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FX取引にあたっては、ファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析のほうが大切です。
というのも、レバレッジをかけた取引であるため、中長期よりも短期的な相場変動を強く意識する必要があるからです。ファンダメンタルズ分析ではどうしても短期的な相場の動きを読み違えがちです。
テクニカル指標は数多くありますが、その中でも理解しやすいものの1つが「騰落レシオ」です。
初心者でも簡単に計算可能な指標です。株式市場で用いられることが多い指標ではありますが、株価が為替レートに影響するケースも多くあるので、しっかり理解しておきましょう。
騰落レシオの詳細
まずは、騰落レシオとはどのような指標なのかを把握します。
騰落レシオの計算は、直近25営業日間の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数から計算します。
例えば、値上がり銘柄数が800で値下がり銘柄数が1000の場合は、800÷1000×100＝80％と計算します。騰落レシオの値が大きいほど、値上がりが続いている（相場が過熱している）ことがわかります。
相場の状況を判断する騰落レシオの目安値は、下が70％、上が120％程度とされています。
騰落レシオが120％を超えていると買われ過ぎ、70％を下回っていると売られすぎだと判断しましょう。
もっとも、災害などにより相場下落が続く場合などは、騰落レシオにゆがみが生じることがあります。あくまでも目安として利用しましょう。
現在の騰落レシオは？
円ドル為替相場は、日本の株価による影響を受けることがあります。円安→株高、円高→株安の流れが逆行し、株高→円安、株安→円高となるケースがあるのです。
そこで、円ドルのFX取引をしているなら、現在の日本の株式市場の状況をある程度把握しておくべきです。日経225などを分析するとよいでしょう。その際に「騰落レシオ」を活用してみます。
では、最近の日経225の騰落レシオをチェックしてみましょう。6月上旬時点の騰落レシオは100％をやや下回った値で推移しています。
年初からの株安により1月や2月は売られ過ぎの目安となる70を下回って推移していましたが、その後の持ち直しにより3月には一時120を超えました。
出典：http://nikkei225jp.com/data/touraku.html
その後株式市場は徐々に落ち着きを取り戻し、90～120程度の範囲で上下変動を繰り返しています。
米雇用統計や消費増税再延期、日銀会合や参院選などさまざまなイベントがある中で、株式市場が再び不安定な動きを見せる可能性があります。
為替への影響も考えられるだけに、騰落レシオを用いてしっかり日本株の状況をチェックしておきましょう。
簡単なのでぜひ使ってみよう！
騰落レシオは上げ下げの幅を考慮しない指標です。そのため、市場の状況を正確に反映していないこともありえます。ただ、25日間の平均をとることによって、誤差が縮小されています。
また、簡単に計算できるわかりやすい指標なので、大まかな相場状況をつかむのには有効です。FX取引だけをしていると、どうしても株式投資に用いられるテクニカル指標にはなじみが薄くなりがちです。
株式市場の状況についても大まかでよいので把握できれば、よりよい成果をFX取引で挙げられる可能性もあるので、まずは騰落レシオに馴染んでみてはいかがでしょうか。
テクニカル分析の入り口
騰落レシオは、複雑な指標が数多くあるテクニカル分析の中で、初心者でも簡単に理解できる指標です。そのため、FX取引で活用すべきとされる分析手法になかなか手が出ない人でも取り組んでみる価値があるといえます。
株式市場について知っておくことは、FX取引において役立ちます。まずは株式市場の過熱感をチェックできるようになってみるとよいでしょう。
騰落レシオの値についてはネットで検索すれば簡単に見つけられますが、自分で計算してみても勉強になりますよ。場合によってはFXと並んで株式投資のスキルも磨かれるかもしれません。時間の余裕を見つけてチャレンジしてみてくださいね。
