ということでマーケットは一時的に円安にふれました。
補正予算の規模からの適正レートの類推
日本の「GDP」が500兆円とします。いまは、確か520兆円程度あると思いますが、ここでは便宜上500兆円としておきます。
補正予算、28兆円はGDPが500兆円とすると約5.6パーセントになります。そうなると直近の安値が100円とすれば、補正予算の押し上げ効果は、単純計算で、105.6が適正のレートになります。
しかし、GDP520兆円とすれば、補正予算28兆円に対しての適正レートは105.3くらいが適正レートになります。そして、直近の安値を99円とすればその適正レートは104.2くらいになります。
最近の安値は104.6くらいになりますよね。そして直近の高値というのは107.4くらいになりますが、今年の基準値は106.6-107.4というのは今年の5月くらいに示した通りになりますのでこの高値は整合性があります。
この今年の基準値の106.6-107.4のスプレッドが0.8円になりますので、そこから0.8円を削って行く値段を考えていきます。107.4、106.6、105.8、105.0、104.2になります。
この上記の数字を自分のチャートに引いてみると私の言っている意味がなんとなくわかってきます。
通常のこのサポートラインという横線は107円くらいが基準値であれば0.53円程度でどこで値段が折り返すかの基準線、横線を引いていくのですが、今年の場合は0.8円刻みで引いていくのです。
通常は0.53円毎に引いていくのですが、今年は0.8円ということは、今年は通常の年よりも動くということになるのは誰でもわかる話になると思います。
本日の日銀発表は何もなし、と予想
こんなものは報道をみても私を信じて戴ける方も同様だと思いますが、なんかやっているかも?という姿勢はあるかもしれませんが「量的緩和」も「マイナス金利」拡大もない、と個人的には思います。
一番肝心なのは月末のアメリカ四半期GDP
私のコラムをよく読んでいる方は「GDP」がFXにとってどれほど重要なものなのかをよく存じ上げていると思います。
この数字、2パーセント後半と予想するアメリカのシンクタンクが圧倒的ですが、実際に発表される数字は2パーセント前半であろうと個人的には考えています。
ドル円レートなんですから「アメリカGDP÷日本GDP」で算出されるのですから、アメリカのGDP成長が2.2だとして日本が4-6期が1としましょうか。
そうなると、今後、2.2パーセントドル円が上昇すると考えられます。そうなると、基準値の半分の値段、107円を基準とすると、そこから2.2パーセント伸びる数字というのは、110.1円くらいになると予想できます。
しかしこれを金利差で計算をするとアメリカ0.25で、日本-0.25ですから出る答えは必ず「マイナス1」になります。つまり、金利差では必ずドル円相場は円高になるのです。
つまり、次のレンジというのは2.2パーセントから金利分のマイナス1を引いたもので今度は1パーセント上のレンジに来ると予想できます。
107円の1パーセント上は、108.1円くらいですので「レンジは107.7から108.5になって高値は110円」と予想できます。「マイナス金利」は通貨高政策という意味は上記の説明で、よくおわかりになるかと思います。
もっと肝心なこと
日本の補正予算の発表は、議長国だからです。他の国は9月の新年度入りで議会が招集されてその経済対策が発表されるのです。
つまり、日本の経済対策は予想よりも多いけど、世界規模の対策が発表される9月以降はさらに世界経済は発展するということになります。
つまり目先はどうみても円高にいくようにしか見えませんが、何れ円安になるということになると思います。日本の介入当局の狙いというのはアメリカ「GDP」が7/29になりますから今度は8/1から本格的に参戦と考えるということに個人的には作戦を変更しようと思います。
今日のテクニカルなぞ通常感覚では円高、でもよく考えると一層にわからないという状態です。
(この記事を書いた人:角野 實)