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以前に私は、ユーロという組織は第二次大戦を経て、域内で戦争ばかりをしたことがヨーロッパ諸国を疲弊させ、その結果、アメリカに経済覇権と奪われてしまったことからの反省からＥＣ共同体からユーロという組織を立ち上げたという話をさせていただきました。
詳しくは以下のウィキペディアをご覧ください。
GDPの数値からわかること
年初からアメリカ利上げによって、新興国経済の減速が進行して円高、株安が始まったのは記憶に新しいことです。先日の伊勢志摩サミットでもあらたな国際合意がなされ、各国は機動的な財政出動をすることが約束されましたが、そのお題目は「リーマンショック前夜」ということでした。
この表現に対してかなりの反発が欧州からありましたが、私も同様に思います。これは「東南アジア通貨危機前夜」と表現したほうがよかったのですけどね。
忘れてならないことは上海合意ではドル安の合意、そして今回は機動的な財政出動が国際合意として形成されていることです。また、古くはアメリカが「金融政策」を変更したときには、その補完を日欧の金融政策当局が行うという合意を忘れないで今回のウィキペディアをご覧ください。
この年間「GDP」は、3月末くらいにはすべて発表されると記憶していますが、この時期、ドル円や日経平均、原油などのトレードに忙殺されて忙しいからいいや、というダメ人間の典型の発想で引きのばしていたのですが、みなさんもこのウィキペディアをご覧になって驚いていると思います。
もっと言うならば今年の4月から来年の3月までの間に、つまり「ＩＭＦ」の名目ＧＤＰの発表、2016年版は2017年3月までに発表される可能性が高いので、ユーロドルはその間にパリティー、1ユーロ1ドルを割る可能性が非常に高いということになります。
だから、去年、私はユーロドルがパリティーを割ることがない、と言っていましたが今年の場合は割ってしまう可能性が非常に高いという表現に変えます。
つまり、ユーロは買いと去年までは叫んでいましたが、今年は一転売りと叫び続けるのでしょう。
ユーロが下がるということは、ドルが上昇するということは簡単にわかると思いますが、上海合意ではドル安に誘導する方向で合意がなされています。
また、伊勢志摩サミットでは機動的な財政出動の合意がなされていますので、この合意は「Ｇ７」であって上海合意は「Ｇ２０」であるという認識をお忘れなく、先進国、つまり「Ｇ７」各国の通貨は財政出動を行った場合は安くなるということはわかると思います。
上海では新興国を含めた「Ｇ２０」でドル安の合意がなされていますので、極端な話、ドル安、人民元安そのほかの通貨高の合意と考えればいいのです。今回の伊勢志摩サミットの合意というのは、Ｇ７なのですから先進国の通貨安、新興国の通貨高の合意がなされたのです。
結局、今年1年の国際合意では新興国の通貨高が合意されて、中国人民元に関してはドルにペッグしていると考えれば人民元安になると思います。上海合意のさらなる合意が伊勢志摩サミットと考えれば、ドルが安いということは、ほぼ規定路線になります。
2016年度は新興国通貨の買い
つまり、円高も規定路線になりますが、ユーロ高も既定路線とも考えることもできます。でも伊勢志摩サミットの合意内容では、先進国の通貨安、新興国の通貨高で合意をしたということがわかると思います。
つまり「2016年度は新興国通貨を買いましょう」と宣言しているのに等しいことになります。
これにクロス円の新興国通貨を考えると話がややこしくなりますのでドルストレートでは新興国通貨買いが決定的になったと考えるべきで、その基本路線で投資戦略を見直すべきだと思います。
そして、肝心のユーロドル相場は先進国通貨同志の通貨ペアになりますけど、上海合意の内容とは変わりますが、やはりパリティー割れ路線は規定路線になったと思います。
どういうときにドル高になるのかを考えれば、自動的にユーロが下落するときもわかると思います。5月は株を売って、寝ていろという格言からもわかるようにこの5月、6月は危機が起こり易い時期ですよね。
かなりややこしい話になっていますが、上海合意、伊勢志摩サミットの合意内容、アメリカ金融政策変更後の日欧の補完、この３つの合意をきちんと覚えて対処するほかないと思います。
これはかなり難しい方程式ですね。何を意図しているのか、さっぱり現時点ではわかりません。
（この記事を書いた人：角野 實）
