私は本欄に寄稿をするようになって半年以上経過をすると思いますが、その間、「アベノミクス」の最終局面は失敗になるだろう。ということは、数ある予測のうちこれだけは変わりません。
今まで、様々な急落場面を当ててきましたが、その予想は日々のメンタルで変わっている側面もありますが、「アベノミクス」だけは最終的には失敗するだろうと思っています。
その理由は何故なのか?が自分なりに結論が出ましたので検証をしていきたいと思います。
為替相場の根幹
「ニクソンショック」によって金とドルの交換が停止をされ実質上の「金本位制度」の崩壊となりました。このことが意味することは、みなさん何かを考えたことがあるでしょうか?もっと具体的にいえば「金本位制度」というものの意味というのは何でしょうか?
みなさんが日常使っているお金の本質での価値というのは、単なる紙切れであり単なる安い金属です。そこに日本政府の信用があるから価値を持つのです。
「金本位制度」というのは高々紙切れと、金属片には価値がないから、それをいつでもどこでもゴールドと交換させることによってお金の価値を保たせようとしたことが本質的な意味になります。
現在のお金は信用で成り立っているのですから中国の人民元が人民元安になるのは経済が揺らいでいるので当たり前の話ですし、ギリシャが万が一単一通貨制度であったらギリシャの通貨は何千倍たたき売られ、「インフレ」もギリシャ国内でもひどいことになっているでしょう。
現代のお金というのは政府の信用
ゴールドであれば、あの光輝くゴールドは人類を魅了するものですから価値があるのは確かでしょう。
実際の金塊というのは磨いていなければ本当に汚い、金のインゴットを触った後には必ず手洗いをしなければいけないほど汚いものなのですけどね。
「金本位制度」が崩壊して実質、お金の価値は政府の信用やその国の経済力に変わったのです。
現状の日本政府の信用
連日、間抜けな報道ばかりでこのような国会議員というのを誰が信用しているのだろう、と思います。
大臣が大臣室で口利き手数料を受け取ってみたり、育メンが妻の出産中に不倫をしてたとか、旅行に行くために国会を休み離党しただけで辞職もしない、国会議員枠で株を購入したという実質上の金商法違反の犯罪者も離党しただけで議員辞職をしない。
経済学には「ゴキブリが1個いれば100個いることを疑え」という格言がありますが、こんな事件ばかりが目白押しではさすがに国会議員の中に、まだこんな小学生でもわかる「悪い事をしている奴は、まだまだいるだろ」というのが本音になります。
口には誰も出して言わないけど、誰も信用などしていないのも当たり前ですよね。
小泉さんの「痛みなくして構造改革なし」と言って、痛みだけを与えて偉そうにふんぞり却って余生を過ごすのを見て、また、枡添さんの「100年安心の年金システム」と言っててちっとも安心ではない年金システムを作り、東京都知事でふんぞり却っている姿をみて誰が政治など信用するのでしょうか。
つまりお上のやることに庶民が従うのは結局、お上がやることが大勢的に正しかったからだけの話で今は、間違いだらけです。
世界で一番ひどいハイパーインフレ
先進国の中で一番酷い「インフレ」は第一次世界大戦後のドイツではなくハンガリーになります。
ドイツが有名なのでドイツと思っているかもしれませんが、ハンガリーのほうが物価の上昇率が高かったのです。このハンガリーのハイパーインフレは物資が不足しているから起こっているものではありません。むしろ物は充足していたのですが、インフレはとどまるところを知りませんでした。
ところが、新通貨を発行してそれをゴールドと交換することを保証すると一気にインフレは収束をしたのです。つまり、人は本能的に通貨に価値がないことを感じ取り、その通貨をモノで保証をしない限り信用しなかっただけの話なのです。
つまりお金を持っていると使えるけど信用していないので、すぐに物に交換をしたので物価が上がり続けただけの話です。
日本の場合
日本の場合は経済力がありますので、それほど物価は上がりません。しかし、政治の信用はゼロに近い数字になると思います。自分たちの失政を絶対に認めない、たとえば巨額の「財政赤字」をなぜ放置して増税ばかりするのでしょうか?
バブル景気のころ借金を返済するどころが余計に財政の拡大を図ったのは、安倍さんのお父様、そしてその背後にはおじいさんやおじさんがいるのです。
普通なら失敗したのですから表などに出てこられないのが通常の感覚ですし、北川景子と結婚した竹下さんの孫などは、ふるさと創生と奏して無駄使いの走りを行い、一方で消費税増税を行ったバカ首相の孫がよく表に出られるな、と思います。
そういうのが積もりに積もっているのに、小学生でもわかる悪いことを、なぜ国の代表がやるのでしょうか?通貨の価値というのは、あなたがたの信頼にかかっているのにも関わらず、旅行に行きたいから仕事を休み報酬だけは満額貰うという倫理性に疑問を持つしかありません。
はっきりいえば政治のことなど知りたくもありませんが、「金融政策」がマーケットの行方を決めますので見なくてはいけない側面もあります。
「アベノミクス」は経済の施策としては正しい施策だとは思うのですが、経済の根幹のお金は国や官僚、公務員の双肩に関わっているにも関わらずそういうバカなことばかりやっているから誰も日本の政策を信用しないのです。
つまりおカネの供給を増やしたら通貨の価値が下がるのは当たり前で、その反面で物価が上がるというのは当たり前のことです。それが正常に機能をしないというのはお金の信用に問題があるのです。
これが、「アベノミクス」が上手くいかない正体だと個人的に考えています。
(この記事を書いた人:角野 實)