「アセット・アロケーション」という言葉があるのはご存じでしょうか?私もスタートは株券から商品先物、FXという風にいろいろな投資を経験してきました。
不動産の投資に関しては「REIT」を中心に投資をしてきましたが、私の場合は先祖代々の土地が一棟建てのマンションになっていますので、あまり今まで興味がありませんでした。
FXのブログで不動産投資を推奨するのはおかしいかもしれません。しかし、この通貨の時代というのはブームも終焉を迎えるのではないのか?と最近では常々思っています。
ジム・ロジャースの大商品の時代
「ジム・ロジャース著書 大商品」の時代という本があります。この本は日本でもベストセラーになった本でもあります。この本の要旨は簡単にいえば、ドルが凋落することによって商品の価格が高騰をして、商品投資の大ブームが起こるであろうという内容です。
参考までに「ジム・ロジャース」は「ジョージ・ソロス」の元パートナーで世界的な有名な投資家になります。よく、ソロスなどを欧米では悪の代名詞みたいにいう方がいらっしゃいますが、本人のインタビュー等を聞くと本当に素直な意見しか言いませんし、的を得ていることしか言いません。
つまり、それによって自分たちの政策をぶち壊しにされた人たちが悪口を言っているのにすぎません。
要するに自分たちが正しいと思ってやったことを邪魔されそれによって政権から放逐された結果、悪口をいっているのにすぎないと感じます。
つまり、この「ジム・ロジャース」の予言は大当たりだったのです。「ジム・ロジャース」の本業というよりも一番得意な投資が商品であったからそういっているのかもしれませんが、現実にゴールド、シルバー、農作物、原油、エネルギーなどのあらゆる商品が「リーマンショック」前に史上最高値を更新したのです。
そして、「ジム・ロジャース」が大商品の時代が終わったと発言をした半年後に原油が暴落しました。
そのときに債券トレーダーは転職を考えるべきだという発言は未だに示現をしておりませんが。
その上、ユーロと日本はマイナス、ネガティブ金利なのです。お金の相対的価値、つまり、不動産や商品、株式と比べて下がっているのです。これは、何度も説明しているのですが為替レートというのは通貨同志の相対的な価値であり絶対的な価値ではありません。
通貨単独の価値というのは供給が増えているのですから減価しているのは当然の話です。
我々は為替レートをみて昔の範囲の中のレートの推移をみて、あまり価値は変わっていないと認識しますし、「リーマンショック」から立ち直ったドルの価値がいくら上昇してもそのレートは通貨の価値同士においての価値であって、資産の中、アセットアロケーションの中ではお金、つまり現金や「国債」の価値というのは保有していれば今後、もっと価値が下がる可能性が高いということになります。
ですから、相対的には株式、不動産、商品の価値が上昇するのは当然の話になります。
なぜ、通貨ブームが起こったのか?
1990年から2010年ころまで大商品ブームというのであれば、その後は通貨ブームになったと思います。この10年でFX取引ほど大衆化した金融商品はないと思いますし、この大金融緩和を行ったので町の中にはお金に関する情報があふれ却っています。そういう下地は揃っていました。
しかし、今後「アベノミクス」の失敗は次々に明らかになってくると思います。結局は小渕、小泉ラインで成し遂げた平成になって最大の景気回復ということの二番煎じになると思います。
お金によって「金融政策」を決めても景気はよくならないということが、マスコミを通じて国民に知らせてくる経過になると思います。
かといってFXの取引が衰退するとは思いませんが、ブームは近年中に消えるのではないのか、と思います。このお金のブームは上昇という意味ではなくよく動くという意味で今までのブームと線を画したブームになると思います。値段が上昇しない金融商品には人気が集まらないと思います。
なぜ、あんなに悪いヨーロッパの経済なのに成長率は日本より高いのか?
イギリスなどは2000年くらいから住宅投資ブームですし、ユーロ圏内も同じでリーマン、南欧債務危機にさらされても不動産投資ブームです。アメリカもリーマン直後が最悪でしたがすでに不動産市況が景気を引っ張っているという現状でもあります。
この動向というのは「もう人々はお金など信用しない」ということの証左になると思います。
信用できるのは実物のある不動産だという投資行動になると思います。おそらく、今後は世界的に不動産ブームが起こるのではないか、と個人的には思っています。
(この記事を書いた人:角野 實)