祝日で市場が休場になるとどうなるか会社に休みがあるように、市場にも休みがあります。普段から、土曜日や日曜日に市場が閉まるほか、祝日がやってくると休場日が増えるのです。
休場になるといっても祝日は国ごとに異なるため、一部の市場だけが休みになる日も多くあります。
祝日で休場となる市場があれば、相場の動きも普段と異なることが考えられます。そこで祝日が相場にどう影響を与えるのかを把握しておきましょう。
相場参加者が減り閑散相場に
祝日になり、市場が閉まっているタイミングでは、相場の参加者が通常よりも少なくなります。
取引量が減少する閑散相場の状態です。取引が低調になることを踏まえて、祝日ではない国や地域のトレーダーも取引を控えることがあります。
こうした動きは、さらに「閑散相場」に拍車をかけることになります。また、そもそも欧米の夜間に当たる時間帯のアジア・オセアニア市場は、取引量が少なくなる傾向があります。
そのため、祝日のアジア・オセアニア市場は極端な閑散相場になることがあると理解しておきましょう。
最近では、7月18日の海の日(日本の祝日)において、東京市場はクローズしていましたが、オセアニア市場は開いていました。こうしたケースで閑散相場になることが多いです。
特に相場が閑散となる祝日とは?
では、特に相場が閑散となる祝日には何があるのかを見てみましょう。
閑散相場を作り出す祝日を考える際は、普段の為替市場においてどの国のトレーダーが積極的に取引しているかを把握することが必要です。為替市場で活発な動きをしているのは、やはり「基軸通貨」であるドルを自国通貨とするアメリカです。
そのため、アメリカが祝日になると、閑散相場が生みだされる可能性が高くなります。アメリカの祝日として代表的なのが独立記念日です。独立記念日は7月4日です。この日はアメリカが祝日となりニューヨーク市場が閉まっています。
したがって、ニューヨークの相場終値を見ながら東京で取引をスタートすることはできません。日本時間の日中にFX取引をするなら、独立記念日の翌日(7月5日)の相場の動きには特に注意しておきましょう。
閑散相場の注意点
閑散相場では、レートの急変に注意が必要です。最近の為替市場は取引量が膨大になり、一国が単独で「為替介入」を行おうとしてもなかなか成功しないくらいの状況です。
ところが、閑散相場では機関投資家などの投機的な動きによって相場が大きく変動することがあります。こうした変動は一時的なものですが、ロスカットが発動され、大きな損失を被る可能性もあります。
閑散相場になることがあらかじめわかっている局面では、レバレッジを低めに設定するなどの対策をとっておく必要があります。
日本で生活していると日本の祝日を意識する反面、海外の祝日を見落としがちになります。
海外、とりわけ相場参加者が多いアメリカ合衆国の祝日については、カレンダーに印をつけるなどして注意しておくことが望ましいのではないでしょうか。
祝日には取引を控えるのも一案
FX取引に楽しみながら取り組んでいるトレーダーの方も多いかと思いますが、あまりに取引をしすぎると、どうしても集中力が低下して勝率が下がってしまいます。
そのため、閑散相場になる祝日前後には思いきって取引を控えてみるのも一案です。もちろん、市場が閉まっていれば取引はできませんが、祝日で休場となる市場の前後の市場では取引が可能です。
こうした市場で取引することは控え、日本の休日のみならず、欧米の休日もトレーダー業が休みの日と認識してみてはいかがでしょうか。
取引を控えている間にチャート分析の勉強をしたり、FX取引以外の投資戦略について検討を重ねたりすれば、新たな利益を狙ったり、分散投資ポートフォリオを組んだりすることができますよ。