FX取引は、為替レートの上昇あるいは下落を正しく予想できれば、利益を上げることができます。
円ドル相場を例にとると、「円高ドル安」「円安ドル高」のいずれかを予想しさえすれば良いのですから、見かけ上は単純な取引です。
初心者でも簡単に取り組めそうなイメージを持つことができます。ところが、初心者がFX取引を始めると、短期間で大きな損失を被ることがあります。こうした事例から、FXは危険だと考えているかもしれません。しかし、FXも取引のやり方しだいでは「ローリスク投資」になるのです。
基本はハイリスク
FXでローリスク投資ができる、と聞いて飛びつきたくなった方は注意して下さい。
FX取引はあくまでも、「基本的にはハイリスク」だからです。「FX=ローリスク」というわけではありません。FX取引ではレバレッジをかけて取引します。
例えば、レバレッジが10倍であれば、1%の為替変動によって10%の利益あるいは損失が発生します。
実際の為替レートの変動率よりも、利益や損失が出る割合が高いため、「ハイリスク・ハイリターン」だといえます。
個人口座でFX取引をする場合、日本のFX会社を利用しているとレバレッジ上限が25倍に制限されています。そのため、極端に高いリスクをとりすぎる危険性は抑えられています。
とはいえ、為替レートは短時間で急変動することがあります。上限いっぱいの25倍のレバレッジをかけているときに、思わぬ為替変動が起これば、巨額の損失を被りかねません。
FX取引を始める段階では、想定外の変動があり得ることを、常に念頭に置いておきましょう。
レバレッジ設定しだいでリスク抑制が可能
「FX取引ではレバレッジをかけた取引を行います。レバレッジ上限は25倍です...」という話は良く聞きますよね。では、レバレッジの下限はいくらなのでしょうか。
5倍?10倍?いやいや、「レバレッジ1倍」がアリなんです。レバレッジ1倍だと、為替レートの変動率以上に大きな損失を被ることはありません(スプレッドは除く)。
したがって、FX取引でリスクを最小限に抑えたい場合は、レバレッジを1倍に設定すればリスクを抑制することができます。もちろん、リスクを抑制する分、リターンも限られてしまいます。
しかし、FX取引で少しでも利益を上げたい、と考えているなら「レバレッジ1倍」で取引してみても良いのではないでしょうか。
自己資金で練習をしてみよう
レバレッジ1倍でのFX取引はローリスクだといえます。そこで、FX取引の「デモトレード」などである程度、取引感覚がつかめたら、自己資金をレバレッジ1倍で取引してみましょう。
いくら「デモトレード」で多くの為替取引をしたとしても、自己資金を用いるのとは感覚が異なります。自己資金だとたとえローリスクな取引であっても、利益や損失が実際に発生するからです。トレーダー心理に損益の状況が与える影響を体感することができます。
このように、FXのレバレッジ1倍はFX取引の初心者でも活用することができます。また、ある程度FX取引に慣れ、レバレッジを上げていく段階でも、新たなトレード方法を試すのに、レバレッジ1倍を活用することができます。
「FX=ハイリスク」とは限らない
FX取引はハイリスクだとのイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
確かにFX取引では、少額の資金を1億円以上に増やした伝説のトレーダーなどが存在する一方で、貴重な退職金をすべてとかしてしまったり、借金地獄に陥ったりするトレーダーもいますよね。
ただ、FX取引がハイリスクになるのは、高いレバレッジをかけるからです。
レバレッジを低めに設定する、あるいは1倍(≒レバレッジが実質的にかかっていない)にすれば、ローリスクなFX取引を行うことができます。ハイリスクだからとFX取引を敬遠していた人は、ローリスクでFX取引にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。