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結論からいうと、今年のドル円の基準値は、あくまでも個人的な設定になるのですが、106.60円から107.40円くらいの間であろうと思います。あくまでもこれを基準にマーケットを考えていけば、大きな間違いはないであろうと思います。
あくまでも個人的な経験上の話であって間違いはあるとは思いますが・・・ただ、今年の基準値の本当の値というのは「「70円」であってそれをいろいろマーケットのセオリーを当てはめていくとそんなものになるであろうということになります。
つまり、この106-107円より円安の水準にいくことはないであろうということになります。
この例外というのは政策になって、たとえば伊勢志摩サミット後に安倍さんが消費増税再延期を発表した直後、直近の安値109.1から２パーセント上昇した111.35くらいまで上昇したように、増税分の円が売られたところで止まったように政策によってこの値は変化することになると思います。
そのために前回アノマリーの話をした？！
「５月には株を手仕舞いして寝てなさい」というのは株式の世界では有名な金言になりますが、それはグローバル化が進んだ世界経済は為替もそのご多分にもれず、かなり関係性が強くなっていますので意識をしてもいいと思います。
その理由はサミットで世界経済の政策合意があるからになります。その政策発動が夏休み明けから各国の国会で審議して成立するのが秋、その政策が終了するのが春なので株は秋に買って、春に売れという「アノマリー」が成立するのです。
そして５月にまたサミットでまた同じことの繰り返しになるのです。と、個人的には思っています。
今後の展望
先ず、一番、このドル円の106円程度の基準値というのは相場のセオリーでは上限いっぱいの数字であって通常というよりも、世界の常識から、統計学的にいえば、この106円という数字は標準偏差の範囲に収まっている数字であって、この数字以上に円安にいくことは異常な世界、つまり非均衡状態に入るのですが、108円程度というのは非均衡の中でも非常に非均衡なことなのです。
つまり、統計学的には「リーマンショック」の大暴落よりも非均衡状態になるのです。参考までに「リーマンショック」の暴落というのは、通常範囲の非均衡状態の上限から非均衡状態の下限までたたき売られたので大暴落になったのです。率にすれば60パーセントの暴落になるのです。
この60という数字は議論が相当分かれるところになりますが、私基準ですので悪しからず。今回はその通常の非均衡状態の上限を上回って、円安になるという主張する学者や専門家は何をもって円安になるというのか、バカの理論をよくみてみたいと思います。
たとえば政策の発動にしてもそもそもこのドル円の基準値が上限いっぱいなのに、そこから発動して何の効果があるのか、ということになります。
もし、このことを日銀が理解していたとしたら量的緩和によって円安に持ち込むという政策は間違いなく出してこないと思います。出すのは今回も「マイナス金利」だけなのですが、「マイナス金利」というのは機会があれば説明しますが円高政策であって、この政策によって円安になることは間違いなくありません。
このことは黒田さんが一番理解していることなので、マイナス金利を出したことで円安にしようという気持ちがない、というのがよくわかると思います。かんたんにいうと、マイナスに何の数字を掛けても答えは必ずマイナスになるという小学校か中学校で学習することと一緒なのです。
ですから量的緩和、原油価格は今後、高騰すると思いますが、日銀は量的緩和を行わないと思います。話が散らかっていますが、要するに今のドル円の水準というのは「たぶん」円安めいっぱいの水準ということになるであろうという話です。
（この記事を書いた人：角野 實）
