アメリカの利上げによって「イエレン議長」はアメリカの成長は「FRB」の計算通りに成長をしているとコメントを出しましたが、一方で懸念の方はドル高であるとしています。
実はマーケットのことは、マーケットに任せるというのは詭弁ではないのか?
実は、アメリカドルに関して「イエレン議長」が懸念を示すのは今年二回目になるというのは何度も解説をしていると思います。一回目は3月です。つまり、ユーロドルが「ECB」の緩和開始に伴い怒涛のように売られたことに対して為替市場に関係なくドルが高すぎると表明したのです。
そのころの日本は期末に向かって株価が上昇していましたし、統一地方選も控えていましたので、例によって大手新聞各紙は政府の御用報道になり下がっていたのです。
つまり、「イエレン議長」がアメリカの成長に危険シグナルを点灯していたのに、日本政府のご意向によってそれを無視しろというおそらく指示があったのでしょう。無謀な「FRB」のサプライズ利上げと煽りたてたのです。
正直言ってどこの新聞も「FRB」ウォッチャーは必ず存在すると思いますし、生の声を聞いていて私は「FRB」のサプライズ利上げがあるなんて、とてもではないがそんなことを書く記者はいないと思います。しかし、実際には日本ではサプライズ利上げなんてバカな報道がまかり通りました。
その論功賞が今回の新聞の「軽減税率」だったのでしょうね。ただ、それは新聞記者として新聞として間違っていますので、そのうち日本の新聞なんて誰も読まなくなるでしょう。
さて、話は元に戻してその当時のレートは1.060から1.070だったと思います。そして今回のドル高懸念発言は1.060から1.070で行われているのです。
つまり、完全なる口先介入
前回も今回も同じように、ユーロドルのレートが同じ水準にきたときにドルが高すぎるという懸念を表明しているのです。今回の「ECB」の追加緩和は、期待外れという報道が多数ありますが何を言っているのか、と思いますけどね、個人的には。
何度もいうように、ユーロの成長は日本よりも高いのですからそんなに大規模にならなくて当たり前です。それを「ドラギ」がっかり緩和なんてバカな妄言が飛び交っていますが書いている方の頭の中身のほうがよほどがっかりです。
つまり、今回のドル高懸念は世界の人のほとんどが、ドル高になるであろうと思っていることに対して警鐘を鳴らしているのです。
つまり、アメリカはこれ以上のドル高を望まないよ、と。ユーロドルのレートが1.05近辺ないしは、基準値近辺にくればたぶん、また「イエレン議長」が「口先介入」してくれるだろうと思えば、玉も仕込みやすいものですね。
ドル高はアメリカの死活問題
アメリカ人はドルを高いものと、思いこんでいる節があります。しかし、金融当局はドルが高くなり過ぎると現時点ではアメリカ成長の死活問題になると考えていると取れます。
ですから御用報道で「円安」になる可能性が高いなんて報道されてもまた、騙されないようにしなくてはならないのです。根本的に彼らは私たちを騙そうとしているか、ないしは政府、もしくは内閣の支持率の問題で間違った報道をしていると評価しなくてはいけません。
「円高」にいくと株価が下がり、支持率も下がるという安倍内閣の鉄板の見方を絶対に忘れてはいけません。つまり、日米安保の問題で日本はアメリカに従属しなくてはいけないのが鉄板なのに、「円安」に行くという報道は根本を理解していないか、騙そうとしているのです。
アメリカがこれ以上ドル高にいってほしくないのに、「円安」になるのでしょうか?
よく考えてみてください。そしてドル高がアメリカ、「イエレン議長」の最大の懸念要因なのですから、急激な上昇など誰も望んでいないのです。
(この記事を書いた人:角野 實)