熊本地震の発生により、日本の政治・経済に動きがみられています。政治の面では、衆参同日選が見送られることとなりました。また、経済の面では、復興を加速させるために予備費の活用や、補正予算の編成が決定されています。
自然災害はいつ起こるか、誰にも正確な予想はできません。そのため、いざ起こった際にパニックにならないようにする必要があります。FXトレーダーとしても準備をしておく必要があるといえます。
災害が起こると市場参加者が減少
大きな災害が発生すると、市場への参加者が減少します。為替市場、株式市場など、あらゆる市場で、様子見を決め込むトレーダーが増えるからです。
こうなると、一部のトレーダーの動きが相場全体に影響を与えやすくなります。相場の急変に注意したい場面です。そこで、大災害発生のニュースが入ってきたら、まずはリスクを下げておくことが大切です。
通常であればロスカットに遭わないと考えていたラインまで、相場が急変することがあるからです。ロスカットは自動的に損失額を限定してくれる貴重な存在です。
しかし、あくまでも中長期で見て損失が膨らみすぎるのを防ぐ際に効果を発揮します。短期的な相場変動でロスカットが繰り返し起こると、あっという間に資産額が減少してしまいます。
有事の際は相場変動が大きくなりやすいので、ロスカットに遭いにくいレバレッジ設定を工夫するなどの対策をとりましょう。
金融緩和なら円安に向かう
地震をはじめとする大災害が起こると、国の経済が落ち込みます。実際、熊本地震でも部品供給の停止から一時的にトヨタ自動車などの自動車会社が生産ラインを停止させるなどの動きがみられました。
こうした動きによって、国内経済が落ち込むと考えられます。また、自粛ムードが広がりを見せると、個人消費の落ち込みにもつながります。
金利の高い通貨を持っておいたほうが、多くの利息が得られるからです。そのため、日本で大災害が起こり、「金融緩和」が行われれば、為替レートは円安方向に触れる傾向があります。
日本で想定されている大規模災害とは?
日本では2011年に東日本大震災が発生しました。東北地方を中心に大きな被害が発生し、「リーマン・ショック」から立ち直る段階であった日本経済にも大きな打撃となりました。
今回の熊本地震も、東日本大震災と比べると規模が小さいものの、熊本県を中心に大きな被害が出ています。このように、日本は災害が多い国です。
では、日本で今後、どのような災害が予想されているのかを把握しておきましょう。まず、地震については、東海地震、東南海地震、南海地震といった海溝型の地震のほか、日本各地で直下型地震の発生が予想されています。
直下型地震とは、今回の熊本地震や1995年の阪神淡路大震災のように、都市の真下を震源とする地震です。津波は発生しないものの、都市部の多くの建物が倒壊するなどの被害が発生します。
このほかにも、箱根や阿蘇などの火山のほか、夏場を中心にやって来る台風の被害が懸念されます。
台風であれば襲来する数日前から予想できますが、火山の噴火や地震の発生を予測することは困難です。どのような災害がいつ襲ってきてもおかしくない、という心構えを持っておきましょう。
トレーダーとしても有事に備えよう
災害発生後しばらくすると、被災地域以外でも防災用品の売り上げが伸びるなどの影響がみられます。防災意識を高める人がいるからです。トレーダーも、もちろん自分の命を守るための防災対策を行うことが大切ですが、それに加えて、自分の資産を守る対策も講じておきましょう。
自分が被災した場合はトレードする余裕などないかもしれませんが、幸いにして自身が被災しなかった場合は、資産をしっかり守れるように準備しておきましょう。