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急騰のあとに急落ありを地でいくFX相場

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昨日から今日にかけての為替相場はおかしな動きでありました。5/25の安値は「109.17円」になります。
この日本やアメリカの景気状態では、この「109.1円」近辺で切り返すことはテクニカルをやっているトレーダーであれば想定をしなければいけないのですが、この形の切り返しが出たのは私の記憶ではドル円では「リーマンショック」以前まで遡らないと記憶がないくらい久しぶりの形になります。
昨日は、この「109.1円」からの切り返しは通常の形であれば戻り新値をつけて下落するのですが、つまり「110.58円」を取りきってからの切り返すのですが、「110.37円」で切り返しという見たこともない形になりました。
そして今朝、一気に為替相場が急騰しましたがその原因を市場関係者はアルゴといいます。便利な言葉ですね、アルゴ、という言葉は。私は昔、大手新聞にマーケットの市況解説をしていましたので困ったときは「中東」と解説をしたのですが、現在は「アルゴ」というのが流行らしいですね。
とにかく、市場関係者がアルゴや中東というときは何もわかってない、という意味と同義になります。

5/25の動き

朝から、年金マネーや郵貯マネーが一生懸命介入しているなとは思っていましたが、朝から買っても、買っても撃沈されていてこりゃ、久しぶりに年金マネーが負けるかな、なんて思っていましたが東京株式市場や東京外国為替市場が引けて、ロンドンやニューヨークダウ先物市場も使って必至に介入をしていたのはよくわかりました。

時間などは覚えていませんが、この「109.17円」近辺でやっと介入が奏功してニューヨークダウもドル円も見事に切り返し、特にニューヨークダウは青天井みたいな動きになったのです。
もちろん、この動きに関しては日本の年金、郵貯マネーが大活躍しているのは想像に難くはないのですが、おそらくまた米系ファンド、ないしはそのほかの外資系ファンドは踏まされたのであろうと思います。
マーケットの基本中の基本ですが、たとえば新規売りを仕掛けて、それを損切った場合、もう一度売り直すのが鉄則です。株や為替市場で一番重要なことはその値段が割安か割高かを判断することが一番大事なことなのです。
要するに米系のファンド、そのほかのファンドにしてもドル円は割安とみており円高方向のポジションを構え、アメリカ株にしても利上げを控えて、利上げということは債券利回りが上昇することになりますので株のポジションを減らして、債券を買いにいくのが通常のトレードになります、アメリカ株が下がることを見越して売ることが常識になります。
それが日本の郵貯、年金が買ってきたので必至に売り向かったのですがあえなく玉砕というのが昨日の状況なのです。この郵貯、年金マネーの介入担当者が上手いと私がいうのはこの正確には「109.177円」まで下落してきちんとテクニカルがわかっている人間であればこの水準というのは警戒をします。
しかし、最近、冒頭でも申し上げた通りここで切り返すことはめったにありません。でもきちんとしたプロであるならここは本当に警戒をしなければいけない水準なのです。そこで狙い打ちしたのは上手いな、と感心させられます。

5/25は割安な水準にNYCを迎え

翌、5/26は朝から急落しました。この急落の意味がわからないと市場関係者は騒いでいるのですが、私から言わせれば割安なのだからみなで一斉に買えば円高になって当然なのです。

しかし、昨日の戻り新値を更新しないことのほうがよほど気持ちが悪いと思うのです。通常は、そこは戻り新値までは押し目買い一貫でいいのですが、そこまでやればきちんと円高方向に戻り売りのチャートになるのにその手前で介入を辞めているのが非常に不気味なのです。

今朝、もう一度みると円暴落チャートになる形に

今朝、このチャートをみて、もう一度、確認すると円の暴落線が完全に出てしまっているのです!

もちろん、これには条件があって、この水準を最低でも1カ月維持、理想は半年持たせることができれば円は暴落します。「再び円安になる」ということになります。
国際通貨ペアであるドル円を今後、一度も「109円」を割らせることなく維持ができたら近い将来ものすごい円安になるな、と思いますね。
だからこの財務省の介入担当者は異常に上手いと思うのです。この辺のテクニカルを理解するのには最低でも10年の経験値が必要だと思います。
(この記事を書いた人:角野 實
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