「経済指標」等を眺めていると年初から始まった新興国危機、実際はアメリカの利上げによって起こった景気減速になるのですが、かなり回復しているように思います。
ただ、消費はやはり伸びていないであろうな、とは感じますが日米欧の指標をみていると予想以上に回復をしていると感じます。
消費税増税再延期はあるのか?!
先日の国会、党首討論にて「安倍首相」は予定通り消費税増税の再延期を行うと改めて表明しました。
しかし、首相が延期を決めたという噂は永田町にも駆け巡っているようで、野党の追及は本当に再延期をするのかに絞って追及していた感があります。
ここまで予定通り増税をやると明言をされると、本当に事情通が延期を決定したという情報は本当か、という考えもあることは確かですが、その根拠が1-3月期のGDPが1.7パーセントと成長したことを根拠に挙げていたので、それを覆す証拠がたくさんありますからまだ真相はわからないな、と思います。
政治家は国の力を示す「GDP」を重視するのは当たり前なのですが、一方で企業物価は先月も下落して昨年と比べて3.9パーセントのマイナスです。
つまり「アベノミクス」というのは日本の財政危機から端を発した問題ですので、物価が下がり続ければ当然、消費税の税収は減ります。
つまり「GDP」という国力は回復していますが、物価が下がり続ければ税収は下がるのです。今の政権は財政危機問題と平和憲法問題を主に取り組んでいますので、税収減は財政危機に直結しますので、まだ延期の目は残っていると判断するべきだと思います。
物価が下がれば恒久的に財政危機は続き、消費増税が物価を押し下げているとすれば、その再延期の目はまだあると判断するべきだと思います。
アメリカの利上げは6月にあるのか?
利上げをする要件として一番の問題は「労働市場」の問題になるのです。この労働市場、近年の統計が出始めてから絶好調になっています。
もっと、簡単なことをいえばアメリカ開国以来で最絶頂期といってもいいくらいの好調さになります。
去年の年末に利上げをした際、労働市場の調整が年末まで続くであろうと「FRB」は予想していたのですが、嬉しい誤算が現在あるのです。
そして二番目に重要なのは賃金の上昇を含んだ「物価上昇」ということになります。先ず、「消費者物価」も卸売物価指数も現在、1パーセント未満しか上昇しておらず、決して良好な数字ではないと言えます。
私はサプライズ利上げがあるとすれば、この物価上昇が2パーセントを瞬間でも超えることがあれば「FRB」は利上げをする可能性があると言っていると言いました。
そして利上げ前から再三私が指摘しているように、ドル高の問題があります。この点に関してはドル高が落ち着いたと言明しています。これ以上ドル高が進む可能性は少ないと。
以上の点からみると、6月にアメリカが利上げする公算は非常に高いと思います。
上記を踏まえると
先ず、ほぼ確定的なのはアメリカの利上げ、おそらく「0.25bpt」になると思いますが、なぜなら物価が目標にも届いていないのに「0.5bpt」にするはずがないからです。
そして、今回の「伊勢志摩サミット」で日本が提案をするのは、上海合意でも合意された機動的な財政出動です。思い出してください。アメリカが「金融政策」を変更したときは協調して市場に介入する国際合意を。
この財政出動はアメリカが利上げをした場合は、日本はさらなる金融緩和策をする必要があるのです。
流れを説明すると、「アメリカの利上げ→日欧の追加の金融緩和策(伊勢志摩サミットの提言)→景気上昇期待からの消費税増税の再延期」 とみるのが妥当ではないでしょうか?
次回はその場合のマーケットの動きに関して解説をしたいと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)